お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 作:狂骨
綱彌代家にマユリお手製のロケットが着弾した後日。
六番隊副隊長である恋次はルキアと六番対隊舎を歩きながら現世にて生活している一護や織姫の事を思い浮かべていた。
「たまには一護のとこにも顔出すか?」
「あぁ。そうだな。千弘も誘ってみるか?奴には何度か世話になったし一護も喜ぶだろう」
「おぅ!んじゃ、早速 十二番隊に行くか!」
ルキアの提案に恋次は頷くと、そのまま回廊を進んで行った。
すると 目の前から白哉が歩いてくる姿が見え、思わず驚きの声をあげてしまう。
「あれ…隊長!?」
「兄様!?」
「恋次とルキアか。なにをそんなに驚いている?」
「いやぁ…隊長、確か今日予定があるとか言ってたんで…」
「それは延期となった。見よ」
「「…ん?」」
白哉が取り出したのは緊急で創刊された瀞霊廷通信の記事であった。それを見ると___
「なになに……__
____『綱彌代家 十二番隊隊士の試作品によって半壊。新当主は全治1ヶ月の重傷』
_______えええええー!?」
「な…なんですかこの記事!?」
二人の驚きの声に白哉は予想はしていたのか、ため息をつきながら答えた。
「驚くのも無理はない。文字通り綱彌代家に正体不明の飛行物体が墜落したのだ。疑わしい涅マユリが言うには…部下の試作品が原因であるらしいが…まぁ、それでも貴族の家を焼き払った事に変わりはない故に責任は重いだろうがな」
「どんな兵器作ったらこんなになるんすか!?」
「私に聞かれても分からん。しばし疲れた。しばらく休んでくる」
そう言い白哉は通り過ぎていった。
その姿を見送った恋次は改めて記事を見直す。
「明らかにこれ……犯人 涅隊長だよな…?」
「う…うむ…」
恋次の呟きにルキアは頷くのであった。
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その後、予想通りだが、瀞霊廷は大騒ぎとなった。それもそうだ。五大貴族である綱彌代家に向けてロケットがぶち込まれたのだから。それは瀞霊廷通信にも見事にネタとして上がり大反響を呼んだ。
そしてその知らせは藍染や市丸は勿論だが、東仙の元へも届いていた。
「……」
面会室にて、檜佐木からその知らせを聞いた東仙は何も表情を変化させる事はなかった。
「なぜ死んでいない?」
「いやぁ…俺に聞かれても…」
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その後、事態は収束するかと思いきや、ますます大きくなっていった。十二番隊が引き起こした事故は、中央四十六室に総隊長の管理不足と受け取られる事となり元柳斎は中央四十六室から大目玉をくらってしまった。
そして、元柳斎はマユリが犯人である事を見抜いていた為に、即座に彼を隊舎へと呼びつける。
「くぉおおらぁあ!!!お主は何をやっておるんじゃぁあああ!!!!」
一番隊隊舎にて。元柳斎が瀞霊廷に響き渡る程の怒号を上げるが、そんな怒りを露わにする彼の前ではマユリは平然と立っており、余裕丸出しなのか、表情を全く変化させなかった。
「いきなり呼び出された上に、何をそんなに怒鳴っているのやら」
「しらばっくれても無駄じゃ!!これは貴様の仕業であろうッ!!!」
そう言い元柳斎は今朝の瀞霊廷通信を取り出すとパンパンと叩きマユリへと見せた。
「おや〜?その記事でしたか。それは私の部下がしでかした事ですよ」
「惚けるなぁ!!こんなカラクリなどお主の十八番であろう!?」
「まぁ確かに作り方を教えたのは私です。ですがこれも護廷隊のためを思ってしたこと…。製作者の目的は次に旅禍が侵入してきた際は誰の血も流れる事なくこの弾道型ミサイルによって爆撃し撃退もしくは捕縛する…今回はその実験に私が付き添ったに過ぎません。それに、尸魂界を守る為ならば、たとえ実験であろうとも犠牲者が出る事は厭わない…事故を起こしながらも新たなる開発を。貴方の掲げた流儀に近いではありませんか」
「だからといって貴族の屋敷を吹き飛ばす馬鹿がおるかぁぁ!!!」
その後、元柳斎の説教は1時間近くに渡ったものの、マユリが悪びれる様子はなく、アッサリと終わってしまった。
それを隊主室前で聞いていた京楽と浮竹は記事を見ながら苦笑していた。
「これはまた…とんでもない事をしでかしたな。いくら涅隊長や千弘くんに借りがあっても…俺達では庇い切れないよ…」
「ハハハ。まぁ、取り敢えず出来る限り彼のフォローに回ってあげよ。相変わらず十二番隊は此方の予想を遥かに裏切ってくるね〜」
「そうは言うがな京楽…涅隊長はともかく…千弘君はどうする…?」
「それは今僕も考えてるとこだよ〜…」
そう言い京楽は番傘の束をつまみながら苦笑するのだった。
ここで補足をしておこう。犯人は勿論 マユリ様である。
ロケットの着弾によって巨大な屋敷はほぼ半壊、時灘自身も全治1カ月の重傷を負う事となったために製作者や搭乗者には慰謝料込みの超高額な金額が請求される事となった。
だが、そこはマユリの十八番である責任転嫁。あの手この手を使い全ての責任をロケットへと巻き付けられた千弘へとなすりつけるように工作しており、豪邸が10軒も建てられるほどの高額な慰謝料に加えて刑罰は全て千弘に降り掛かり、十二番隊は少量の責任を負うだけで済むようになったのだった。
ではその責任を負わされた千弘はどうなったのか?簡単である。
見事に重罪人となり、借金を背負うと共に四大貴族殺人未遂によって無間へと投獄された。
◇◇◇◇◇◇◇
拝啓、涅眠七號様。
お元気でしょうか?借金まみれで貴方と離れて3日が経ちました。貴方に会えず寂しさのあまり…私は…私は…!!
「もう死にそうですぅぅ〜!!!」
「どうしました千弘くん?」
真央地下大監獄【無間】にて、鹿取に抱き抱えられていた千弘の悲痛な叫び声が響くのであった。