恋愛パートの次の話の繋ぎみたいな話です。
これは、夏の盛りを、ほんの少し過ぎた非番の昼下がりのこと。
「ねえ、隣、良いかい?」
「良いよ」
ボクと時雨が、たまたま今日、隣の席に座ったってだけの話だ。
、、、
本当に、なにか特別なことがあった訳じゃない。
ボクは、いい天気だから何となくベンチに座ってただけだし、時雨だってきっと、なにもすることがなくて、ただ座ってるボクと話でもしようって気になっただけだと思う。
最近はここも数十人の大所帯だけど、最初なんかは10人もいなかった時もあって、その頃からの仲間とは未だによく話す。
時雨は、その中でも最初期からの仲間だ。
「いい天気だね」
まだまだ暑くはあるけど、空は晴れてて日差しは心地良い。
「うん、良い日向ぼっこ日和だよ」
こういう暇の潰し方も、ボクは悪くないと思ってる。
「平和だね」
全く。
「平和様々だよ。ローテーションもここ最近は緩めだしさ。これで、司令官の仕事がもうちょっと丁寧になれば言うことはないね」
確かに今まで余裕がなかったのはわかるけど、こういう余裕のある時くらい、教本通りにやってもバチは当たらないと思う。
「あはは、確かに。提督はたまに、中身を見ずに妖精さんに仕事を丸投げするからね」
夏の始めに、それで雪風が一回ひどい目に遭ってた(その後陽炎がすごいフォローの仕方で励ましてたっけ)。
相変わらず、雪風は運が良いのか悪いのか良く分かんない。
「そういえば、提督というと、敷波とは最近どうなんだい?」
ふと、時雨はそんなことを話題にした。
「そっちも、平和様々ってとこかな」
あくまで、ボクの思う範囲でだけど。
まあ、少なくとも、悪い方には転がってないと思う。
「それじゃあ、提督の片恋慕もようやく進むのかな?」
時雨が、意外なことを言った。
「あれ?ボクは逆だと思ってたけど」
本人がどこまで自覚さてるのかはおいといたとしても。
「へぇ、敷波にもその気があったんだ、、知らなかったよ。」
「いやいや、ボクが勝手に思ってるだけだよ」
まあ、あれが恋でも愛でもないっていうなら何て言うのか教えて欲しいけど。
「そんなの、ぼくも一緒だよ。でも、へえ、、、じゃあもしかしたら二人は、『両片思い』って奴なのかも知れないね」
時雨が、茶化したようにそう言った。
ふざけてはいるみたいだけど、
時雨の勘は、(気が抜けてさえなければ)結構鋭いから、
案外その通りなのかもしれない。
「でも、もしそうだとしたらさ、三年もずっと一緒にいたのに。二人とも不器用だよね」
まあ、忙しかったのはあの二人も一緒だっただろうし、そんな暇がなかったっていうのは分かるけどさ。
「確かに、それもそうだね、、、いや、もしかしたら、三年かけて好きになった、ってことかも知れないよ」
確かに。ふたりとも、そういうことの経験はないみたいだし。
「確かに、そっちの方がロマンチックだね」
それに、色恋で変な風に拗れてないだけ、かえって状態は良いのかもしれない。
まあでも、
「二人にはさ、ボクは、なんなら行くところまで行って欲しいかな」
ずっとこのまんま、よりはさ。
お互い何にも意識してないってことはないだろうし。
「まあでも、行くところまで行くってなると、色々大変だよね」
そういうことが問題になったとしたって、二人を見ている限りまだ先の事だとは思うけど、
なにせ、敷波は『艦娘』で、『司令官』は『司令官』だ。
いくらボク達が艤装さえ外せば一般の人と変わらないって言っても、
なんの問題も起こんないとも思えない。
「まあ、もしもの話だしね」
「うん、そうだね」
まだ、お互いが好きだって決まったわけでもないんだし。
「、、、でもさ、時雨。ここまでなんだかんだ言ってもさ、ボクは結局、本人が幸せなのが一番良いよ」
それがどんな形になるのかは分かんないけどさ。
「それは、どっちのこと?」
時雨が、わざとらしく聞いてきた。
「わかってるくせにさ。もちろん、二人ともだよ」
そして、願わくばボクも時雨も吹雪も、ここにいるみんなもね。
「ふふふ、それもそうだね。君はそういう人だもんね」
「、、、それはからかってるのかい?」
「ははは、ごめん。でも別にバカにしたわけじゃないよ」
「全く」
「ごめんって、それじゃあ、、、」
「なら、、、、」
「そういえば、、、、」
、、、、
、、、
、、
、
いい加減過去話も書きたい、、、。