お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ   作:狂骨

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今回は斬魄刀編です。時系列は破面編のウルキオラ戦との間にあるパラレルらしいですが、面倒いので藍染が千弘にトンスラにされて去った後にしました。


番外編(千年血戦編前)
番外〜斬魄刀異聞録 その1


 

斬魄刀。それは護廷十三隊全ての死神が持つ業務用具。それは時には人を斬る武器となるが、迷いし魂を尸魂界へと導く神具ともなる。

 

 

これは藍染が護廷隊を裏切り虚圏へと去ってからしばらく経った尸魂界で起きたとある騒動の話である。

 

ーーーー

 

 

藍染が虚圏へと去って数日。突如として各地で斬魄刀の不備を訴える死神達が相次いでいた。なんと卍解と始解が出来なくなってしまったのだ。その事態はその日の終わり頃には既に瀞霊廷中に渡っており、もはや知らぬ者はおらず、大事へと発展していた。

 

「いやぁ…それにしてもおかしいですね。斬魄刀がいきなり故障だなんて」

 

「はい…今までこんな事などありませんでしたからね。マユリ様もお困りになられております」

 

「むしろ喜ぶんじゃないですかね?」

いつものように技術開発局にて皆にコーヒーを配っていた千弘も、その事態を耳にしていた。彼の言葉にネムは頷くと共に千弘の持つ斬魄刀へと目を向けた。

 

「千弘さんの斬魄刀はどうなのですか?」

 

「え?あ〜私は元から卍解どころか始解すら出来ない落ちこぼれですから、特に何もありませんよ」

 

そう言い千弘は苦笑しながら頭を掻く。まぁ剣術だけで戦ってきた千弘には今更 始解や卍解など必要ないだろう。

 

 

 

その後 総隊長である元柳斎から全隊長、副隊長にて双極の丘への集合命令が出されたのであった。

 

そんな中、千弘もネムの警護の為に同行しようとするが、それをマユリが止める。

 

「お前はここに残れ。ただし、腕のブレスレッドが鳴ったらすぐにくるんだヨ」

 

「了解です」

 

千弘はマユリから命令されると、頷き、その場に残る事に決めるのであった。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

マユリ達が向かってからおよそ数分。

 

千弘は暇であった為にネム達を出迎えるべく調理場にてお手製のどら焼きを作り待機していた。だが、いくら待ってもネムとマユリが帰ってくる気配は無かった。(たった数分なのに)

 

「遅いな〜……ん?」

 

そんな中、どら焼きを食べていた千弘はマユリの実験室を見る。

酷く散らかっており、机には実験の記録が記された用紙が散らばっている有り様であった。

 

「…まぁ、たまにはこういうのも悪くはないか」

 

そう言い千弘は周辺の散らかっているものを次々と分類しながらまとめて置いていった。千弘も十二番隊に配属される中で知識も習得してきたためにどの記録がどれに関連付けられているのかは理解していた。それによって片付けは意外とスムーズに進んでいった。

 

 

それからしばらくして

 

あれほど散らかっていたマユリの研究室は見事に整理整頓された。掃除を終えた千弘は茶を入れて一息つくと、まだ時間があるために今日分の報告書もその場で書き終えた。

 

「ふぅ〜。終わった〜」

 

目の前の報告書を再度確認し、誤字脱字が無い事も確認し終えると、その場から立ち上がり、マユリから待機命令が出されているにも関わらず、外出の支度をした。

 

「よぉ〜し。待機命令が出てたけどハンコ貰いにいきますか!」

 

それから千弘は準備を終えると、早めに職務を終わらせて気が楽になったのか、ルンルンとステップを踏みながら技術開発局を後にした。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

 

「ふんふんふ〜ん♪ハンコ終わったらネムさんとお茶しよ〜っと♪」

 

自身が尊敬する上司であるネムとお菓子を食べながら会話をする光景を思い浮かべながらルンルンと夜の瀞霊廷を歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

「ふんふんふ〜_____

 

 

 

 

ドガァァァァァァァンッ!!!!!!

 

 

突如としてその場が大爆発し、千弘と彼が一生懸命書いた報告書が爆炎の中に飲み込まれてしまった。

 

 

 

その後、爆心地から巻き上がった黒い煙の中から黒焦げとなった報告書の欠片が飛び出し、上昇気流によって空へと舞い上がっていったという___。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

その一方で隊長達が集められた双極の丘では 更木とやちる以外の集められた隊長達は謎の人物と会敵していた。突如として現れたフェザーコートを身に纏う謎の青年。死覇装でもないその服装から死神ではない事は確かだ。

 

そんな怪しい青年の一言を聞いた狛村は彼を捕えるべく卍解するが、それは発動したと同時に狛村へと襲い掛かった。

 

そんな狛村に続き、日番谷と砕蜂も斬魄刀を引き抜き解号を唱えるものの、斬魄刀が答える事はなかった。

 

続け様に恋次、雛森、一角、松本も解号を唱えるが、やはり斬魄刀が答えることはなかった。

 

「な…!?なんでだ!?斬魄刀から霊圧が感じられねぇ…!!」

 

「な…なんで…!?」

 

「侘助!おい!」

 

突然の事態を飲み込まず恋次、雛森、吉良は何度も斬魄刀へと呼び掛けるが、応える事はなかった。

 

「ほうほう。確かに霊圧が無くなっているネ。どうなっているんだい?」

 

その様子を同じく観察しながら見ていたマユリは見たこともない現象に興奮しながら目の前の青年へと目を向けた。

 

「簡単な事さ」

 

対してその青年は笑みを浮かべながら答えた。

 

「君達の斬魄刀は君達と共にない…。私が君達死神共から解放したんだ」

 

「な…斬魄刀を…!?」

 

青年の言葉に、倒れた雀部を介抱していた勇音は信じられないのか瞳を震わせる。

 

すると その青年の右目が黒く染まると共に赤い血が流れ始める。それと同時に青年が腕を振り翳した時であった。

 

 

 

____!!!

 

背後に見える瀞霊廷の数箇所が爆発した。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

突如として起きた爆発に全員は驚き、武器を構えていた恋次は目の前の青年を睨んだ。

 

「テメェ…何しやがった!?」

 

「フッ…私ではない。これは_____

 

 

 

 

 

 

 

______君達の斬魄刀のした事さ。斬魄刀は君らの支配から解き放たれたのだ」

 

その一言は更に皆を戦慄させる。その表情を待っていたかのように青年は空を見上げながら不気味な笑い声を上げる。

 

「これは…ほんの挨拶だ。我が同志の力を…君達に理解してもらうためのな」

 

そして 笑い声を止めた青年は再び皆へと鋭い瞳を向けると目から流れた血を拭き取り、煙が巻き上がり大混乱へと陥る瀞霊廷へと目を向けて手を広げた。

 

「そしてこれが…君たちが自分の物と思っていた…斬魄刀の真の姿だ!!!」

 

 

 

その瞬間 瀞霊廷から次々と何かが飛び立ち、その上空へと現れた。

 

 

全身から毛が生えた女性や着物を着た女性。

 

それだけでない。

 

皆の背後から次々と謎の人物達が姿を現し、青年の方へと向けて歩いていく。

刀である斬魄刀はその青年によって【具現化】してしまったのだ。

 

 

「……貴様…何者だ…?」

 

その状況に白哉は、彼らを従えるかのように立つ青年を睨んだ。それを聞いた青年は自身の名を口にする。

 

「我が名は『村正』。死神による斬魄刀の支配は今宵…終わった。これからは…我ら斬魄刀が死神を支配する…!!」

 

 

その言葉と共に村正と名乗った青年の手に刀が現れた。村正がその刀を地面へと突き刺した瞬間に地面に青い炎が迸り、その場を崩壊させたのであった。

 

ーーーーーーーー

 

ところ変わって爆発が起きた場所では__。

 

 

「報告書が…せっかく書いた報告書がぁぁぁ!!うわぁぁぁぁん!!」

 

死覇装だけが所々に焼けているものの、身体は無傷の千弘が、黒焦げとなり、散っていった報告書を握り締めながら大泣きしていた。

 

 

その時であった。

 

周辺の建物が再び爆発し、炎が舞い上がった。

 

「……ん?」

その光景を目にした千弘は涙を拭き取ると共に、何者かの霊圧を感じ取り、背後へと目を向ける。

 

「ハッハー!!どこへ逃げた隊長連中!!俺が相手になってやるッ!!」

 

そこには燃え盛る景色を屋根に乗りながら周囲を見渡し、薙刀を振り回す一角の斬魄刀『鬼灯丸』の姿があった。

 

彼の斬魄刀であるとは知らずに、その姿を見ると、千弘はゆっくりと立ち上がる。

 

 

「……貴方が……私の報告書を焼いたのですか…?」

 

 

「ハハハッ!!……んん?なんだ?こんなガキ…まぁいいか。恨みはねぇが死んで____ぼがはぁ!?」

 

 

その瞬間 千弘の姿が鬼灯丸の前に現れると腹へ向けて拳を突き出した。それによって、放たれた拳は深く突き刺さると鬼灯丸の巨体を何十軒もの建物を突き抜けながら吹っ飛ばしていったのであった。

 

「……」

 

鬼灯丸を吹っ飛ばした千弘は周辺で暴れるもう1人の人物へと目を向ける。そこには和服に身を包みながら周囲に火の玉を投げつける、雛森の斬魄刀である『飛梅』の姿があった。

 

「……とりあえず…全員とっ捕まえて土下座してもらいましょうか…」

 

そう言い千弘はその場から瀞霊廷全域に感覚領域を広め、突如として現れた異質な霊圧全てを感じ取り位置を把握すると飛び出したのであった。

 

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