無理はするものじゃありませんね。
「あら、秋月じゃない」
私が調理場を訪ねると、神風さんがいらっしゃいました。
「どうしたの?人探し?」
神風さんは、不思議そうにそう仰いました。
(確かに、何も持っていないで調理場に来ることは余りありませんよね)
「いえ、そういうわけでは。ただちょっと気になることがあって、、、
ところで神風さんは何をなさっておいでで?」
よく見ると、彼女が作業をしている机の上には、
「ああ、私はね、、、」
そう言うと神風さんは、足元から何やら細々としたものが入っている紙袋と、それから随分な大きさの筒を取り出しました。
「来年のバレンタインのでんty 、、、チョコレートの設計を始めようかと思って」
神風さんの作るばれんたいんのちょこれーとは、とっても大きいことで艦娘達の間でかなり有名です(残念ながら私は着任が遅かったためまだ見たことはありませんが)。
「それで、秋月は何も持たずにどうしたの?」
ああ、それは、
「海外の料理で食べてみたい物の作り方をここ数日調べていたのですが、どうにも作り方がわからない物がありまして。ここにいる様な人なら、もしかしたら知ってらっしゃるのではないかな、と」
そう言うと、神風さんは、
「う~ん、和食なら大抵の事は知ってると思うんだけど、洋食は自信無いわね」
そうですか、、、
「ちなみに、何て言うの?」
えっと、
「正式な名前かは分からないのですが、『はんぶるぐ』の『すてーき』だそうです」
あとは、、、
「挽肉を使う料理の様で、知っていらっしゃる方々曰く、別の名前でえっと、め、め「メンチボー?」」
!!
「っそ、そうです」
確か、陽炎さんがそう仰っていました(古鷹さんは『めんちぼーる』と仰っていましたが、恐らく同じものでしょう)。
「なーんだ、メンチボー、今風に言うなら、ハンバーグだったかしら?なら、私も作れるわよ。まあ私のはフライパンだけで鍋は使わないし、とっても簡単にだけど、それで良ければ明日、朝ご飯にでも一緒に作る?」
「是非、お願いします!!」
、、、
「じゃあ、始めようかしら」
その次の日の朝、私達は二人揃って調理室にやって来ていました。
「宜しくお願いします。ところで、昨日の
昨日、私は割合直ぐに帰ったのですが、神風さんは遅くまで何やら作業をしていらしたようです。
「ああ、そっちも順調よ。デザインはもう大方決まったから、今年中には最初の試作品を作りたいわね。楽しみにしててね、来年の私のどんk 、、、チョコレート」
もちろんです!!
「さて、じゃあ!今度こそ始めるわよ」
気づけば、話が思わぬ方向に逸れていました。
「とはいえ、そう大して難しい事でもないんだけどね」
神風さんは、そう言って笑いました。
、、、
用意するものは、(牛)挽肉と玉葱、
「先ず、玉葱を微塵切りにして、挽肉、少量の塩と混ぜて、平たい団子状に丸めるの。大きさは、自分の食べやすい大きさでいいわ。」
そう言いながら、神風さんは手際よく挽肉を成形していきます(思わず少し見惚れてしまいました)。
「何と言うか、慣れてらっしゃいますね」
「何だかんだでながk、、、うーん、、、まあ、もう長いこと艦娘やってるしね」
神風さんは、何だか少し複雑そうな表情をしてそう答えました。
そうこうしている内に、平らになった挽肉がテーブルに並びました(朝ごはんの二人分なので、そこめで多くはありません)。
「で、これを、ラードを引いたフライパンにこう、ちょっと押し付けるように焼くの。
で、この縁の辺りが色褪せてきたらひっくり返す。それから塩胡椒を振って、表面に肉汁が染み出してきたら完成よ」
おお、これが、、、
「味付けが物足りないようだったら、ソースやケチャップを掛けてもいいんだけど、私はこっちの方が好みね」
それでは、私もそうやって頂きましょう(
では、
「「いただきます」」
ハンバーグの作り方は、軍隊調理法を参考にしました。
次からはまた敷波さんです。