ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブsideL 作:ひほーZZ
両親と話をつけ、覚悟を決めたヒカルはクロス・ヨウスケの道場へ向かう。そこで1枚のメモを渡され、メモのとおりに歩いていくと湯ノ森市役所へたどり着く。そこで新たなデバイスと名前を手に入れ、彼はナギツジ・タクマとして新たな人生を歩み始めるのだった。
四話:新たな出会い
両親に渡されたお金で商店街までの移動、顔バレ防止のためのウィッグとカラコンの購入は済ませ、残すはガンプラのみ…だったのだが…
「新しいガンプラ…どれにしようか決まらない…」
自分の使用ガンプラが全然決まらないのである。
「個人的にはZかZZ辺り…いやでも換装で戦術を変えるのを想定するとストライク…いっそガンダムフレーム…だぁぁぁ…全然決まらない…どうしよう…」
周りに聞こえない程度での独り言をボヤきながら歩いていると、1つのガンプラに目が止まった。そして思わず手に取る。
「…ダブルオークアンタ…確か劇場版00の刹那の機体…」
何故か俺はクアンタに運命的な何かを感じていた。気がつけばこれを手に持ったままレジに向かっていた。
「1760円になります。組み立てて行かれますか?」
「はい。ガンプラバトル用なのですぐにでも」
「でしたらビルドスペースの貸し出しをいたしますね」
「ありがとうございます」
俺はビルドスペースをお借りし、自身の持ってきた道具でサクッと、そして丁寧に仕上げた。
「可動域はほぼダブルオーと据え置き…武装はソードVとビット6本だけのセブンソード…これらを連結させバスターソードにもなる…これ以上のことはバトルで見ていこう」
俺は模型屋を出て、シミュレーターがあるというゲームセンターまで歩いていく。しばらく歩くとイラトゲームパークというゲームセンターへたどり着いた。
店内に入るとピンク主調のロボットが出迎えてくれた。
『いらっしゃいませ。新しく引っ越された方ですか?』
一瞬ぎょっとした。まさかもうバレるかと思ったからだ。だが実際はそういうわけでもなく、ただ聞いてきただけらしい。
「あー…うん。新しくこの街に引っ越してきたんだ。そうだ、シミュレーター使っていい?」
『ご自由にどうぞ。マスターへは私がお伝えしますので』
そういうとピンクロボットは店主であろうおばあさんの元へ行ってしまった。
「…あぁいうロボットもいるんだな…とりあえず、バトルで試してみるか」
俺はシミュレーターにデバイスとクアンタをセットする。ここのシミュレーターは少し仕様が違ってるらしく、大量のCP機体を倒していくモードで設定されてるようだ。
「さあクアンタ。どれほどのものか見せてもらおうか!」
その一言と共に出撃する。
ステージは宇宙の惑星基地のような所。敵を倒しながら進んでいくようで、今回は全3ステージのようだ。
「敵は…ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ジムが複数体ずつ…ファーストの連邦セットか。腕慣らしにはちょうどいい!」
クアンタは敵の集まりへ突撃する。ビームライフル等で応戦してくるものの、所詮はCP。当たる弾などない。
「これがクアンタ…前にダブルオーを使った覚えはあるが、それよりも使いやすい…!」
クアンタの圧倒的な機動力を駆使し、GNソードVのソードモードで6機、ライフルモードで6機、計12機をあっという間に撃墜した。
「ふぅ…ざっとこんなものか…っと…」
かなり早く次のステージへ行くことになった。CPのレベル…もう少しあげてもらえばよかったかもしれない…
次のステージではザクII、シャア専用ザクII、ドムが今度は5機ずつだ。せっかくなのでここで使ってみたかった武装、ソードビットを使ってみる。
「FXウェアの時は上手く扱えなかったけど…今回は上手くやるさ!ファンネル!…間違えた、ビット!」
…恥ずかしながら言い間違いがあったものの、6機のソードビットが戦場を舞い、敵機をあっという間に殲滅した。
「…使いこなせればここまで強いのか…さすがはオールレンジ…尚更クアンタに決めてよかった」
ビットをラックへ戻し終えた時には既に次のステージへの道も開けていた。
最終ステージではジオングとヅダが4、ザクIIがその倍の数と言ったところだ。
「ラストだからかちょっと少なめだな…まあ…今の俺にはちょうどいいけど」
そういうと俺はクアンタのソードビットをGNソードVへ連結させ、バスターソードモードにする。
「大剣か…腕の負荷はまあまああるが、この位は許容範囲だ」
バスターソードが完成するとすぐさま斬りかかり、ジオング1機を真っ二つに斬り捨てる。やはり大振りの武器だからか後隙がかなり大きい。その隙を逃すまいと周囲の敵機が一斉に襲いかかる。
(やはり隙が大きいな…一見これはピンチ…だがやりようによっては…!)
「1番のチャンス!」
一斉に襲いかかってくるのを逆手に取り、横薙ぎで一気にぶった斬った。今の攻撃で半分は倒した。
「残りも狩る!」
ビットが合体したおかげでソード自体大きくなったので、複数体を一撃で薙ぎ払うという芸当も出来た。
全ての敵機を撃破したのでこれでバトルエンド…と思っていたのだが、
「…バトルエンドにならない…?」
本来ならすぐに鳴るバトルエンドのシステム音が鳴らない。
(もしかしてこの後にもステージがあるのか…?)
そんなことを考えながら待っていると、聞いたことのないアラートが鳴る。
(攻撃がくるアラートとも、隠れてた敵が目の前に現れるアラートとも違う。これは…!)
「…乱入者…!?」
すると突然目の前に新たな機体が出現する。これまでのCP機体とは明らかに雰囲気が違った。
(ガーベラ・テトラ…?いや、確かにベースはそうだがカスタムされてる…さっきまでのCPじゃない…プレイヤーか!)
するとガーベラベースの機体から通信が飛んでくる。
「お前この辺じゃ見ないヤツだな!」
「あんた…一体何者だ…?」
「俺はタイガーってんだ」
「へぇ…そのタイガーさんが、俺になんの用事で?」
「この辺でガンプラバトルやるならよ、まず俺に挨拶して貰わねーとな!!」
そういうとガーベラベースの機体は突然シールドガトリングを撃ってきた!
「おぉっと!?いきなり熱烈な歓迎と言ったところか!」
すかさずかわしてお返しにGNソードVのライフルモードでビームを食らわせる。だがさすがに安直なライフルは受けてくれないようで、ガードされてしまった。すると外部からまた通信が飛んできた。
「もしもーし、聞こえる?いきなりごめんね」
「今乱入してきたのは、この辺で初心者狩りしているタチ悪いやつなの」
(なるほど…だから今ここで乱入してきたわけね)
「でもそんなに強くないから、落ち着いて」
(えぇ…(´・ω・`))
最後の一言で一気に力が抜けた。いや、あんま強くないのかよ…
「お前!外から邪魔すんなよ!」
「いい加減初心者カモるのやめなよ!私が相手になるよ!」
「俺は女には手を出さねぇ!俺より強ぇ女にはな!」
おい一瞬マジでだせぇセリフ吐きやがったぞこいつ。
「ヘタレだなぁ。キミ、さっさと片付けちゃっていいよこんなの」
そうして通信は切れた。
「…だそうだよ?というわけで、さっさと片付けさせてもらうよ」
「はっ!てめーなんぞが俺に勝てると思ってんのか!」
するとガーベラは再びシールドガトリングを乱射してきた。が、さっきの不意打ちよりも全然避けやすい。すぐに後ろに回りこみ、お返しのビームを入れてやった。ガードもできてない背後のためすんなり入った。
「てめー、調子乗ってんじゃねぇぞ!!」
するとガーベラは武器をグランドスラムへ変え、近接戦闘を仕掛けるべく真っ直ぐ突撃してきた。
(いきなり真っ直ぐ突撃…?何を考えているんだ…?とにかく応戦する!)
俺のクアンタはGNソードVをバスターソードモードに切り替え、真正面から打ち合った。
ガキィィィィン!!と2本の剣がぶつかり合い、そこから押し合いに発展する。
「へっ!パワー勝負なら俺に分があるんだよ!」
彼の言葉通り、少しずつだが確実にクアンタが押されていた。
「確かにパワーでは勝ち目がないようだ。なら、速さと手数で勝てばいい!トランザム!」
俺の掛け声と同時にクアンタが赤く光り、ガーベラの目の前から姿を消す。次の瞬間、ガーベラの背部に思い一撃が入る。
「一気に片をつける!」
そこからは数秒の出来事だった。ガーベラが困惑してるものの数秒でGNソードVから切り離したソードビット達がパーツを次々にブレイクしていき、最後にトドメとしてGNソードVを胸部に突き刺し、バトルエンドのシステム音が鳴った。
バトルが終わったあと、タイガーは数秒ぽかんとしてたがすぐに我を取り戻し、
「ちくしょー!覚えてろよ!」
と捨て台詞を吐いてそそくさと行ってしまった。
「はぁ…あぁいうのってちゃんと居るんだな…気をつけよっと」
バトル後のクールダウンをしていると、横から女の子が近づいてきた。
「やーおつかれー!君結構やるねー♪」
声を聞くからにさっき外部から通信してきた人だ。見たところほぼ同年代?に見える。
「私の名前はミサ。サツキノ・ミサ。君はなんて言うの?」
「タクマ。ナギツジ・タクマだ。よろしく」
「初めまして。よろしくね!」
お互いに自己紹介した2人は握手をかわす。
「この辺じゃ見ない顔だけど…どこかのチームに入ってるの?」
「いや、今は入ってないよ」
「え…入ってない?これはこれは好都合…♪」
「え?それってどういう…?」
「詳しいことは歩きながら話すよ」
そうして言われるがままにイラトゲームパークをあとにし、2人で歩き出す。
「私の地元は小さな商店街なんだけど、駅前に百貨店ができてからお客さんが減っちゃってね…」
駅前の百貨店…あのでっかいビルのことか…
「タイムズユニバースって聞いたことあるでしょ?」
「……ごめん、初耳なんだけどその企業…」
「え?知らないの?」
…電之商店があまりにもデカすぎて他企業のこと全く知らない…改めて思う。あの人たち恐ろしすぎでしょ…
「百貨店だけじゃなくて、色んな事業をやってる外国のすごく大きな会社。最近は宇宙事業にも参入してるらしいよ」
「へぇ…そんなにすごい会社なんだ…」
むしろなんで俺こんなでっかい会社知らなかったんだ…
「まぁ、そのタイムズユニバース百貨店が駅前にできて、うちの商店街のお客さんみんな取られちゃったんだ」
「なるほど…それでさっきのゲームセンターでの言葉とどう関係が?」
しばらく歩くと商店街に着いた。そしてミサがこっちに振り返りこう答える。
「そこで私は商店街の名前でガンプラチーム作って、商店街の宣伝をしようと思いついたわけ」
「なるほど…ってもしかしてそれって…」
「そう!つまり、我が彩渡商店街ガンプラチームにタクマ君、キミをスカウトしたいんだよ!」
…これはチャンスだ!宣伝をするということは、すなわち大会に出るということだ。つまり俺の、俺たちの夢であった世界へ行けるかもしれない、ということだ。
「…わかった。その誘い、乗ることにするよ」
この日俺は、新たなチームメイトと出会った。
「まもなくタウンカップ予選開始時刻となります」
「いよいよだね!去年は予選も突破出来なかったけど、今年こそ!」
「ようミサ。新しいチームメンバー見つかったのか」
次回 ガンダムビルドブレイカーズ : オルタナティブsideL
「タウンカップ」
彼らの新たな挑戦が始まる