お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 作:狂骨
彼と初めて会った時から感じていた。この子は“あの男”以上に私を楽しませてくれると…
まだ小さい身でありながらもいつ襲い掛かっても隙のない精錬された感知能力。そして何者も寄せ付けぬ剣術。あの私でさえも…彼に一撃も見舞うどころか彼の刀身さえも見えなかった。だが、見えないながらもその空気が裂ける形からその太刀筋は本当に美しいものであった。
次々と私の刀を見えない手捌きで防ぐその姿と力は…闘うことでしか己を満足させる事ができなかった私の心を満たしていった。
そして 幾度も剣を交える中__いつしか私の剣は悟った。
“コイツには勝てない”
勝利などどうでも良い。ただ斬り合えれるのならば何だってよかった。だが幾度も幾度も弾かれている内に私の果てしない剣と血への渇望も液体の溢れでた器のように満たされ尽くしてしまい、いつしか興味を失ってしまった。
剣を混ざり合わせる楽しささえも渇きに乾き切った時、ふと私の中である一つの興味が湧いた。私から剣の楽しみを奪ったあの男を……どんな方法でも良いから壊したい___と。
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あの後、技術開発局へマユリにカメラを届けた直後に卯ノ花に連れられやって来た場所は四番隊の中で卯ノ花だけが使う事ができる風呂場であった。その風呂は銭湯に比べるとやや狭いがそれでも一人で扱うには十分すぎる広さであった。
そして千弘は衣服を剥ぎ取られ、今は卯ノ花へ背中を見せるようにして椅子に座っていた。
千弘はまだ異性とお風呂は入った事がなく裸への耐性もない。因みに言うと卯ノ花は女性隊員の中でもそれなりにスタイルが整っており、胸もかなり大きく育っている。こんな女性が背後に立っていれば一部を除いた男性ならば耐えられないだろう。
そんな彼を弄ぶかのように卯ノ花は背後から更に身を寄せた。
「ひやぁ!?う…卯ノ花隊長!む…胸が!?それに…なぜこんなところに…!?」
卯ノ花の手が千弘の首に巻きつき肩から顔を覗かせる。それと同時に彼女の魅惑的な身体が千弘の小さな身体へと押しつけられ巨大な胸の感触がタオル越しでありながらも彼へと伝わっていく。
「ふふ…決まっているでしょう。あなた方が酷く汚れているからです。この後の業務にも差し支えますしここで区切りとしてサッパリとしていきましょう…?」
「ひぐぅ!?」
その吐息が混じった艶やかな声が耳元で囁かれたことで千弘は身体を震わせる。震える彼の耳元では艶やかな声とは裏腹に不気味な白目を輝かせている彼女の顔があった。
「(そう…もっと慌てふためきなさい…その成す術もなく追い詰められた表情…あぁ…!!なんて心地が良いのでしょう…!もっと私を満足させなさい…!!)」
その様子をまるで楽しそうに見ているか、卯ノ花の目はいつしか優しい母の様な目ではなく“ただ純粋に弄ぶ事に徹している恐ろしい女の目”へと変化していた。
「で…でしたら銭湯に…」
「今日はお休みです」
すると
「お待たせしました…」
「!?」
扉が開く音と共にもう二人の女性がタオルに身を包みながら入ってきた。
見ればそこには顔を真っ赤に染め上げている勇音と相変わらず無表情でタオルを巻いているネムの姿があった。二人の内、勇音は卯ノ花と同等、ネムに至っては二人以上のプロポーションを持っている為に身体の形がクッキリと浮き出ていた。
それを見た千弘は咄嗟に顔を背けるが二人はそのまま彼の背後に座ってくる。
「あ…あの…隊長…なぜ私まで…」
「勇音もいずれは殿方へ嫁ぐ身、ここで練習しておいて損はありません」
「うぇ!?で…でもよりによって千弘さ___あ…何でもないです…」
拒否の声を上げようとする勇音の真意を知っているのか、卯ノ花は相変わらず笑みを浮かべながら威圧すると、横で千弘を見つめていたネムへも目を向ける。
「ネムさんも。いつも一緒にいる彼と裸の付き合いというものをしてみるのも良い経験かと思いますよ」
「分かりました」
すると ネムは石鹸で泡立てたタオルを千弘の背中へと当てた。
「ひぐ!?」
「千弘さん…じっとしていて下さい…」
「は…はい…」
ネムが背後から声を掛けながら千弘の長い髪を撫でると共に背中を流していくその様子を見ていた卯ノ花は優しい笑みとは裏腹に体内ではドス黒い笑みを浮かべていた。
「ふ…ふふ…(あぁ…なんて心地が良いのでしょう…貴方の耐えきれずに壊れてしまいそうなその表情…心をくすぐられてしまう…。今まで剣でしかこ喜びをえられなかったというのに…貴方が困惑している顔を見ると心が疼いてしまう…!!)」
一瞬ながら不気味な笑みを浮かべた卯ノ花、その横では相変わらず勇音が顔を真っ赤に染めていた。
カポーン__。
その一方で、湯煙が舞う中、ネムに背中を流されていた千弘は少し混乱はしていたものの、次第に感じられるそのタオルと肌の擦れる感覚が丁度良く気持ち良いのか目を細めていた。
「千弘さん…どうですか…?」
「凄く気持ちいいです…」
「良かったです。いつも…ありがとうございます」
「いえ…私の方こそ。いつも一緒にいていただき、ありがとうございます」
そう言い千弘はネムの言葉に返した。
すると突然と彼女の背中を擦る手が止まった。
「あれ…どうしました?」
千弘は気になったのか振り返り確認してみる。するとそこには頬を赤く染め上げている彼女の姿があった。普段、寡黙な雰囲気を漂わせている彼女が想像もつかない程まで頬を赤く染め上げながらタオルを握り締めていた。
「!?」
その姿を直視してしまった千弘は咄嗟に顔を逸らす。すると彼女の少しばかり縮こまった様な声が聞こえてきた。
「あの…そう言われてしまうと…少し…恥ずかしいです…」
「す…すいません…!!」
すると、今度は勇音がネムの隣に座る。
「千弘さん…次は私が…流します…ね」
そう言い勇音は顔を真っ赤にさせながらもタオルに石鹸を混ぜ合わせた。
「ふ…副隊長まで…!?お…お手柔らかに…」
それから勇音もネムと同じく背中を流す。ネムと比べると彼女はやや力が弱く少し痒みが残るものであった。
「あ…あの…もう大丈夫ですよ…」
「わ…わかりました」
千弘からそう言われた勇音は即座に千弘の背中を洗う手を止めタオルを引き剥がした。
だが、それだけでは終わる筈が無かった。背後から様子を見ていた卯ノ花は更に不気味な笑みを浮かべるとネムと勇音の肩に手を置いた。
「勇音…ネムさん…今度は“前”を洗ってあげましょうか」
「「なぁ!?」」
「分かりました」
突然と言い放たれた卯ノ花の言葉に勇音と千弘の声が重なると共にネムの了解する声が響く。
そして了解の声を上げたネムは千弘の身体へと手を回すと、無理矢理にも前を自身らの方向へと向けさせようとする。
「い!?ネムさん!!やめてください!」
「前を洗わなければ…千弘さんが汚いままです…大人しくしてください」
「ダメです!本当にこれはダメですから!!」
「副隊長命令です。ジッとしてください」
そう言いネムは強引にタオルを引っ張り出して抵抗する千弘を前へと向かせようとした。それを見た勇音は咄嗟にネムを止めるべく彼女の手をつかみ出した。
「ちょ!?ネムさん落ち着いて!流石にそこま__あれ?」
すると勇音がネムの手を掴んでしまったことでネムの手に勢いがついてしまい、千弘の腰に巻き付けられたタオルを剥がしてしまった。それを見た千弘は咄嗟に見えそうになった股間を押さえると取り返すべく身を乗り出した。
「な!?か…返してくだ!___わぁ!?」
「え…わわぁ!?」
「!?」
だが、その拍子に立ち上がった千弘は足元にあったネムの扱っていた石鹸が混ぜ込まれたタオルへと脚を踏み入れてしまう。その結果、その場で転び、すぐ目の前にいたネムと勇音を巻き込むようにして倒れてしまった。
バターーーン!
「あらあら…」
風呂場全体に床に打ちつけられる音が響き渡った。その光景を背後から見つめていた卯ノ花は口元に手を当てながら驚くと倒れた3人へと目を向けた。
「3人とも。大丈夫で__まぁ!」
その光景を見た卯ノ花は驚きの声を上げると共に再び不気味な笑みを浮かべた。
その一方で、倒れた千弘は頭を抑えながらも倒れた上半身をゆっくりと起き上がらせた。
「いつつ…」
「大丈夫ですか?」
「なんとか…あ!それよりタオル返してくだ____
ムニュ
「はひぃ!?」
その時だった。股間部分から何やら柔らかな感触が伝わってきた。ネムの安否確認に答えながらも千弘は咄嗟にタオルを取り返そうと奮起するが、その直後に下半身から何やら柔らかい感触を感じた千弘は再び少女のような甲高い声を上げると共に全身を硬直させた。
「あ〜いてて…すみません千弘さん…大丈夫で…ってどうしたんですか?顔が赤いですよ?」
起き上がった勇音も顔を真っ赤に染め上がらせている千弘にネムと同様に不思議に思い首を傾げていた。
そうしている合間にも千弘の顔は益々 赤く染め上がっていく。何故、彼の顔がこれ程まで赤く染まっているのか?それは簡単だ。
_____ネムと勇音の豊満な胸が、顕となった千弘の股間部分を左右から挟み込むようにしてアッサリと覆い尽くしていたからだ。
「あれ…何か胸に食い込んで…えぇ!?」
千弘に遅れて勇音もようやく認識した。だがその一方で鈍感なネムは二人が慌てる様子に首を傾げながら身体を動かし始める。
「ん?どうしまし___
「わぁー!!!!!ネムさん!動かないで!これ以上は…!これ以上は…!!」
「何がですか?」
千弘の叫び声に耳を傾けながらもネムは再び首を傾げながら身体を動かした。それによって動揺する勇音とネムの間にある密室の密度は最大限にまで高まってしまった。
その直後。
「うあああああ!!!!!」
千弘が顔を天井へ向けながら叫び出した。その表情はまるで身体の中にある“何か”が放出されると共に身体の力が吸い取られているかのようなものであった。
「あ…あ…」
それから千弘は瞳を上の空にさせ、口元から唾液を垂らしながらゆっくりとその場に倒れた。その様子を不思議に見ていたネムは勇音にも目を向けた。
「あ…ああ〜!!/////」
「…?」
見れば勇音も顔を真っ赤に染め上げており、瞳がグルグルと回転しながら混乱していた。何を見ても分からなかったネムは背後で相変わらず笑みを浮かべている卯ノ花へと尋ねる。
「理事長…何があったのですか?」
「ゆっくりと離れてみてください」
卯ノ花に言われた通りネムはゆっくりと千弘と勇音から離れるべく、身体を起き上がらせた。
「あ」
そして背後ではその光景を見つめながら卯ノ花は頬を紅潮させ興奮しながら舌舐めずりをしていたのだった。
「(はぁ…!その力の抜けたその表情…なんて健気で可愛らしいのでしょう…!!)」
その後、3人は即座に身体を洗い流すと千弘を抱えながら風呂を後にしたのだった。
卯ノ花 烈
入隊直後の千弘と戦った事で彼を自身が楽しめる最高の相手として認識し、執着するようになるが、次第に自身も剣では全く勝てない事を悟り、剣ではなく別の方法で追い詰めようとし始める。彼が追い詰められた若しくは頬を赤面させた時は興奮して八千流モードとなり笑みを浮かべる。
勇音
ネムとよく行動するためにその分、千弘とも行動を共にする事がある。業務中のある一件から彼に密かな恋心を抱き始めるも、秋刀魚草など不気味な植物への趣味にドン引きしている。