ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブsideL 作:ひほーZZ
両親に湯ノ森を出ると遂に切り出したタカミヤ・ヒカル。父親は快く了承してくれたが母親に1度反対される。しかし父親の説得もあり母親からの了承も得る。
部屋に戻ったヒカルはマリオンに最後の頼みとしてAGE-2Breakerと共に妹のツルギを導いてほしいと頼む。マリオンの承諾も得たヒカルは荷造りをし、相棒でもあるAGE-2に別れを告げ眠りにつくのだった。
「…じゃあ、行ってくるよ」
俺は右手に昨日色々詰め込んだキャリーケースを、左手に少し大きめのアタッシュケースを持って両親にそう告げる。なぜアタッシュケースを持ってるかと言うと、ここにはAGE-2Breakerの全てのウェアをしまってあるもので、どうしても持っていきたい場所があったためである。
「お前ならやれると信じているぞ」
父は肩を押してそう言ってくれる。
「辛くなったら直ぐ戻ってきていいからね」
心配そうな目で、それでも優しく背中を押してくれる母。
「ありがとう父さん。母さんは心配しすぎ。まぁ…見ていてよ」
その言葉を最後に、俺は前に歩き出した。あの時夢見た景色をこの目で見るために。
家を出た俺は真っ直ぐクロス・ヨウスケの道場へ向かう。
インターホンを鳴らすと、
「来たか。入ってくるといい」
とスピーカーから聞こえた。俺は言う通り中へ入る。キャリーケースは玄関に置かせてもらった。中へ入るとクロス・ヨウスケが腕を組み待っていた。
「よく来たな。その顔を見るに…迷いは吹っ切れたようだな」
「…はい。俺がやりたかったこと、やるべき課題。その両方がはっきりと見えてきた気がします。後悔も迷いもありません」
クロス・ヨウスケは俺の答えにふっ…と笑うと、
「ではこの場所へ行くといい。そこに貴様の望むものがあるであろう」
と1枚のメモを渡す。受け取ったメモにはとある場所への地図があったのだが…俺はこの場所に覚えがあった。
「ここって…」
「そこの者はワシの後輩がおる。ワシから紹介しといてやろう」
ほんとに…この人はすごい人だ…
「分かりました。ありがとうございます」
「礼など良い。貴様は貴様の思うままに進めば良い。だが決して道を踏み間違えることをするでないぞ」
「分かっています。それでは…失礼します」
そうして俺は道場をあとにした。
メモに書かれた地図を頼りに歩くと…湯ノ森市の市役所に着いた。俺は市役所に入り、受付の人にメモを見せながら尋ねる。
「すいません。クロス・ヨウスケさんの紹介で来たタカミヤ・ヒカルです。連絡は入ってますでしょうか?」
受付の人は「少々お待ちください」と言い、電話で誰かに確認を取っているようだ。1分ほど待っていると、「市長がお呼びです。市長室へご案内します」と案内されるがままに市長室へと向かう。
市長室にて俺は湯ノ森市長である、ソウゲツ・アルマ市長と対峙する。
「君は確か…」
「タカミヤ・ヒカルです。湯ノ森シャイニングゼロのメンバー発表以来ですね。アルマ市長」
「堅いのはよしたまえ。僕はあまりそういうのは好きではない。もっと気楽にしてくれ」
「じゃあおっちゃんでいい?」
「…さすがにそれは心外だな…w」
軽い会話をした後に本題へと入る。
「さて、マスター・アジアから話は聞いている。すぐ用意するから、お茶でも飲んで待っていてくれ。」
アルマ市長が紅茶を出して例のものを取りに行ってくれた。
ちなみに言うと俺は紅茶があまり好きでは無いのだが…せっかく出してくれたのに飲まないのは俺のポリシーに反するのでしっかりと飲む。…意外と美味いなこれ。
飲みながら待っているとアルマ市長が帰ってきた。
「お待たせ。これが新しいデバイスだ。ここに新しい名前とガンプラを登録すれば、晴れて君はタカミヤ・ヒカルでは無い新たな人間へとなれる。もちろん、湯ノ森出身のね」
俺は新規登録用のデバイスを受け取る。
「ありがとうございます。でも…ガンプラはまだ決まってないんですけど…」
「それについては後から登録すればいいさ。とりあえずは名前を登録したまえ。それとも名前を考える時間が必要かな?」
その問いに関して俺は首を横に振る。
「いえ、名前はここに来るまでに決めてあります。それにするつもりです」
俺はそう話しながら、デバイスに新たな情報を登録していく。
「登録が終わってこの街を出たら、この商店街へ行くのはどうだい?僕の知り合いもここにいるからおすすめだよ」
「…ここって…さほど有名でもない商店街ですよね…?どうしてここに市長のお知り合いが?」
「とあるロボット企業で務めてるんだよ。彼に話せば、住処もなんとかなるだろう」
「なるほど。ちなみにここって湯ノ森からどのくらいなんです?」
「確か…4つほど隣の駅で、そこから徒歩20分くらいかな」
「へぇー…そこそこ距離あるんですね」
「確かにね。でもここでの経験はきっと君の糧になるはずさ」
「はい。2人のためにも…そして、俺自身のためにも。必ず成し遂げて見せます」
そうこうしてるうちに登録が終わった。
「こんな感じでいいですかね?」
「うん、バッチリだ。それじゃあ前のデバイスは僕が預かって保管しておくよ」
「お願いします」
俺はアルマ市長に自分の旧デバイスを渡す。これで俺の…タカミヤ・ヒカルの名前とは一旦お別れだ。
「それと、これをとある場所に保管…というか置いて欲しいんですけど…」
俺は一緒にウェアの全てが入ったアタッシュケースを渡す。
「それはいいけど…どこへ置いて欲しいんだい?」
「湯ノ森高校の207番教室のなるべく見つからない位置に置いて欲しいんです」
アルマ市長は何かを察したのか
「ふっ、わかった、置いておこう」
と答えて受け取ってくれた。
「おっと…そろそろ行かないと…」
「お別れの時間か。寂しくなるものだね…」
「大丈夫ですよ。別にもう帰ってこないってわけじゃないんです。少しの間離れるだけですから」
「それもそうだね。それじゃあ…」
俺とアルマ市長が固く握手を交わす。
「またいつかこの街で会いましょう。アルマ市長」
「私たち…湯ノ森市はいつでも君の帰りを待っているよ。タカミヤ・ヒカル君。いや…」
「ナギツジ・タクマ君」
この日俺はタカミヤ・ヒカルから、ナギツジ・タクマへ名前を変えた。
「このガンプラ…決めた。こいつにしよう」
「この辺でガンプラやるならよぉ。まずは俺に挨拶して貰わねぇとな!」
「やーおつかれー!君結構やるねー♪」
次回 ガンダムビルドブレイカーズ : オルタナティブsideL
『新たな出会い』
彼の新たなる戦いの幕開けー