ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブsideL   作:ひほーZZ

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ーあらすじー
両親に湯ノ森を出ると遂に切り出したタカミヤ・ヒカル。父親は快く了承してくれたが母親に1度反対される。しかし父親の説得もあり母親からの了承も得る。
部屋に戻ったヒカルはマリオンに最後の頼みとしてAGE-2Breakerと共に妹のツルギを導いてほしいと頼む。マリオンの承諾も得たヒカルは荷造りをし、相棒でもあるAGE-2に別れを告げ眠りにつくのだった。


三話:旅立ち

「…じゃあ、行ってくるよ」

俺は右手に昨日色々詰め込んだキャリーケースを、左手に少し大きめのアタッシュケースを持って両親にそう告げる。なぜアタッシュケースを持ってるかと言うと、ここにはAGE-2Breakerの全てのウェアをしまってあるもので、どうしても持っていきたい場所があったためである。

「お前ならやれると信じているぞ」

父は肩を押してそう言ってくれる。

「辛くなったら直ぐ戻ってきていいからね」

心配そうな目で、それでも優しく背中を押してくれる母。

「ありがとう父さん。母さんは心配しすぎ。まぁ…見ていてよ」

その言葉を最後に、俺は前に歩き出した。あの時夢見た景色をこの目で見るために。

家を出た俺は真っ直ぐクロス・ヨウスケの道場へ向かう。

インターホンを鳴らすと、

「来たか。入ってくるといい」

とスピーカーから聞こえた。俺は言う通り中へ入る。キャリーケースは玄関に置かせてもらった。中へ入るとクロス・ヨウスケが腕を組み待っていた。

「よく来たな。その顔を見るに…迷いは吹っ切れたようだな」

「…はい。俺がやりたかったこと、やるべき課題。その両方がはっきりと見えてきた気がします。後悔も迷いもありません」

クロス・ヨウスケは俺の答えにふっ…と笑うと、

「ではこの場所へ行くといい。そこに貴様の望むものがあるであろう」

と1枚のメモを渡す。受け取ったメモにはとある場所への地図があったのだが…俺はこの場所に覚えがあった。

「ここって…」

「そこの者はワシの後輩がおる。ワシから紹介しといてやろう」

ほんとに…この人はすごい人だ…

「分かりました。ありがとうございます」

「礼など良い。貴様は貴様の思うままに進めば良い。だが決して道を踏み間違えることをするでないぞ」

「分かっています。それでは…失礼します」

そうして俺は道場をあとにした。

メモに書かれた地図を頼りに歩くと…湯ノ森市の市役所に着いた。俺は市役所に入り、受付の人にメモを見せながら尋ねる。

「すいません。クロス・ヨウスケさんの紹介で来たタカミヤ・ヒカルです。連絡は入ってますでしょうか?」

受付の人は「少々お待ちください」と言い、電話で誰かに確認を取っているようだ。1分ほど待っていると、「市長がお呼びです。市長室へご案内します」と案内されるがままに市長室へと向かう。

市長室にて俺は湯ノ森市長である、ソウゲツ・アルマ市長と対峙する。

「君は確か…」

「タカミヤ・ヒカルです。湯ノ森シャイニングゼロのメンバー発表以来ですね。アルマ市長」

「堅いのはよしたまえ。僕はあまりそういうのは好きではない。もっと気楽にしてくれ」

「じゃあおっちゃんでいい?」

「…さすがにそれは心外だな…w」

軽い会話をした後に本題へと入る。

「さて、マスター・アジアから話は聞いている。すぐ用意するから、お茶でも飲んで待っていてくれ。」

アルマ市長が紅茶を出して例のものを取りに行ってくれた。

ちなみに言うと俺は紅茶があまり好きでは無いのだが…せっかく出してくれたのに飲まないのは俺のポリシーに反するのでしっかりと飲む。…意外と美味いなこれ。

飲みながら待っているとアルマ市長が帰ってきた。

「お待たせ。これが新しいデバイスだ。ここに新しい名前とガンプラを登録すれば、晴れて君はタカミヤ・ヒカルでは無い新たな人間へとなれる。もちろん、湯ノ森出身のね」

俺は新規登録用のデバイスを受け取る。

「ありがとうございます。でも…ガンプラはまだ決まってないんですけど…」

「それについては後から登録すればいいさ。とりあえずは名前を登録したまえ。それとも名前を考える時間が必要かな?」

その問いに関して俺は首を横に振る。

「いえ、名前はここに来るまでに決めてあります。それにするつもりです」

俺はそう話しながら、デバイスに新たな情報を登録していく。

「登録が終わってこの街を出たら、この商店街へ行くのはどうだい?僕の知り合いもここにいるからおすすめだよ」

「…ここって…さほど有名でもない商店街ですよね…?どうしてここに市長のお知り合いが?」

「とあるロボット企業で務めてるんだよ。彼に話せば、住処もなんとかなるだろう」

「なるほど。ちなみにここって湯ノ森からどのくらいなんです?」

「確か…4つほど隣の駅で、そこから徒歩20分くらいかな」

「へぇー…そこそこ距離あるんですね」

「確かにね。でもここでの経験はきっと君の糧になるはずさ」

「はい。2人のためにも…そして、俺自身のためにも。必ず成し遂げて見せます」

そうこうしてるうちに登録が終わった。

「こんな感じでいいですかね?」

「うん、バッチリだ。それじゃあ前のデバイスは僕が預かって保管しておくよ」

「お願いします」

俺はアルマ市長に自分の旧デバイスを渡す。これで俺の…タカミヤ・ヒカルの名前とは一旦お別れだ。

「それと、これをとある場所に保管…というか置いて欲しいんですけど…」

俺は一緒にウェアの全てが入ったアタッシュケースを渡す。

「それはいいけど…どこへ置いて欲しいんだい?」

「湯ノ森高校の207番教室のなるべく見つからない位置に置いて欲しいんです」

アルマ市長は何かを察したのか

「ふっ、わかった、置いておこう」

と答えて受け取ってくれた。

「おっと…そろそろ行かないと…」

「お別れの時間か。寂しくなるものだね…」

「大丈夫ですよ。別にもう帰ってこないってわけじゃないんです。少しの間離れるだけですから」

「それもそうだね。それじゃあ…」

俺とアルマ市長が固く握手を交わす。

「またいつかこの街で会いましょう。アルマ市長」

「私たち…湯ノ森市はいつでも君の帰りを待っているよ。タカミヤ・ヒカル君。いや…」

 

 

ナギツジ・タクマ君」

 

 

この日俺はタカミヤ・ヒカルから、ナギツジ・タクマへ名前を変えた。




「このガンプラ…決めた。こいつにしよう」
「この辺でガンプラやるならよぉ。まずは俺に挨拶して貰わねぇとな!」
「やーおつかれー!君結構やるねー♪」

次回 ガンダムビルドブレイカーズ : オルタナティブsideL
『新たな出会い』
彼の新たなる戦いの幕開けー
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