お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 作:狂骨
その後。滅却師との闘いは無事に終わりを迎えて霊王宮にいた隊長達も無事に瀞霊廷へと帰還したのだった。
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広がる青い空。晴天に恵まれ、眩しい陽の光が差す中、まだ復興が終えていない無惨な姿となり、今もなお復興作業が続く瀞霊廷を京楽と、千弘とマユリによって助命された浮竹(マッチョ)は静かに見つめていた。
「いやぁ…あの戦いから数週間ぐらい経つけども、まだ昨日の事の様に思えるよ」
「そうだな京楽。こうして俺たちが再び会って話せるのも全て一護くんや千弘くん達のお陰だよ」
「あの子達には本当に返せない程の恩ができちゃったねぇ…だけどもまぁ……まだ問題は山積みだろうねぇ…」
「そうだな」
そう言い二人は再建設真っ最中の一番隊隊舎へと目を向ける。
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一番隊隊舎では厳格な空気が流れていた。
「さて…呼ばれた理由は分かっておるな…?」
「いえ…全く」
隊長の職務のための机にて座っていた元柳斎は細い目を目の前に立つ髪を下ろした千弘へと向けながら尋ねると、千弘は首を横に振る。
「では…手短に話そう」
そう言い元柳斎は一度咳払いをすると話し始めた。
「お主を呼んだ理由は主に二つ…一つ目は聞いておきたい事がある…お主が霊王宮から戻ってくる前に…誰と戦っていた?」
「…え?」
元柳斎の質問に千弘は不思議に思いながらも答えた。
「ユーハバッハさんですけど…」
「…!!!」
その答えを聞いた瞬間 元柳斎は閉じていた目を大きく開かせながら驚く。それもそうだ。自身らが戦っていたユーハバッハが分身体であると知らなかったのだから。
「どうしました?」
「いや…気にするな(あの様子では嘘ではないな…となると、奴と戦っていたユーハバッハが本体…儂らは分身体を相手にしていたという訳か…)」
元柳斎は千弘の答える様子から嘘ではない上に、戦っていた相手が分身であることを気づかなかった自身の不甲斐なさを悔やむ。
それから元柳斎は改めて二つ目の質問をしようとする中、ここで空気が変わった。
「んん…さて…本題は二つ目じゃが_____」
バンッ!!!!
「______此奴らをどうするんじゃぁぁぁぁッ!!!」
机を叩きながら怒鳴り始めた元柳斎が指を向けた方向を見るとそこには更木と意気投合し酒を飲み散らかしながらどんちゃん騒ぎしている初代隊長達の姿があった。ユーハバッハとの戦いで重傷であったものの、彼らも医療班によって治療されたのか生存していたらしい。
だが、中にはユーハバッハと戦った際にはその圧倒的な一撃に耐え切れず死亡した者も中にはおり、逆骨、善正寺の2名の姿は無かった。
因みに現在の隊長である皆とは顔を合わせてはいるが、初代の殆どが更木しか興味がない為に特にイザコザなどは起こる事はなく、現在も関係は良くもないし悪くもない。
「そして其奴もじゃ!」
そう言い元柳斎が向けた先には先程から千弘の横から何度も何度も薙刀を振り回す鹿取の姿があった。
「…!!」
鹿取はまるで何かに取り付かれたかのように手に握る薙刀を千弘へと振り回していったが、千弘は目を向ける事なく全て片手で振るっている刀で防いでいた。
それから突然と槍の振り回しを止めると千弘へと抱きついた。
「ち〜ひろく〜ん!」
「ふぎ…!?」
因みに彼女は現在千弘の部屋に棲み着いており、他の隊長達も同じく、齋藤、千日、乃武綱、は更木に気に入られ十一番隊隊舎へ。それ以外は一番隊隊舎に上がり込んでいた。
千弘へと抱きついた鹿取は眼鏡をクイッと上げて答える。
「総隊長…私の方はご心配なく…既に千弘さんの部屋でお世話になっているので」
「キメ顔で何言ってるんですか!?もう離れてください!!…それより山本御大…今更 地獄に戻すのもどうかと…」
そう言い千弘が困惑しながら返答すると元柳斎は更に眉間に皺を寄せると机をバンバンと叩いた。
「そもそも蘇生すること自体おかしいのじゃぞ!?お主はユーハバッハの仕業とはいえ地獄に堕とされたが、霊子を持ち帰るという前代未聞の罪を犯した!地獄へ過剰に干渉した事に変わりない!!今回の件で儂が上からどれほど物を言われたか分かっておるのか!?」
「元柳斎殿…落ち着いて…」
雀部がオロオロとしながら宥めるものの、こんな事態になるとは思わず本人も混乱しているのか元柳斎はもう止まらなかった。
「此奴らの大半が尸魂界の歴史上きっての大罪人!それを再び世に放つ事がどれほど危険なものか分かっておるのか!?」
「それは申し訳ないです…ですがどうすれば」
「ならば貴様に命令じゃッ!!!此奴らをどうにかせい!!少なくとも儂の隊舎で居眠りこかせないまでな!!夜うるさくて眠れないんじゃ!!!さもなくば給料は大幅カットじゃぞ!!!」
「えええええええ!?そ…そんなぁ!!研究費用とかでこっちは借金する寸前なんですよ〜!!!」
「知らん!ほらサッサと行け!」
そう言い元柳斎は鹿取へと指を向けると彼女は千弘を抱き上げた。
「千弘く〜ん。一緒にいこうね〜」
「ちくしょぉぉぉ!!あの腐れ局長ぉおお!!!私に全責任おしつけやがってぇえええ!!!」
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それから一番隊隊舎を後にした千弘は更木の所に上がり込んでいる3名を除き、残りの初代隊長達を各隊に預かってもらおうと試みた。
その後、何とか残りの隊長達である王途川、尾花を十三番隊、八番隊とそれぞれ引き取ってもらう事に成功したのだった。
これで万事解決_____と思いきや。
あと一名残っていた。
◇◇◇◇◇◇
「獅郎くんお願いします!!鹿取さんをどうか!!!!」
そう言いながら千弘は最後の1人である鹿取を引き取ってもらう為に日番谷へと土下座をしていた。対する彼は当然のことながら首を横に振る。
「いや…無理だ。これ以上ウチに女性隊員を増やしでもしたら松本が定期的に女子会とか開いてサボっちまう…」
「そこをなんとかぁ!!!もう獅郎くんしか頼る人がいないんです!!」
そう言い千弘は何度も何度も土下座をし、遂には額から血が流れ始める。それに対して日番谷は頭をひと掻きすると、千弘の耳元に近寄り鹿取に聞こえない様に囁いた。
「別に引き取ってもいい……が、考えてみろ…!!ここで引き取ったとしても確実にお前から離れる保障はあるのか…!?」
「え…」
千弘はゆっくりと後ろを振り向く。そこには相変わらず笑みを浮かべている彼女の姿があった。
「………」
心の中で確信する。____
_______“絶対にない”と。
「ねぇだろ?分かったら諦めろ…」
「そ…そんなぁ〜!!うぐ!?」
すると 千弘の身体がゆっくりと抱き上げられる。千弘が恐る恐る振り向くとそこには頬を染め上げながら満面の笑みを浮かべる彼女の顔があった。
「これでずっと一緒だね…ち・ひ・ろ・くん…♪」
「いやぁぁぁあああああ!!!!」
その後。
残った鹿取は誰も引き取る様子もなく(了承しても鹿取本人が千弘から離れない)仕方なく千弘が引き取る事となったのだった。
それによって鹿取は新たなる十二番隊隊士として招かれる事となった。そして彼女の住む家は当然の様に千弘の部屋となってしまった。
勿論、千弘はマユリへと泣きついた。
バァァン!!
「局長ぉおお!!!どうにかあの人を別の部屋に!!お願いします!………というか何で責任なすりつけてるんですかおんどりゃぁぁぁ!!!!」
研究室の扉を乱暴に開けながら入ると、実験真っ最中のマユリは「はて?」とまるで千弘がいる事を不思議に思いながら首を傾げた。
「おやおや懲役刑にならなかったのかイ?参ったね〜君が閉じ込められている間にあの部屋をネムとメガネ女の物にするつもりで、そう決めたんだがネ〜」
「局長いい加減にしないとそろそろ私泣きますよぉ!!!!」
「うるさい奴だネ。今更ネムの他にもう1人増えたって問題ないじゃないカ。それにそれ以上 私の判断に口を挟むなら、減給を考えてもいいんだヨ?そもそも、お前の不満申し出を受け入れるだなんてそんな勿体無い事するわけないじゃないカ。君は正真正銘の【バカ】なのかネ?」
「ちくしょぉぉぉ!!」
結局、マユリには受け入れてもらえず、千弘の部屋にはネムだけでなく鹿取も住む様になった。
「ふむ…そろそろ現地調査と行こう。おい滑稽な様子を見せつけて私を愉快にするのはその辺にしたまエ。さっさと情報網を張るための現地調査に向かうヨ」
「はぁい……」
そう言われた千弘は立ち上がり、マユリやネムと新たに加わった鹿取そして技術開発局の調査班の皆と共に向かって行ったのだった。
原作改変の点は次回に明記します。
あと、厳原金勒が天示郎ではないかという声をいただきましたが、判明した時にこの話を編集しますのでよろしくお願いします。