お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ   作:狂骨

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主人公

年齢:1000歳以上。

初代護廷隊の名前と容姿が判明しましたが、鹿取抜雲斎の姿がブラックラグーンのロベルタとどうしても重なってしまうw


思い出話

 

一太刀震えば粉微塵。更に振るえば塵も残らず___。

 

その刀____あまりの速さ故に誰も見えず。

 

道ゆく人々、その者見ればこう読んだ。

 

無双の剣豪___

 

 

 

______『抜刀斎』__と。

 

 

千弘「なにそれダサい」

ーーーーーーーー

 

 

その後 現れた零番隊は一護や重傷であるルキア、白哉達を連れて再び霊王宮へと戻っていき、残された者達は復旧作業を後回しにしそれぞれ個々の鍛錬へと身を投じていた。

 

 

だが、それと同時にある噂話が流れ始めていた。

 

 

「なぁ知ってるか…?平隊士の中にとんでもねぇ強い奴がいるってよ…?」

 

「マジか…?いや、でも所詮は平だろ?いくら強くても席管程度じゃねぇか?」

 

「いや!それが今回攻めて来た滅却師共を怪我人を助けながら撃退したとか…!」

 

「嘘嘘…!そんなんあり得ないって…!総隊長が敵の大将の所に向かうついでに助けてくれたに決まってるって…!」

 

鍛錬の休憩がてら、回廊を歩きながら、素行の悪い11番隊隊士達は知らぬ間に耳に入って来ていた噂話を談笑していた。

 

すると 

 

「いてぇ!?テメェ!どこ見て歩いてんだぁ!?」

 

目の前の曲がり角から歩いて来た少年死神とぶつかってしまう。ぶつかった隊士は声を荒げながらその少年死神へと怒鳴った。

 

それに対してぶつかった少年は即座に頭を下げる。

 

「す…すみません!私の不注意でした…」

 

「ケっ!テメェは十二番隊のとこのガキじゃねぇか。気をつけろや万年平のガキが!」

 

それから隊士達は悪態をつきながら去っていった。各地で謎の強戦士である平隊士の噂が上げ始められるものの、皆はそれをデマとして真剣に受け止める事はなかったという。

 

その後 その隊士達は偶然にもその場を見ていた卯ノ花に治療という名目で傷口に特製の辛子を塗られたらしい。

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一護達が霊王宮へと飛び立ち、数時間後。

 

「…あの、何でしょう?いきなり呼び出して」

 

千弘は、四肢を補肉剤によって再生させ、今もなお身体の治療を受けている元柳斎に呼び出されていた。呼び出した元柳斎は机に置かれている一枚の絵へ指を向けた。

 

「お主に聞きたいことがある。この男に見覚えはあるか?」

 

そこには黒い髭を持ち頭を月代そして髷を縫っている大柄な男性が書かれていた。それを見た千弘は何かを思い出し始めていく。

 

「これは…」

 

「あるのか?」

 

「はい。確かまだ死神どころか霊術院にも入っていない頃で、修行を終えてすぐさま学院への入学を申請する為に瀞霊廷を訪れたのですが、緊急時だったのかその人から門前払いを受けまして」

 

「………何年前じゃ…?」

 

「数百年前じゃないですかね…?」

 

「ちがぁぁぁう!!千年前じゃぁぁぁ!!!!!」

 

「えぇ!?」

 

突然怒鳴られた千弘は驚くと共に目を大きく開き、元柳斎へと尋ねた。

 

「なんであなたがそんな事を!?」

 

「お主を門前払いしたジジイこそ千年前のこの儂じゃからじゃぁ!!!」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?????」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

その後 衝撃の事実が判明した。それは園原千弘は数百歳ではなく千年の時を生きる長寿の死神であった事だ。本人でさえもその自覚が無かったのか驚きを隠せておらず、何度も頬を触っていた。

その一方で、その事実に元柳斎は夢での出来事が現実であった事を認識すると再び千弘へと尋ねた。

 

「聞かせてくれぬか……?その後、お主がどうしたのかを…」

 

「え?はい。不思議とまだ覚えてるんですよ」

 

千弘は椅子に座ると話し始めた。千年前の記憶を。

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

瀞霊廷を出てから私はまだ護廷隊どころか学院に入る事さえも力不足であると感じ、再びその地域を離れて修行の旅へと出ました。それから時が過ぎて数年後。私は途中で拾った刀を返却がてらに再び瀞霊廷を訪れました。今度は出口に門番がいたので入るのは申し訳ないと思い、またあの人が来るまで出口で待つために付近の森の中でキャンプをしてました。

 

 

「ふんふんふ〜ん♪ちゃんと焼けてきたかなぁ〜♪」

 

そんな時でした。

 

 

ガサガサ…

 

 

「…ん?」

 

近くの草むらが揺れると共に掻き分けながら一人の女性が現れたのです。

 

メガネを掛け、身長が165以上もありそうな長身の女性は何故か眼鏡をクイっとさせながら私をずっと見つめていました。

 

「あの…どうかなさいましたか?」

 

私が恐る恐る尋ねてみると、女性は眼鏡を輝かせながら更に此方を見つめて来まして……

 

「この霊圧…感じる力………」

 

その女性は突然と私に向けて大きく手を広げながら襲い掛かって来たんです…!!

 

ーーーーーー

 

ドドドドドドドドド

 

私は駆け巡りました。ですがそれに追い縋るかのように女性は私の後を追いかけてきたのです。

 

「わあぁぁぁぁああ!!!!何なんですか!?何なんですか貴方はぁ!?」

 

「逃げないで…話だけでも聞いて欲しいです…」

 

「うわぁぁ!!怖い怖い怖いいいい!!!」

相手の女性は私を捕まえようとしているのか、次々と手を繰り出してきました。対して私も捕まらないように辺りの木々を利用して避けながら逃げました。

 

「ふふ…!」

ですが、避ける度に女性は感情が昂ったのか、笑いながら追いかけて来て…、その速度も格段に速くなっていきました…

 

「反射神経も良し…それどころか私の腕を土台にして避ける瞬発力…いいですよ…!!」

 

 

そして終いには…

 

「…!!!」

 

「いやぁぁぁ!!何すんですかぁ!?」

 

薙刀を振り回して来たんです。

 

「ふん…!ふん…!ふん…!!」

 

「わぁ!?ちょ!?やめ…!!」

 

次々と辺りの木々を薙ぎ倒しながら迫ってくる薙刀を私は必死に避けていきました。

 

 

そして逃げていくうちに森を抜けて、遂には崖が聳える場所に出て来てしまいました。私は無我夢中に逃げていた為に目の前にある崖に気づく事なく女性に追い詰められてしまい…女性も手を唸らせながら近づいて来ました。

 

「もう逃げれませんよ…帰って私の屋敷で夜通したっぷりと…斬り合いましょう…!!!その力を存分に私にぶつけて…!!!!」

 

「ひぃぃ〜!!!!」

 

もはや、私は逃げる事は無理だと悟り、腰にある刀へと手を伸ばし構えました。

 

「あぁもぅ!!これ返そうと思ってたのに!!貴方のせいですからね…!!!」

 

「ふふ…まさか此方からその気になってくれるとは…嬉しいですよ!!」

 

何が原因なのか、私が刀を持つと女性は頬を紅潮させると共に更に歓喜の表情を浮かべ、先程よりも勢いよく薙刀を振り回してきたのです…。

 

「…!!」

 

迫り来る薙刀を私は刀を振るう事で防ぎます。ですが相手は達人なのか、防いだ直後に次々とその刃を振り回し私に向けて放って来ました。

 

「…!?」

 

次々と迫り来る薙刀の切先は全て私のガラ空きの部分を狙い、時にはその態勢から防ぎにくい箇所も狙って来ました。何とか防げたものの、防ぐ度に攻撃が激しくなり、途中から防ぎたく無くなると時もありました。ですが私は死にたくないが為に必死に防いで行きました。

 

 

私が薙刀を次々と防いでいく中。ようやくその隙を見つけたのです。

 

「スゥ…」

 

呼吸を整え準備すると、私は女性が振り回した薙刀の切先へ向けて刀を振り回しました。

 

「やぁ!!!」

 

「!?」

 

それによって、その場に金属音が響き渡ると共に女性の手から薙刀が離され地面に突き刺さります。そこから更に女性の懐へと潜り込むと刀の柄を女性の腹へと突き出しました。

 

「が…!?」

 

それによって女性は空気を吐き出しながらその場でよろけ、尻餅をついてしまい地面へと座り込んでしまいました。

 

 

「ふぅ…って…しまった!?だ…大丈夫ですか!?」

 

女性が尻餅をついた事で私もようやく正気に戻りし、すぐさま力を入れすぎてその場に倒れ込ませてしまった女性へと駆け寄り手を差し出しました。 

 

 

ただ、その行動が仇となったのです。

 

 

ガシッ……

 

 

「え…!?」

 

手を差し出した時には既にその手を掴まれていました。

 

「捕まえた♡」

 

「むぐぅ!?」

 

その瞬間 私はその女性に拘束されてしまいました。

 

「んぐぅ…!んぐんぐ!!!」

 

「ふふ…先程の反射神経に斬魄刀を避ける瞬発力…私を吹き飛ばす程の腕力…貴方の事がもっと知りたくなってしまいました…この後は私の屋敷に来て続きをしましょう…どちらかが血の海に沈むまで…」

 

「んぐぅ!?」 

 

その言葉と共に拘束する腕の力が更に強まり、呼吸ができず私の意識は朦朧とし始めました。

 

「この年でこれ程の瞬発力…それに剣術も私と渡り合えるなんて…」

 

意識がだんだんと沈み込んでいく中、女性の声だけはハッキリと聞こえていました。その声はまるで私を捕まえた事がとても嬉しそうに……。

 

 

「………」

そして、意識が途切れる一歩寸前。私は諦めながらもゆっくりと顔を見上げました。

 

 

そこにあった女性の瞳は………

 

 

「はぁ…♡強くなった貴方とはどんな斬り合いができるんでしょう…!!」

 

 

私を獲物として見ていたのです。

 

「わ…わぁぁぁ!!!!!!!」

 

その顔を見た瞬間 沈みかけていた私の意識は一気に覚醒し、目を覚ましました。それによって私は死に物狂いでもがき、女性の懐から脱出するとその場から振り返る事なく全力疾走しました。

 

「うゎぁぁぁぁぁん!!!!怖いよぉおおお!!!!!!」

 

「あ!待ってくださいよ…!!お茶とお菓子も出しますから私と……」

 

女性の声が聞こえて来ますが、絶対に振り向く事はしませんでした。振り向いたらもう命はないと思っていたからです。

 

ーーーーーー

 

「…あれから再びその周辺を離れて各地を周り心身ともに鍛え上げ、3回目の訪問を得て霊術院に入学できた訳です。ただ…、あの女性がトラウマになってしまい野宿の際は寝る度に思い出してしまうんです」

 

「(鹿取ぃぃぃ……)」

 

まさかの同僚が千弘と接触していたことに驚き元柳斎は額に手を当てる。

 

「いやぁ…改めて来た時は色々と建物などが変わっていてビックリしましたが、安心しましたよ!あのメガネの女性を見かけなくなりましてね。それから課程を終えて配属されて今……というようになります」

 

「そうか……」

 

千弘の説明にもはや何も言えなかった。この少年は自身らと滅却師との決戦からして少なくともほぼ800年以上もの間、修行の旅をしていたというのだ。更に驚く事に数年の修行で最強と恐れられていた初代護廷十三隊の隊長と渡り合っていた。即ち彼は元々、今の力の欠片を持っていたという事になる。そうなる修行を少なくとも800年以上も続けていればあれ程の力が付いている事も容易に想像できる。

 

 

 

だが、たった数百年でこれ程までの力を身につける事などできるのだろうか。千弘の話を受けた元柳斎は今一度、彼の強さの原因を探るべく考えるものの、話のインパクトが強すぎる為なのか、もう諦めてしまった。

 

「はぁ…もう戻って良い…」

 

「はい。あ、後でりんご送りますね」

 

それから千弘が去ると元柳斎は空を見上げ、ユーハバッハから告げられた言葉と1000年前のあの日の事を脳裏に思い浮かべるのであった。

 

 





鹿取抜雲斎

初代8番隊隊長。眼鏡を掛け、三つ編みという文学少女のような風貌だが、それを覆す程の血の気がある(予想)
千弘を見つけ間近で成長課程であるにも関わらず霊圧を感じた事で即座に斬りかかり交戦する。

最初は追い詰めたものの、途中から巻き返され一撃を見舞われた事で彼に更なる興味を示し屋敷へと連れて行こうとしたが、逃げられてしまった。
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