お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 作:狂骨
カツ…カツ…カツ…
暗い暗い道の中。辺りが沈黙に包まれる静かな空間に一定のインターバルを刻みながら靴の音が鳴り響いていた。
その足音を立てる者は無造作に伸びた髪をたなびかせ、胸筋や腹筋がハッキリとしている美しき肉体を闇夜で輝かせていた。その男は第二の十刃に仕える従属官である。だが、その強さは従属官……否…十刃をも軽く上回る。
彼はこの世に生まれた千弘に次ぐ二人目のイレギュラーなのである。
その男は行く先から霊圧を感じ取ると不敵な笑みを浮かべる。
◇◇◇◇◇◇
あれからしばらくして。
「………」
現在、千弘は出会したハリベルと対峙していた。千弘は相変わらずケロッとしているが、ハリベル達は敵対心を剥き出しにしており鋭い目を此方へと向けていた。
「テメェ…一体何者だ!ハリベル様にあんな格好させやがって!」
「いやぁ…“バックライト”を見つけたら急にしてみたくなりまして二人だけじゃなぁ…と。それで偶然にも其方のハリベルさん…?が通りかかったので」
「いやおかしいだろ!?通りかかった奴をいきなりコスプレに誘うなんて正気の沙汰じゃねぇぞ!?」
「あ〜それについてはすいません」
そんな中、千弘への警戒心と得体の知れない態度に遂に限界が来たのか声を荒げた従属官『エミルー・アパッチ』が剣を引き抜いた。
「テメェ…生きてここから出られると思うなよ…!」
「…!」
それを見たハリベルは咄嗟に彼女を止めた。
「待て…奴からは殺意を感じない…」
「だけどハリベル様!このまま奴らを野放しに!」
「いや…落ち着けアパッチ…目の前にいるのは藍染様が警戒する男だぞ…私達では絶対に勝てん…」
「そうですわよ。あの坊やをよくご覧なさいな。本当に血の気が多いこと」
「ぐぅ…分かりました…っていうかスンスン!テメェは黙ってろ!」
4人が警戒している中、千弘は自覚がないのか、アッサリとハリベルに近づき尋ねた。
「あの、早速なんですが井上織姫っていう人どこにいるか知りませんか?」
「…すまないがそれについては知らない…他を当たってくれ…」
「成る程…そうですか。わかりました。ありがとうございます」
千弘は情報をくれたハリベルに一礼するとネムと共に他の場所を当たることに決めた。
すると
カツン__カツン___カツン___。
遠くの方から何やら歩いてくる音が聞こえてきた。その音を耳にしたネムは千弘に伝える。
「千弘さん…あちらからも誰かが近づいてくる気配が。またお話を伺ってみてはどうかと…」
「そうですね。では4人共、失礼します」
ネムの提案に賛成した千弘はハリベル達に頭を下げると足音の聞こえる方向へと目を向けた。その一方で、足音は徐々に大きくなってきていた。
すると 遂にその足音は止まり暗闇からゆっくりと姿を現した。
「あ〜ら。侵入者って聞いて来てみたけど、案外可愛い子じゃない」
そこに立っていたのは全身に極限なまでに溜め込まれた筋肉を圧縮し見事なボディラインを持つ男性であった。その筋肉は逞しいと共に美しい。腹筋や胸筋がハッキリし、それを支える脚も強靭であり暗闇の中で輝き光を放っていた。見事なまでの魅惑的なボディを兼ね備えたその肉体はまさに見た者を魅了する芸術に他ならないだろう。
「え?だ______
「後ろよ。坊や」
「「「__!!!!!」」」
その声が再び聞こえた瞬間 千弘とネムを除いたハリベル達は驚くと共に冷や汗を流し始める。
ノイトラを一撃で葬る程の実力とゾマリのスピードを捉える千弘がその場へと目を向けた直後にその男は彼の背後へと気づく事なく移動していた。
「うふ♡藍染様から待機するよう言われてたけど、やっぱり来ちゃったわ」
それと共に暗闇で隠されていた顔が顕となり、その顔を見たハリベルはゆっくりと名を口にした。
「貴様は…『シャルロッテ・クールホーン』…」
今回は二人目のイレギュラーな強さを持つクールホーンの登場です。キャラがとても好きなので超強化キャラにしました。立ち位置はボーボボで言えば魚雷先生の様な感じです。