お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 作:狂骨
あと、キャントフィアーの小説を買って呼んで面白かったので書いてみました。この作品は結構 キャラが生きてる上に原作がゴチャゴチャなので、内容丸パクリという様にはいかないと思うので、どうぞご覧くだされ。
これはユーハバッハとの決戦より半年後の話である。
◇◇◇◇◇◇
瀞霊廷の中にある数多くの罪人を収容する監獄の中で、名前は不明だが、無間につぐ重罪を背負う罪人たちが収容された監獄。
無数にある独房の中、その一つである木製の格子が隔てる暗い部屋では地面を見つめながら佇む1人の青年の姿があった。
「……」
その目は瞳もない“盲目”でありながらも、彼の今の心情に影響を受けたのか、ただ『無』を現したかの様に真っ白であった。
彼の脳裏に思い浮かぶのは____
『もしも復讐に足りる力が君や私にあったとしても…彼女はそれを望むだろうか?』
『いやぁ、君が復讐を望まないでくれて良かったよ』
_____自身の親友を殺めた男の言葉であった。死神という存在を。正義の意味を何もかも変えた男の顔を彼は一度も忘れた事は無かった。
『私の名は_______
その言葉が無意識に頭の中を駆け巡った直後____
「ヴァアア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」
己の正義を貫けぬまま生きながらえてしまった無念と男への憎悪を吐き出すかの様に叫んだ。
人の喉から発せられたとは思えないほどの悲しき咆哮は空気を振動させながら暗い牢獄へと響き渡ったのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ユーハバッハ率いる滅却師との戦いより半年後。今もなお復興の真っ最中であり、倒壊した建物を建て直す音が周囲から響き渡っていた。
その一方で、瀞霊廷の遥か上空に浮かぶ霊王宮。そこはいつもと雰囲気が異なっており、刀を打ち付ける音も料理の音が聞こえず、酷く鎮まりかえっていた。
「しぃいいいんじぃぃだああいうぉおわぁぁあくぉおおおのみるぁぁあいうぉおしぃぇえくぅあぁぁい____」
「ちょっと変な歌やめなさいよ!!」
「__じゅううううくぁえとぅえ…………え?」
突如として響いた千弘の歌声に耳を塞いだバンビエッタの叫び声が響き渡る。
※千弘が何の歌を歌ったか分かるかな?
「いや、暗い雰囲気だったので歌って場を盛り上げようかと」
「その汚い音程とリズムで盛り上げるどころか盛り下がってんのよ!!ほら耳元で歌ったからハッシュヴァルトが白目剥いてるじゃない!!」
「いや〜失礼失礼」
「それよりも……これどうにかしなさいよ…!!」
「…ん?」
何やら震えた声で今にも泣きそうなバンビエッタが指をさす方向へと目を向けるとそこには______
「滅却師殺す… 滅却師殺す… 滅却師殺す…」
____全身から呪詛の様なドス黒いオーラを巻き上がらせながらバンビエッタの腕に包帯を巻く鹿取の姿があった。半開きとなった目が目線を逸らそうとする彼女の目と重なり合うべく何度も何度も目を合わせてくる為にバンビエッタの身体はガタガタに震えていた。
「コイツどうにかしなさいよ!!怖いのよさっきから!!」
「見苦しいぞバンビエッタ・バスターバイン。治療してくれているのだぞ。感謝ぐらいしたらどうなんだ?」
「殺す殺すって連呼しながら治療する奴のどこに感謝しろっていうのよポテト!警戒しかできないわよ!!」
霊王宮を鹿取と共に訪ねていた千弘は卧豚殿の一室で応急器具を用いながら全身から血を垂れ流し深手を負ったハッシュヴァルトとナックルヴァールを治療していたのだった。更に彼らだけでなくバンビエッタや一緒にいたキャンディスやマカロン達も怪我を負っていた。
一体彼らの身に何が起こったというのか?周囲の建物などもいくつか倒壊しており、何者かによって荒らされた事が分かる。
「一体何があったのですか?着いた時には少しばかり霊圧などが乱れていましたが。鳳凰殿なんてボロボロでしたよ?」
「…」
包帯を巻きながら千弘が尋ねると、ハッシュヴァルトは答えた。
「…お前がくる前に…1人の死神がここに現れた。目的は不明だが…奴は現れると直ぐに鳳凰殿に向かい二枚屋王悦の斬魄刀達を斬り伏せていった…」
「俺たちを見つけた途端に襲いかかってな〜。応戦したんだが、装備が薄着でアッサリやられちまった。その後、奴はアンタの霊圧を感じ取ったのか俺らにとどめを刺さず刀を奪って逃げてったという訳さ」
「刀を持って逃げた…?死神が…?一体何故…それに誰が…」
ハッシュヴァルトとアスキンの話を聞いた千弘は顎に手を当てて首を傾げる。
すると
「____犯人は恐らく『綱彌代 時灘』だyo」
医務室の扉が開き、そこから不機嫌な表情を浮かべた王悦が入ってきた。ちなみに彼は一度、能力を行使したアスキンによって瀕死にされ、今この様に普通に対面しているのは少し違和感があるとは思うが、彼が千弘にキャラメルクラッチやバックドロップされている場面を見てそれを写真に収めた事で許したそうだ。(軽すぎ)
「つなやしろ…確か四大貴族の一つでしたよねオーエッさん」
「よんだいきぞく?何それ?」
首を傾げるバンビエッタを横目に犯人が最高位の貴族である事に疑問を隠しきれず不思議そうにしながら千弘が尋ねると王悦はうんうんと頷いた。
「ソウソウ。チャン僕ンとこの斬魄刀達もやられたみたいでねぇ。それどころか封印していた『已己巳己巴』まで奪われちゃってマジ気分はダウンでアングリyo〜」
「えぇ!?」
王悦は相変わらずの口調であるが、自身の不甲斐なさに対して腹を立てるかの様に近くのソファーに座る。その話を聞いた千弘は慌て始めた。
「いや!封印された物が持ち出されたって大変ですよ!?すぐに山本御大に連絡しないと!!」
「いや、やめといた方が良いヨロシちー君(ぶっちゃけチミの斬魄刀の方がもっと危ないけどね…)」
千弘が慌てて、すぐさまネムを通じてマユリに連絡を取ろうとすると、それを王悦は止めた。
「決定的な証拠がnothing。チャン僕が進言すれば何とかなるけども〜現場にいなかったから説得力なし。被害者のメラちゃん達は斬魄刀。証言があっても貴族第一の四十六室だから聞き入れてくれないだろうNe…」
「成る程…」
その時であった。
___ピロリン。
腕にはめられていたブレスレッドが光り出した。同じ物を持つネムからの着信だろう。
「あれ?眠さんからだ……どうしました?」
『千弘さんに明後日の正午に…面会希望との事…』
「えぇ?一体誰が…」
『元9番隊隊長“東仙要”です』
その後 霊王宮から鹿取と共に飛び降りた千弘は一瞬にして瀞霊廷へと帰還し、数日を経て約束の時刻になると、ネムに言われた通り東仙との面会を行うべく彼の収容されている監獄へと向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「…おい。希望通り 面会の時間だ」
「…」
看守の声に暗い部屋の中で座ったまま蹲っていた影はおぼつかない足取りでゆっくりと立ち上がると前に進んだ。
そして 暗い道を進み、面会様に用意された部屋の入り口の前に差し掛かると 看守の手によって扉が開けられた。
「入れ」
「…」
看守の指示と共に開かれた扉の中に入るとそこには_____
「あ、お久しぶりです東仙隊長」
「…」
自身の道を妨害し無理やり生きながらえさせた者がガラス越しの部屋で座りながら待っていた。
「園原千弘…私との“約束”を覚えているだろうな…?」
「えぇ?は…はぁ」
東仙の言葉に千弘は少しばかり虚空を見つめると、思い出したのか頷いた。
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
それは一年以上も遡り、千弘が藍染を捕縛した後の事であった。
裁判によって市丸と同じく収監された東仙の元に面会希望者が現れた。それはなんと、マユリと千弘であったのだ。
「久しぶりだネぇ〜元9番隊隊長 東仙要」
「…」
マユリは相変わらず悪どい笑みを浮かべながらガラス越しに見つめるが、当時の東仙は己の正義も貫けぬまま生きながらえてしまい、絶望の淵に立っていた為に黙り込んだまま下を向いていた。
「おやおや?返事がないネ〜。聞こえなかったのならば私がマイクを持って耳元でもう一度告げてやろうかネ?」
「局長は黙っててください」
そんな中、煽りに煽ろうとしたマユリを押し除けながら、今度は千弘が当然の前に立ち問い掛けた。
「東仙隊長…なぜ貴方は私達の元から去っていったのですか…?」
問い掛けた千弘の瞳は少し震えており、まるで彼と対立した事を嘆いているかの様であった。
「お願いです…教えてください。何も事情がないまま藍染隊長に着いていくとは思えません。それに……私は貴方を他の隊長達と同じく尊敬していました。私が己の剣術に自信がない時に…貴方に掛けられた言葉を忘れてなどいません」
そう言い千弘は護廷隊に所属してまだ間もなく、己の斬術や鬼道について、迷っていた時に盲目でありながらも隊長まで上り詰めた東仙に尋ねた時にもらった言葉を思い出し口にする。
“どんな事であれ自信が持てるのであれば…それを伸ばせばいい。君は謙遜しているようだが、私から見れば君の剣舞は本当に素晴らしい。もっと鍛錬を積み、高みを目指せ”
「あの言葉に当時の自信が無かった私がどれほど元気づけられたか…貴方には多大なる恩が残ってます…」
その瞬間 東仙の顔が上がるが、その顔からは喜びも驚きもなく、ただ憤怒に満ちていた。
「ならばなぜ私を止めたッ!!!!!」
その場に東仙の悲痛な叫びが響き渡る。
「私の進む道は藍染様が敗れてから終わった…歩むべき道を失ったならばもうこの世に生きる気はない…己の正義を貫けぬまま生きる事など私にとっては死よりも辛い事なのだ!!私に恩が残っているのならば今ここで私を殺______
「どろっシャァァァァァァ!!!!!」
____くぼぁ!?」
東仙が叫んだ直後、目の前のガラスが砕け散ると共に千弘のビンタが炸裂し東仙を吹き飛ばした。
「さっきから殺せ殺せって…いい加減にしてくださいよ!!」
千弘はその場から東仙の元に歩み寄ると倒れている東仙の首元を掴みあけた。
「何で生きる気を無くしたからって死に向かうのですか!?そこからどの様にして立ち上がるのか考えないのですか!?そんな考えもせず死に急ぐなど、不利になったら『自殺する!!』とか喚き散らす現世の自己中な人と一緒ですよ!!」
「黙れッ!!!」
千弘は何度も何度も東仙の首を揺らし訴えかけるが、その言葉を投げ掛けられた東仙はその手を払い除けた。
「貴様に何が分かる…!!愛する親友を手に掛けられた上に復讐すらできず…親友を殺めた者の犯した罪が安寧という何の意味も持たない偽りの言葉のみで有耶無耶にされ…守るべき世界に見限られたこの私の気持ちがお前には理解できるのかッ!!!!」
そう叫んだ東仙の瞳からは既に涙が流れ出ていた。今まで黙り込んでいた彼は千弘に詰められた事でようやく自身の本当の意思を吐露したのだ。それを話す事自体が彼にとっては苦痛なのか、声は震え、流れ出ている涙は頬を伝いながら冷たい地面に流れ落ちていた。
「頼む…どんな方法でもいいから…私を……殺してくれ…!!!これ以上生き永らえ…腐敗した死神の世界を受け入れてしまえば…私の成してきた今までの行いが全て殺戮になってしまう…!!」
「東仙隊長…」
彼の吐露した言葉によって千弘はようやく彼が裏切った理由を知った。それは『復讐』己の親友を殺めた存在と、その者を裁かない世界そのものへの復讐の為に東仙は離反したのだ。
「どうしますか?局長…」
「ふむ…」
千弘は困り果てると、後ろで待機していたマユリへと目を向ける。すると、今まで黙っていたマユリは立ち上がると東仙の元に近づいた。
「東仙要。私は君の過去になど興味はないし、何があったのか知った事ではない。正直殺して欲しいのならば今ここで殺してもいい。だが、その恨みを原動力に培って来た力は千弘には及ばないが本物だろう。その力をこのままにしておくのは私にとっても尸魂界にとっても少し惜しい」
「だからなんだ…」
マユリは東仙に向けてニヤリと笑みを浮かべる。
「君の復讐の手伝いをしてやろうじゃないカ。恨む相手が我々に些細な事でも危害を加えたときは四十六室の介入が来る前にここにいる千弘が始末しよう」
「はぃ!?ちょっと局長!!私にそんな無理難だ____」
「その代わり…今後もし…“尸魂界の存亡を掛ける程の戦い”が起こった時や、何か人手が必要になった時は文句ひとつ漏らさず私に従う事を約束してもらうヨ?」
「……」
その言葉に東仙は口元を噛み締めると、白い目をマユリに向ける。
「本当にできるのか?」
「勿論。まぁ、君の恨む存在が我々に損害を与えた時限定だがネ」
「……」
その後、東仙はマユリの提案を受け入れて交渉は成立した。それによって後に起こる滅却師による襲撃の際に彼は約束通り皆とは違う場所でありながらも侵攻を食い止めるべく市丸と共に闘っていたのだ。
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そして今に至る。その話を切り出された千弘は思い出すと共に額から汗を流した。
「えぇ。覚えてますが…ってあれは局長が勝手に約束した事ですよね!?」
「理由はどうあれ、私は貴様らの要求の通りに闘った…筋は通してもらうぞ…!!」
そう言いガラス越しでありながらも東仙の鋭い白い瞳が千弘に向けられ、ガラスも少しばかりか亀裂が走った。
「うぅ……霊王宮を襲撃する程の死神に私が勝てるかどうか……」
千弘は相変わらず怖気付くも、その霊王宮を占拠した上に霊王を吸収した滅却師の王であるユーハバッハを倒した奴が何を言っているんだと皆は思うだろう。
そんな中、後ろで待機していたネムは何か連絡を聞いたのか2人に話した。
「その時灘という男ですが…今、一番隊隊舎に来ているとのこと…」
「えぇ!?」
ネムから話を聞いた千弘は一番隊隊舎へと足を運ぶのであった。
千弘のキャラの名前の呼び方
護廷隊の皆を結構変わった名前で呼ぶが、零番隊や滅却師はもっと変なふうに呼ぶ。
ユーグラム・ハッシュヴァルト→ ハッシュさん ユーさん ユーハバッハもどき(一回のみ。呼んだら怒られた)
アスキン・ナックルヴァール→アスキンさん ナックルさん
バンビエッタ・バスターバイン→バインバインさん ヘラジカさん トナカイさん カモシカさん バンビーノさん ガゼルさん アイベックスさん 頭バスターさん
リルトット・ランパード→リルさん ランパーさん
ミニーニャ・マカロン→ミニロンさん マカさん
キャンディス・キャットニップ→キャンキャットさん
ジゼル・ジュエル→ジージーさん ジュエリーさん ジジゾンビさん
真呼和尚→真呼元帥
千手丸→千手御前
王悦→オーエッさん
桐生→桐生さん
天示郎→温泉親方