お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ   作:狂骨

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見えざる帝国 動く

 

その後、千弘に倒された上にマスクを剥がされ素顔を露わにされた集団はリーダー共々、一瞬の隙をつき逃亡、それと同じ時刻に元柳斎の元に現れた集団も姿を消した。

千弘が介入した事によりその場にいた隊士達には怪我はなく雀部も命拾いしたのであった。

 

 

「ありがとう…君のお陰で誰一人犠牲者を出す事なく済んだ…」

 

自身の命を助けてくれた千弘に雀部は部下達を総隊長の元へ向かわせると改めて千弘に向けて深く頭を下げた。それに対して千弘は慌てながら頷く。

 

「いえいえ!そんなお気になさらず!それよりも先程の方々は何なのですか?随分と荒れているお客様達でしたが」

 

そう言い千弘は先程、現れた仮面の集団について問い掛けると、雀部は言葉を詰まらせる。

 

「……」

 

「…あれ?どうしました?」

 

千弘が尋ねると雀部は首を横に振り答えた。

 

「…いや。なんでもない。この件については総隊長から聞かされるだろう…その時に分かるはずだ」

 

それから雀部は千弘と別れ自身も総隊長である元柳斎の元へと向かい報告するのだった。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

その後、隊主会が開かれ今回の騒動に関する報告や技術開発局の霊子濃度の観測により彼らの正体が滅却師である事が判明した。

 

更に元柳斎は相手側の余裕のあり方から向こうも此方と同じ規模の勢力を構えていると踏み皆へ今後は決して警戒を解く事なかれと警告する。

 

それによって警戒体制を敷いていた各隊の緊張は益々高まり全員が常時臨戦体制を取るようになっていった。それもそうだ。元柳斎でさえも気づかない内に門から堂々と侵入されたのだから。

 

 

ーーーーーーー

 

「え?正体は滅却師?」

 

「あぁ」

同じ知らせを阿近から聞いた千弘はようやくニコから聞いた話に納得する。

 

「成る程。現世で度々目撃されていたのも滅却師だったんですね」

 

「そう言う事だ。はぁ…もっと早く気づいときゃ良かったな…」

 

技術開発局にて阿近は自身の不甲斐なさに肩を落とすが千弘はまあまあと宥める。

 

そんな中 地獄蝶が千弘の肩に止まった。

 

「ん?」

 

「何か指令じゃねぇのか?『見えざる帝国』の本部を発見したから行ってボス共々退治してこいとか。まぁお前さんならアッサリと終わらせるだろうがな」

 

「そんな〜流石に身が重過ぎますよ〜」

 

阿近と軽く話しながら千弘は地獄蝶からの指令を受け指定された場所へと向かった。

 

ーーーーー

ーーー

 

それから千弘は用事を済ませると再び技術開発局へと戻ってきた。偶然にもすれ違った阿近は任務について尋ねた。

 

「もう終わったのか?」

 

「はい。なんでも更木ン隊長との決闘を命じられまして…取り敢えず戦ってきました。ただ…任務直後なのか酷く疲れているご様子で最初は凄い動き回って刀も振り回してたんですが、何故か途中から倒れてしまったんですよね」

 

「へぇ。それはそれは(スタミナ切れだろうな…。それにしても千弘の奴相手に疲れるまで立ち回れるって…どんだけ強くなってんだよ…)」

 

千弘の話を聞く中で阿近は更木のとてつもない成長スピードに内心驚くと共に引いていた。

 

「あ、そういえば局長は?」

 

「あ〜普通に実験に没頭してるぜ。前回の事もあるから俺もすぐ監視に戻るしな」

 

「ではそのまえに晩御飯と行きましょう!栄養補給は必須ですからね!良い酢が手に入ったので今夜はお寿司にしますよ!」

 

そう言い千弘は懐から高級そうな酢を取り出した。この緊急事態時にも関わらずブレない千弘を見て阿近はハァと息を吐く。

 

「この緊急事態下で呑気に飯食えるのはウチだけだよ…」

 

ーーーーー

ーーー

 

それから数日が過ぎたある日の事であった。

 

瀞霊廷の警備は益々厳しい物へと発展していき廷内は緊迫した空気に包み込まれていた。

 

そんな中、阿近達がいつものように巨大なモニターを血眼にしながら観察していると、研究室から出てきたのか、マユリが現れた。

 

「おい、千弘とネムの姿が見えないのだが誰か知らないかネ?」

 

「ん?あ〜」

 

そう言いマユリは千弘とネムの所在について尋ねてくる。それに対して監視の勤務を鵯州達と共に行っていた阿近が答えた。

 

「今さっき二人で出掛けていきましたよ。まぁすぐ戻ってくると思いますが」

 

「成る程。ならば私はしばし仮眠を取るヨ。二人が戻ってきたら報告書と技術開発局の研究予算案を提出しておく様に伝えておいてくれたまえ」

 

「うぇ!?ちょっ…そんな呑気な!?」

のんびりとしているマユリにニコは驚きの声をあげようとするが、マユリは耳を傾ける事なくそのまま再び自室へと戻っていったのだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

同時刻。

 

瀞霊廷のとある道に佇む建造物の影の中。何処までも黒く染まるその色の中心をくぐり抜けた先にある広大な砂丘には巨大な帝国が佇んでいた。

 

『見えざる帝国』

 

 

「陛下…虚圏の狩猟部隊より通達…正体不明の謎の男が黒崎一護並びに浦原喜助と共に現れ苦戦を強いられている模様…」

 

「ほぅ…?特記戦力の内の三人が不在か…」

その巨城の中にある巨大な玉座にて腰を下ろす一人の大男はコンピュータを操作しながら通達を受けた部下からの報告を耳にすると立ち上がる。

 

「力の9年間が終えるまで保留にしておいたが…またとない好機だ。ハッシュ・ヴァルト」

全身に纏うは雪のような白い軍服に加えて歴戦の猛者を思わせるかのような漆黒のマント。鋭い眼光を光らせながら男は金髪の長髪を持つ青年へ指令を下す。

 

 

 

「『星十字騎士団』へ伝えろ。これより我らは___

 

 

 

 

 

 

 

_____尸魂界へ侵攻する…!!」

 

見えざる帝国【皇帝】ユーハバッハ出撃__。

 

 




今回は短めです。
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