秘書艦の敷波さんの所の諸々   作:刈谷知立

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苦労性の雪風さんと(その三)

さて、今日は何をしたものでしょうか。

私は食堂に向かって歩きながら、そんなことを考えます。

できることなら執務室に行って、自分の制服を探したいものなのですが、執務の邪魔になっても悪いですし。

元々、部屋の中でじっとしているのはなんだか落ち着かないので、非番の日でも制服で出歩いているのですが(鎮守府の中でならもうあまり恥ずかしくない自分がいます)。

しかし、このスカートも余り普段から着るようなものではないですし、万一無くしたり傷つけたりしたらいけません。

この格好で、どうしたものでしょうか。

そんなふうに思いを巡らせていると、

「雪風、おはよー!」

陽炎姉さんに、後ろから抱きつかれました。

 

 

「ごめんごめん、我が妹があまりに可愛くって、つい?」

食堂の机を挟んで、陽炎姉さんはそんなことを言いました。

「そんなこと言って、去年の観艦式の時いっぱい写真撮ってたじゃないですか」

もう、都合のいいことばっかり言って。

「だって、去年よりもずーっと可愛くなったんだからしょうがないじゃない。ああもう、どこまで可愛くなるつもりなのかしら」

姉さんは演技っぽくそう言って、それからイタズラっぽくウインクしました(これが似合うんですからずるいですよね)。

「まあ、それは置いといて、アンタ今日ヒマだったりする?」

まぁ、暇といえば暇なんですけど。

「着る服がないので、どこかに行くつもりはないですよ」

かと言って、何かをするあてがあるわけではないんですけどね。

「ああ、あんたそういや昨日大破したんだっけ。う〜ん、そのワンピース、はちょっと動きにくいか」

いや、そういうことじゃないんですけどね。

まあいいです。

「そんなわけで、暇ではありますけど、部屋でゆっくりしようかと」

パジャマでいても大丈夫ですしね。

「でも雪風、アンタ非番なんて珍しいじゃない」

それは、そうなんですけど(休暇がどんどんたまってます!!)。

「それにじっとしているのが好きなタイプでもないわよね」

いや、まあ、

「、、、はい」

その通りではあるのですが。

「それに、休みの日に何もしないなんて勿体無いじゃない」

いや別に部屋の中で何もしない訳では、、、(別に何かをする予定がある訳ではないですけど)

「ね、雪風、せっかくだから一緒に服買いに行かない?」

えっと、この近くで服を売っている所なんて、、、ありましたっけ?

「呉まで!!」

へ?

「姉さん、どうやっていくつもりですか?」

この鎮守府から本土まで、艤装をつけてても何日かかるか、、、

「なんのための連絡任務よ!」

多分情報交換のため、とかだと思いますけど。

「それに服を買ったって制服じゃないとよっぽど着れないじゃないですか」

あるとまあ、何かと便利ではありますけど。

「何のための間宮券よ!!」

いや、何に使うつもりなんですか!?

「そんなわけで、任務受注してくるから!!」

そう言って、姉さんは駆け出して行ってしまいました。

姉さん、食器くらい、下げましょうよ(ていうか、いつの間に食べたんでしょうね)。

 

それから程なくして姉さんは任務の書類(なぜか飛行機の券も)を持って執務室から舞い戻ってきて、

「10時出発だから」

と言って、またどこかに行ってしまいました(しょうがないので大急ぎで準備しました)。

「高ーい。楽しいわね、雪風。」

そうして、気づいたら軍用機に乗っていて、

「失礼します」

気づいたら呉の執務室にいて。

「雪風、こっも着てみて、ね?ね?」

気づいたら今、私はなぜか呉の街にいした(これまたなぜか興奮気味の姉さんと一緒に)。

「はいはい。今行きまーす」

ホント、なんでこうなったんでしょうね?

まあでも、なんだかんだで楽しんでるんですよね。私も

やっぱり姉妹、なんですかね。

ここ二日は色々ありましたけど、でも。

こんなことも、たまにはあり、ですかね。




買った服は、妖精さんの手によって制服に変わったそうです。

次はいよいよ敷島さんです。
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