お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 作:狂骨
霊王宮の中で、穀王と記される桐生の住まう卧豚殿の中にある広大な畑。そこは数ヶ月も前にユーハバッハを打ち取った千弘に明け渡された敷地であり、今は彼のビジネスの為に使われている。
そんな農地のど真ん中にて、農業用装備を着用した1人の少女が鍬を振り上げながら広大な農地を耕していた。
「ハァ…ハァ…ハァ…!!」
背丈は156と平均的でありながらも身体は鍛え上げられているためか肉付きは良く、重い鍬を易々と扱っていた。そんな畑を耕していた少女は一旦その手を止めると、額から流れ出ていた汗を拭き、太陽が輝く空を見上げながら一言呟いた。
「………何やってんだろ…アタシ…」
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時は遡る事 1週間前。ユーハバッハが一護に倒された直後であった。
ジゼルによってゾンビ化された上に、その血を吸われて再び死亡したバンビエッタは暗い闇の中を彷徨っていた。
感じるのはこれまでの人生の中で自身の思い通りにならなかった事や裏切った仲間達に対する苛立ち。
なんで自分はこうなった?どうしてこんなに苦しい思いをしなければならない?
生前では考える事がなかった為に、死んでからはその様な疑問が頭の中を横切っていった。
その時であった。
彷徨っていた闇の中に突然と光が差し込み、その場を照らし出した。
◇◇◇◇◇◇◇
「……んん…」
差し込んだ光によって目を閉じたと同時に身体がとても暖かく感じ、その温もりに目を覚ました。
「あ…アタシは…」
「あ、目覚めましたか」
「ギャア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」
目の前に映り込んできた顔を見た途端にまだ自身が人間であった頃のトラウマが再び蘇り、額から大量の汗が流れると共にその場から飛び起きてしまった。
「あ…あアンタは…!!園原千弘…!!」
「いや、なにもそこまで驚く事はないでしょ」
そこに立っていたのはユーハバッハが最も警戒していた死神である園原千弘であった。見れば彼1人だけで無く、彼の両脇には金髪のおかっぱ少女と、長い髪とゴキブリのようなアホ毛が特徴的な少女?が抱えられていた。
「これ、貴方の仲間ですよね?」
そう言いながら千弘は抱き抱えていたかつての同胞であるリルトットやジゼルをその場に寝かせる。1人は自身を見限り、もう1人は自身を殺してゾンビにさせたものであるために特に何も感情は湧かなかったが、死神である彼が自身らを助けた事が不思議で仕方がなかった。
「なんの…つもりよ…?」
「いや特になにも。貴方方の組織の取締役が亡くなったから社員の貴方達に責任を取ってもらおうと思いまして」
「…は!?」
ふと口にした千弘の言葉に理解ができず思わず声が出てしまった。
驚いている合間にも千弘は一瞬だけ姿を消すと、再び数人の滅却師を担いで戻ってきた。見ればそれは自身が率いるチームにいたキャンディスとミニーニャに加えて、アスキン・ナックルヴァール、ユーグラム・ハッシュヴァルトであった。2人とも自身よりも強い上に胡散臭いために毛嫌いしていたが、この2人までもが倒されたとなるとようやく自身らが敗北した事を悟った。
2人を運んできた千弘は彼らも静かにその場に寝かせる。
「取り敢えず今のところは貴方含めて…えっと…7人ですか。これぐらいいれば…」
「ちょっと待ちなさいよ!!」
「はい?」
納得ができなかった。確かに彼らの同胞は殺したがそれは全てユーハバッハの命令であり、更に生き抜くためであった。彼に対する恐怖を知らない相手から責任という一方的な押し付けをされる筋合いなどない。
「責任ってなに!?まさかアンタらの仲間を殺したからそれを償えっての!?言っとくけどね…アタシらだって殺されないために___
「黙らっしゃい!!!」
バシィィィン
「ひでぶ!?」
千弘のビンタがバンビエッタの頬へと炸裂し、彼女の頬を大きく腫れ上がらせる。
「いっ……か…か弱いレディに何すんのよ!!」
「あ、ごめんなさい眠さん以外の女性はレディとして認識していないので。あと男女関係なく殴る上に蹴ります。差別はよくありませんからね」
「前後で圧倒的に矛盾してんじゃないの!!」
「嫌味か貴様ッ!!」
「なにが!?」
赤く腫れ上がる頬を抑えながら反抗すると、千弘は淡々と告げる。
「あと言わせて頂きますよ!どんな言い訳があろうと、貴方達が命を踏み荒らした事に変わりありません!殺されない為?だから殺戮を正当化しても良いと言うんですか!?そんなんでしたら我々も十分に正当化できますよ!?」
「そ…それは…」
その言葉にバンビエッタは返す言葉がなかった。ゾンビ化の影響で弱腰になり言い返せないのもあるが、彼の言葉も、ご最もである。自身らも陛下であるユーハバッハに粛清されない為とは言え、それで彼らを殺した事を正当化したとすれば死神である彼もここで今、自身を殺す事さえも“今後の尸魂界の為”という名目で正当化が可能となる。
「はぁ…まぁ…そう言ってしまえば水掛け論。我々も同じである事を重々承知しております。私もこの手で貴方の仲間を数百人ぐらいは殺めてしまいましたからね」
そう言うと千弘はブレスレッドに付けられているボタンを押すと誰かと連絡を取り始めた。
ピピ___
「あ、局長、倒れてた滅却師達がいたんですけど、どうします?」
『そんな奴らもう興味ないヨ。君の好きにするといい。ゾンビ娘からは血液を大量に採取しておいてくれたまエ。奴の血液を解析すればノーリスクの解毒剤が作れるかもしれないからネ』
「了解です」
連絡を終えた千弘は次々と倒れている自身のかつての仲間を回復型の鬼道である回道を用いて治療し始めた。
「ちょ…ちょっと待ちなさいよ!!私達をどうする気なの!?」
「決まっているでしょう。貴方……私の畑を焼き払った現行犯じゃないですかぁ。キ〜ッチリと身体で払ってもらいますからね?」
「ひぃ!?」
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ーーー
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その後、自身らは拘束されて特殊な足枷(マユリ特製の少しでもその場所を離れたら半壊数十メートルを消し飛ばす程の威力を持つ爆発を起こす)を装着させられた。
周囲の景色が次々と直り修復されていく中、これからの人生の希望を見出す事ができず、ただその場に座っていることしか出来なかった。
その時であった。
「はいカレー」
生きる希望も何もかも失い、この先の未来を見出せない自身らに、いきなり食事を差し出してきた。
「何のつもりよ?」
「食べないとこの後の作業に支障が出ますからね。まぁ食料があまりなくて具はありませんが」
「…いらない」
今は全く食欲などない。寧ろ湧いている方がおかしなくらいだ。自身の仲間であったリルトットは横でガッツいているがそれが不思議で仕方がない。
その一方で、拒否された千弘はそのまま彼女の前に食事を置くと、残りの皆へと食事を配っていった。
「………」
彼の言葉を受けてから、バンビエッタは今まで癇癪によって殺めた人々の事を思い浮かべた。殺されたくないから自身らは死神を殺したが、それまで自身の娯楽によって奪ってきた命はどうなのだろうか。それを思い浮かべる度に頭の中が混乱してしまう。
「はぁ…」
すると
「ほら!口開けてください!」
「……」
向こうからハッシュヴァルトに食事を与えようとする声が聞こえてくる。千弘が何としてでも食べさせようとしているが、彼は生真面目な為に敵が作った料理を口にする事はまずないだろう。
「もぅ!ちゃんと食べないと倒れてしまいますよ!?」
「いらんと言っているだろう。誰が貴様の作った食事など易々と口にするも___」
「じゃあ無理矢理にでも食べさせます。誰か容器のご用意を!」
「どんな手を使おうと貴様の拵えた料理など…___ん?待て!!」
「注入ッ!!!」
「ぐほぉ!?__むぉおお!?ふぐぉお!?ふぐぉおおおおおおおおおお!!!!!!」
突然と聞こえてきた彼の苦しむ声に驚き、目を向けるとそこにはウイダーゼリーの容器を手に持った千弘が容器を握りつぶし、入っていたカレーを無理矢理、ハッシュヴァルトの口内へと押し込んでいる姿があった。
「ぐ…ふ……」
ドサッ____。
すると 強引にねじ込まれた食事をそのまま飲み込んだハッシュヴァルトは涙目になりながらその場に倒れた。
「次は……」
「へぇ!?ち…ちょっと待って!僕は…」
「問答無用!!!」
「むごおおおおおおおおおお!!??」
そして次は隣にいたジゼルが餌食となった。無理矢理ねじ込まれた事で彼もハッシュヴァルトと同様に苦しみの声を上げながら、飲み込むとそのまま涙目で倒れた。
「「「「「…………」」」」」
リルトットを除いた残りの皆は黙然としながら2人の残骸を見つめていた。
すると、千弘の目が自身らへと向けられる。
「さて、残りの皆さんは」
「「「いただきまぁぁす!!!!」」」
彼から目を向けられた途端にバンビエッタを含め食事に手をつけなかった皆も食事をかき込んだのであった。
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それから翌日。無事に霊王宮は元の姿を取り戻し、和尚の手によって零番隊の皆も復活すると共に一護が倒したユーハバッハの遺体は新たなる霊王として世界の禊となった。
その間にバンビエッタは敵対組織である零番隊の1人『麒麟寺 天示郎』の拵えた血の池地獄という風呂によって血液を入れ替えられ、ゾンビから元の人間へと戻る事に成功したのだった。
それから数日が経過し、千弘と接触してから1週間が経過した日の朝であった。
「さ、元気にいきますよぉ!!」
場所は完全に修復した霊王宮の中でも空に浮かぶ宮殿の一つにある広大な畑。そこでは農作業の装備をフルに装着している千弘がおり、彼の目の前では同じく農作業用の装備をしたバンビエッタ達が一列に並ぶように立っていた。
そんな中で状況が飲み込めないバンビエッタはなぜこんな格好とこんな場所にいるのか尋ねた。
「なによこれ…」
「え?作業服ですが?」
「何でこんな服着るのよ!?」
「うるさいぞバンビエッタ・バスターバイン。作業において専用の装備を着用するのは当たり前だろう」
「アンタもアンタでなに普通に着てんのよ!?」
隣に立っていたハッシュヴァルトもなぜか当たり前かの様に作業服を着ていた。見ればユーハバッハと瓜二つの髪型も切ってスッキリさせたのかギリギリ肩に掛からない程度にまで短くなっていた。
「園原千弘、少しキツイのだが」
「あ〜ズボンの紐を締めすぎてますね。もう少し緩めにしましょう。軍手のサイズは問題ないですか?」
「あぁ」
「(え…うそ…何でアイツ普通にしゃべってんの…?なぜかやる気もまんまんだし…)」
いつの間にか陛下第一である彼までもが千弘の言いなりになっていた事に理解ができず頭が混乱してしまう。
すると
「なぁ〜これ暑いから脱いでいいか〜?」
「僕も〜それに可愛くないし〜」
「確かに致命的にだせぇな〜」
自身の隣に立っていたキャンディスやジゼル、アスキンが次々と文句を口にしながら身に纏っていた手袋などを地面へと脱ぎ捨てた。
「はぁ…私も」
それを見ていると、何だが自身も馬鹿馬鹿しく思い始め、装着している軍手に手を掛ける。
その瞬間____
「__おい。何脱いでんですかテメェら…」
『『『!?』』』
地の底から響く様なドスの効いた声がすると共にその場を超巨大な霊圧が包み込む。発生源は間違いなく千弘だ。彼の身体から発せられた高密度の霊圧がこの場を支配し、周辺にある建物を大きく揺らしていく。
それから鋭い目を作業服を脱いだ2人へと向けながら、地面に脱ぎ捨てられた手袋を拾うと差し出した。
「作業服は絶対に脱がないでください。怪我したらどうすんです?」
「「「は…はい…」」」
3人を萎縮させると、その目は今度は自身へと向けられた。
「…で?貴方は」
「つ…付ければ良いんでしょ!?」
「よろしい。では取り敢えず、ここの畑を耕してもらいます。あちらを貴方、ここを___」
それから千弘の指示の元、それぞれ分担する場所を耕す事となった。
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ーーー
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そして今に至る。
特別な機械は使わずに全て手作業である上に初めての経験であったので、その作業は困難を極めた。
「ハァ…ハァ…ハァ…!!あぁぁー!!!もうむかつく!!!なんでアタシがこんな事しなきゃいけないのよぉ!!」
なぜ自身がこんな作業をしなければいけないのか。今の状況に疑問しか湧き上がらない為に馬鹿馬鹿しく思い、耕していた手を止めてその場に倒れ込んだ。
その時であった。
「何をやっている?そんな所で寝ていては熱中症になるぞ?」
目の前に浮かぶ太陽を遮るかのようにハッシュヴァルトの影が自身を見下ろしながら映り込んできた。
「……別にアタシの勝手でしょ?それに…なんの用よ」
「園原千弘から差し入れだ」
彼に来た理由を尋ねると、水の入っているペットボトルを渡された。それを受け取ると、腹の中に溜まっている鬱憤を晴らすかのように一気に飲み干した。
「ぷはぁ!!……ねぇ、聞きたいんだけど」
「なんだ?」
水を飲み終えると、同じく水分を補給しているハッシュヴァルトに先程から気になっていた事について尋ねた。
「陛下大好きなアンタがなんであんな奴の言いなりになってんのよ?」
「…言いなりか…」
気になって仕方がなかった。なぜ、彼がこれほどまでになってしまったのか。ただ興味本位のまま、彼に問い掛けると、ハッシュヴァルトは俯きながらも答えた。
「……私も一時は命を断とうとした。仕えるべき陛下亡き世に…残す事はなにもない。だが、その時に奴に叱咤されたのだ」
そう言いハッシュヴァルトは自害しようとした時に千弘から掛けられた言葉を思い出した。
『そこまであのオッサンを思うのであれば、その人の分生き抜けば良いじゃないですか。貴方がそれほど慕っているのであれば、その人からも大切に扱われていたと思いますが、そうなれば貴方の早死は望んでいないと思いますよ。まぁ、それでも死にたいのであれば止めませんが』
「…私が生涯を果たす事を陛下が望んでいるのかは分からない…だが、再び選択を迫られた時…この身を終わらせてしまう事に迷いが生じたのだ」
「迷い…?」
「あぁ…。まるで剣を向けた途端に聴き慣れた声で来るなと怒鳴られるかのようにな…」
そう言いながらハッシュヴァルトは自身の腕に付けてある髑髏のイラストが彫られたリストバンドを握り締めた。それはかつて同じ星十字騎士団に所属していたバズビーの持っていた物であった。
「陛下が亡くなった事でリンクが切れ…今の私にはそれ程の力は残っていない。故に【陛下の側近としてのユーグラム・ハッシュヴァルト】は死に…【ただのユーグラム・ハッシュヴァルト】となった。1人の人間に戻った今…先程の迷いがなくなるまで…私は生き抜く事に決めたのだ。たとえどんな形になろうとな…」
「それで何でこんな作業してんの…?」
「今の瀞霊廷は食糧危機に陥っている。それを緩和する為に園原千弘は自身が開発した植物を大量に育てて支給品として贈るそうだ。
私は何百人もの命を奪ってきたが…自身の行いに後悔などしていない…だが、罪のない死神も殺した事は事実…園原千弘が散って行った滅却師達を労い黙祷したならば…私も彼に答え…自身の責任を果たし報いる為にこの道を選んだのだ」
そう言い終えるとハッシュヴァルトはタオルで汗を拭き取り、再び作業へと戻っていった。
「報いる…か」
それからしばらくその場に佇みながら、これまでの自身の行いを振り返ると共に思いだした。
勝手にバンビーズと名乗り、リーダーを気取ったまま前へと出ていた事に加えて趣味で殺めてきた相手の事や、焼き払った際の千弘の表情を。
「………」
罪悪感などは湧かない。だが、思い出せば思い出すほど何故だかそれを正しい事とは思えず、何だか馬鹿馬鹿しい上に恥ずかしく思えてきてしまった。
「(私って……まじで何やってたんだろ……)」
そう考え込んでいるうちに、自然と両手がクワを持ち、再び耕し始めたのだった。
___そうか…アイツ……これに気づかせる為にやらせてたのね…
ーーーーーーーーー
それから1日の終わりが来たのか、辺りは夕暮れ時となっていた。太陽が雲の下へと消えて行こうとしており、周囲はオレンジ色の光に照らされていた。
「ふぅ…」
それと同時に、畑仕事もようやく指定された範囲が終わり、鍬を地面に突き刺すと、背伸びをしながら周囲を見渡した。見れば先程まで草が生え放題であった場所は見事に土が掘り返され、茶色に染まっていた。
「ようやく終わったわ…」
息を吐いていると、遠くの方から千弘が向かってくる。
「お疲れ様です。今日はもう休んでもらって大丈夫ですよ。宿は桐生さんが貸してくれるとの事なので」
「あら、そう」
その言葉を聞いた途端に今まで溜め込まれていた疲れが一気に吹き出すと共に、手に持っていた桑を押し付けるように地面に倒した。
「はぁ…やっと休めるわ」
「いや〜ありがとうございますね〜助かりましたよ〜♪」
「マジで腹立つわその笑顔…!!」
そう言いながら嫌味ったらしく千弘に吐き捨てるも、千弘も千弘で言い返すかのように悪い笑みを浮かべていた。
「……ねぇ」
「はい?」
そんな中。自然と足が止まり、自身が気付いたことに対して彼に尋ねた。
「アンタの目的…ようやく分かったわ…あたしが今までやってきた事がどれほどダサかったのか。それを気づかせる為にアンタは畑仕事をさせたんでしょ?」
そう言うと彼は目を大きく開きながら固まった。それもそうだろう。話してもいない目的を看破されたのだから。自身はバカだろうと思っているのかもしれないが、少し考える時間をもらえればこれぐらいは分かる。
「前はこんなに深く考えた事無かったから色んなことをすぐ放り出してたけどさ…畑仕事してるうちに気づけたのよ。礼だけは言っておくわ…」
少々自慢気にもなりながらも感謝を込めながらそれを伝えた。すると千弘は___
「え?なにそれ」
______首を傾げた。
「……へ?」
突然と彼の間の抜けた声を耳にした事で、驚きのあまり自身も間の抜けた声を漏らしてしまう。
「いやぁ…別に畑荒らしたからその分働いてもらおうと思ってただけですよ?改心を促そうだなんて考えてません…」
「……」
話し方や目元から見る限り、隠し通しているようには見えない。いや、本当に自分の発言に驚いている様子だった。
「いや〜びっくりした〜…いきなり真剣な顔で「ようやく分かった」って言われて、え?なに?と思った直後に自信満々に「〜ということよね?」って…」
「〜//////」
そう言われた途端、バンビエッタは自慢気に話していた自分の姿を思い出してしまい、顔がりんごのように赤く染め上がった。
「いやぁ〜そこまで考えられるとは予想外でし__ぐへぇ!?」
「キィイー!!!真面目に考えたのがバカみたいじゃない!アタシの考えた時間返しなさいよぉー!!!」
顔を真っ赤に染め上がらせたバンビエッタは泣き叫びながら千弘の首を掴みながら左右に揺らしたのだった。
その後、千弘はまた明日来ると言い残して去って行ったのだった。
「くぅぅ…!!」
残されたバンビエッタは悔しさのあまり歯を噛みしめながら地団駄すると共に____
「(惚れちゃったじゃないの…////)」
なぜか惚れてしまった。
それから7人の滅却師達が育てた秋刀魚草やマグロ草といった不気味な植物がユーハバッハの力の影響によって食糧難となっていた尸魂界を救ったのはまた別の話である。
バンビちゃんの性格ってこんな感じでしたっけ?一応、原作では癇癪持ちで話も聞かない短気な性格とあったので、それを後半に改心させた形にしたのですが。
次回も番外編です。