秘書艦の敷波さんの所の諸々   作:刈谷知立

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ようやく敷波さんのさんのお話です。


同い年の敷波さんと(その一)

わたしとあの人は同い年だった。

まぁ、今でもそうだけどさ。

初めて会ったのはお互い十六歳だったんだ。

そこからは忙しいことばっかりでさ。

ようやく余裕ができたと思ったら、十九になってた。

 

暑い。

いや、夏だから当たり前なんだけどさ。それも真昼間だ。

まぁ、暑いのは何も今日に始まったことじゃないし、それだけなら、そこまで辛いわけじゃないんだ。

ただ、問題なのは、

ヒマ

ってことだと思う。

 

ここ最近、わたしたちの所に来る仕事が随分少ない。

理由は簡単で、わたし達がこの鎮守府の辺りの制海権を回復して、ここが前線じゃなくなったからだ。

それ自体はとっても喜ばしいことだし、

別に、だからって仕事がいきなり消え得てなくなったりはしない。

定期的に任務は来る。

ただ、

着任以来、仕事に追われっぱなしだった司令官と、秘書艦の敷波(わたし)

そんなこと我関せずはとばかりに仕事を処理してしまったのだ。

その結果、わたし達は昨日の夜までに今できる仕事を全て終えてしまって、

執務室でできる暇つぶしを今日の午前中で終えてしまった。

鎮守府とはいえ、小島で、しかも執務室の中でできることなんてそうないって、司令ともども身を以て知った。

そうして今、わたしは執務室のソファーに寝そべってる。

 

「ねぇ、敷波。避難壕行かない?」

わたしと一緒で暇を持て余して、机に突っ伏してた司令官が、顔をあげてそんな提案をしてきた。

避難壕っていうのは、島の真中の、ちょっとした山に掘ってある結構広い避難用の壕のことだ。

確かにあそこはひんやりしてるし、指揮や書類仕事ができるだけの設備は整ってる。

けど、

「ダメでしょ。報告に来る人たちが迷子になっちゃうよ?」

いかんせん、中がとっても入り組んでる。

元々中に立て籠ることを想定してるからしょうがないんだけどさ。

非常時でもないのに使うのは無理だと思う。

あ、そういえば、

「ねえ、どっかにさ、仕事って、一時的になら別の部屋でやってもいい、みたいな規定なかったっけ」

せめて冷房のある食堂かどこかに行きたい。

別に暇を潰せる場所でもいいけど、流石に仕事中だ。

いつ緊急事態になるかもわかんないし。

「そういえばそんな規定があったような気もするけど、、、」

そういうと司令官はもう一度顔を上げて、、机の上の『提督心得』なんてものをめくり出した。

あるといんだけど。

「あぁ、あった、、、えっと、『鎮守府の人員に傷病やその危険がある場合、鎮守府の中にある司令官の私室や私宅を執務室の代わりとして良い』だって」

うん、なるほど。

ありはするけど、

「ダメじゃん」

別に司令官の部屋に行ったって状況は改善しないだろう。

なんたって隣だし。

それなら、まだ体裁の整ってる執務室(ここ)にいる方がマシだろう。

わたしはどうにも暇を持て余して、天井を見つめた。

「ん?」

司令官が何かに気づいたように声を上げた。

双六でも見つけたのかなぁ。

「ねえ、敷波、山登ってでも涼しいのと、今のまんま、どっちがいい?」

わたしが諦めて、さて何かないものかと言うところで、司令官は、いきなりそう聞いてきた。

多分こっちを向いて。

何か、いいことをおもいついたらしい。




中途半端ですいません。続きます。
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