お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 作:狂骨
利点
馬鹿げた力が身につく。(例 無限のスタミナと霊圧、更に肉体が強化され、軽く数百メートルの垂直ジャンプが可能となる)
デメリット
必ずどこかおかしくなる
「え…えぇ…何これ…!?」
顔から炎を吐き出しながら転げ回るユーハバッハ、その男の傍らでは取っ組み合うマユリと、自身がガルガンダ内にいた際に感じた霊圧の主である千弘の姿があり、状況を一才把握できなかった一護は千弘へと声を掛けようとした
「おい二人とも……」
その時であった。
「黒崎一護か…」
「!?」
突如 自身の名前を呼ばれた。その声に一護は振り向くと、先程まで転げ回っていたユーハバッハがハッシュヴァルトに支えられながら立ち上がり此方へと目を向けていた。
「キルゲの監獄からよく脱出できたな…やはり貴様の中に流れる滅却師の血……いや、それを以ってしても早すぎる。千弘の霊圧も原因の一つか…まぁ良い」
「…!?」
唐突に放たれたユーハバッハの一言に一護は驚きのあまり硬直する。
「滅却師の…血…!?」
「ほぅ…貴様は何も知らないのか…己の“母”の事さえも…」
「…!」
もう一言を耳にした瞬間 一護は大きく目を開かせると即座に目を鋭くさせ、ユーハバッハを睨みつける。
「どういう事だよ……」
だが、その質問に答える事なく背を向けて影を展開した真っ黒な領域へと歩いていった。
「おい!待ちやがれ!!!」
「悪いがもう時間なのでな。いずれまた迎えに来る…その時にまた教えてやろう。さらばだ黒崎一護…闇に生まれし我が息子よ…!」
「おい!!!」
その瞬間
追いかけようとした一護の斬魄刀が真っ二つに折られた。
「!?」
卍解した刀の刀身がへし折られた一護はその脚を止めた。
見ればそこには先程までユーハバッハの後ろに立っていたハッシュヴァルトが腰に剣を戻しながらこちらを見つめていた。
「…!!」
それによって一護は追う手立てを失い、自身に向けて放たれた意味不明な言葉の真意を聞くことができないまま、呆然としながら二人が影の暗闇の中へと消えていく姿を見つめていた。
その時であった。
ガンッ…!!!!!
その場に金属を打ちつけた時に聞く巨大な衝撃音が響き渡った。その音を耳にした一護は咄嗟にその方向へと目を向けると、目を大きく開き震え出した。
「う…うそ……だろ…!?」
その一方で、
「……ん?何だ今の音は……」
影の領域へと足を踏み入れ進んでいたユーハバッハもその音を耳にすると、立ち止まった。
「ま…まさか…!?」
その“まさか”であった。冷や汗を流しながらユーハバッハが振り向くとそこには…
「な〜にカッコつけて退散しようとしてんですかぁ〜!?」
決して掴む事ができない、かつ、今にも閉じようとしている影の領域の入り口を両手で掴み、なんと無理やりこじ開けようとする千弘の姿があった…!!!
「そちらの方が話しやすいのですか〜?ならもっと早く仰ってくださいよ〜!私もそちらに行くので向こうでちゃあ〜んと話し合いましょうか〜!!!」
ギギギギギィ…!!!
すると 影の領域が金属を歪める音を響き渡らせながら次々と入り口を広げていった。それを見たユーハバッハは冷や汗を流し始めた。
「化け物め……まさか素手で空間さえも捻じ曲げる気か!?」
素手で空間へと干渉する馬鹿げた力にユーハバッハは瞳を震わせると、咄嗟に両手を合わせる。すると、千弘が広げていった影の領域が元に戻っていく。
「なぁ〜に勝手に閉めてんですか〜?」
ギギギギギィ…!!!
対する千弘もそれを良しとしないのか、腕に力を込め、更に入り口を強引に開き始めた。それによって周囲から軋む音が響き渡り始め、ユーハバッハ達のいる空間が揺れ始める。
「(まずい…!空間が奴の力に耐えきれず今にも壊れようとしている……そうなれば影の領域が破壊され銀架城が瀞霊廷に……今はまだその時ではない…かくなる上は!!!)」
空間が破壊される事を危惧したユーハバッハは冷や汗を流しながら千弘を見つめると、最終手段を考え咄嗟に千弘の背後へと指を向けた。
「あ!UFO!!」
「!?」
その声に横に立っていたハッシュヴァルトは驚きの目を向けた。長年 戸惑うことなく、威厳のある姿を保っていたユーハバッハが冷や汗を流しながら一生聞くこともない間の抜けた声をあげたのだ。
だが、相手は子供とはいえ最強の死神、こんな手立てが通用するわけ……
「えぇ!?どこどこどこ!?」
「(通じただと!?)」
その瞬間 空間を掴んでいた千弘の手が離れ、はしゃぎながら空へと目を向けた。それを見ていたハッシュヴァルトとユーハバッハは意外だったのか更に目を開くとともに、ユーハバッハは笑みを浮かべると、すぐさま空間を閉じた。
「まさか信じるとは…」
「精神はまだ子供だな…バカめ…そんな空想上の遺物…この世に存在するわけ…」
「あ!ほんとだ!!!」
「何ぃ!?」
千弘が見上げた空には巨大な円盤型の飛行物体がとんでいたのだ。それを目にした千弘は心を震わせたのか手を叩きながらピョンピョンと跳ね出した。更に心を震わせたのは千弘だけではない。
「おい千弘!!貴重なサンプルだ!!!絶対に逃すんじゃないヨ!!!!」
「了解です局長!!!」
そしてそのまま此方に目を向ける事なく、一瞬にして飛行物体目掛けて飛び立っていってしまった。
「………」
二人はその光景を黙って見つめながらも、黒崎一護が此方を睨む光景に目を向けずにそのまま影の領域への入り口を閉じたのだった。
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その後、無事に銀架城へと到着したユーハバッハはおぼつかない足取りで玉座へと向かうと顔を手で覆いながら身を預けた。
「ハッシュヴァルト…しばらく私は休むぞ…肉体的にも精神的にも疲れた…卍解を奪った者には使いこなせる様に鍛錬を怠るなと伝えておけ…」
「御意…」
その命令にハッシュヴァルトは頷きながら一礼すると部屋を出ていった。たった一人の空間となると、ユーハバッハは大きな息を吐く。
「ふぅ…」
千弘との戦闘、タバスコ、更にたちまちと起こった奇想天外な展開にユーハバッハは頭と肉体の整理が追いついていないのか、未だに全身から疲れが抜けていなかったのだ。
その時であった。
______損害賠償、払っていただきますよ?
「!?」
突然と肩に何者かの手が置かれると共に耳元で囁かれた。その声を耳にした瞬間 ユーハバッハは全身の身の毛を矢立たせると振り払うべく腕を振るった。
だが、そこには何者もいなかった。
「今…確かに奴の声が……まさか…!!!」
ユーハバッハはようやく気がついた。自身は“トラウマ”を植え付けられていた。自覚する事のない他者への恐怖感が千弘という手の届かない最強の存在によってその身に刻まれてしまったのだ。
それと共に監獄にて邂逅した藍染の言葉を思い出した。
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『園原千弘には興味本位だけで手を出さない方がいい』
『なぜ、突然とそんな事が言える…?』
目の前で拘束されているスウェット(鏡花水月と書かれた)姿の藍染に対してユーハバッハはその言葉が出た意味を尋ねる。
『なぜか?今の園原千弘へ興味がある君の状況が、懐かしいと感じたからさ。この目には数刻後に君が園原千弘に完膚なきまでに叩きのめされ、悶絶しながら転がり、更にトラウマに苦しめられる景色が映っている。私の様に無様な醜態を公衆の面前で晒さぬ様に忠告してあげてるんだよ』
「……」
その言葉に濁りはない。だからこそ、藍染という特記戦力の一人があの様なのだ。納得せざるを得ないだろう。
『…フッ。戯言かと思って聞いていたが、貴様のそのマヌケな様から見て、そうでもなさそうだな』
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藍染の言葉が正に現実となっていたのだ。
「(多少は覚悟はしていた…だがここまでとは……いや…それほどまでに奴の力は強大…即ち細胞の力が強いと言う事か)」
そう考えた途端に先程までの怯えが少しずつ興奮へと変わっていった。
「(やはり興味が唆る…あの男の力…何としてでも手に入れねばな…!)」
あの男の力を取り込めば自身はどの様な変化を遂げ目的を達成できるのか、想像できぬ未来へと期待を膨らませていたのだ。
すると、それによってゆっくりと心の振動や鼓動が落ち着きを取り戻し胸騒ぎも収まっていき、数分後にはようやく身体の寒気が引き、先程まで激しく鼓動していた心臓も落ち着きを取り戻した。
「ふぅ……(だが、“今の段階”では手を出すべきでは無かったな…少なくとも力の9年間が終えるまだ待とう…)」
それから、千弘へと安易に手を出した自身に後悔しながらユーハバッハはそのまま目を閉じたのだった。
その後 ユーハバッハは目を覚ました自身の手元に正確な金銭が記され、印鑑が付かれた紙と『1週間の間に支払いで返すか働いて返すか皆さんと決めておいてください』と書き残された紙が置かれていた夢?を見て飛び起きたという。
千弘の戦果
任務 達成率80%(主に目標以外の二次被害発生や石田雨竜を吹き飛ばした時などの損害)あまりにもの規模のでかい損害の所為で、これまでの戦果から軽く億は稼いでいていいものの、殆どが損害賠償へと消えている。例をあげると刀を振り回した余波による瀞霊廷の壁破壊や、それに巻き込まれた隊士達の治療費、現世にて力を振るった際の環境を戻すための人件費など。あとは膨大な研究費
因みにこれまでの戦績を5000戦とすると4999勝1敗