Another days -case of Karin- 作:瑠和
―天王寺家―
「どぞ……」
「お邪魔するわね」
天王寺家に果林がやってきた。例によって天王寺家の両親は家にいない。まさか本当に料理を振舞うことになるとは思ってなかった瑠和は少し緊張していた。
「まぁ、ちゃちゃっと作っちゃうんで居間でくつろいでてください」
「そう?じゃあお言葉に甘えて」
果林は今のソファに座ってファッション雑誌を取り出す。瑠和は果林に満足してもらうため気合を入れて料理を始めた。
そこに瑠和の帰宅した音を聞き取り、部屋から出てきた璃奈が現れる。
「お兄ちゃんおかえり」
「ああ、ただいま璃奈」
「お邪魔してるわ」
「果林さん」
どういうわけか家にいる果林に璃奈は驚く。
「…………どうしてウチにいるの?」
「瑠和の手料理食べてみたいって思ったの。だからお邪魔させてもらったのよ」
「そうなんだ………」
理由を聞いた璃奈は少し考えていったん部屋に戻り、すぐに戻ってきた。そして果林の近くに行く。
「あら、なぁに?」
「…………あの…………果林さん………その…………」
璃奈の手にはゲーム機が握られている。それを見て果林は璃奈の言わんとしてることを理解して手を差し伸べる。
「一緒にやる?」
「…………うんっ!」
瑠和はその様子を微笑みながら見ていた。
それから少し経ち瑠和はが夕飯を完成させた瑠和が璃奈の部屋を訪ねる。ノックをしても返事がないのでそっと扉を開けてみる。
「やったわぁーーー!!ついに勝ったわぁーーーー!!!」
「…………」
そこには普段の落ち着いた態度とは程遠いテンションの果林がいた。
「あの………夕飯、できましたけど」
「そう、ありがとう。すぐに行くわね」
ルンルン気分の果林が部屋から居間に向かい、そのあと少しふらついた璃奈が部屋から出てきた。
「大丈夫か?………なんかあったか?」
「果林さん……………すごい負けず嫌い」
「あー…………」
瑠和は何となくわかるような気がした。プライドの高い果林の性格を考えれば負けず嫌いだということは察しが付く。きっと何度も再戦を申し込まれ、璃奈は最終的に接待プレイをしたのだろう。
(それよりも、さっきの朝香さんの顔から一瞬見えた色………あれは…………)
「まぁまぁ、今日はちょっと夕飯豪勢だから。元気出してくれ」
三人は食卓に着き、食事を始める。
「ん、結構おいしいじゃない」
「お兄ちゃん、料理上手」
「…………ありがとうございます」
真正面から褒められたことがない瑠和は果林の言葉と改めて聞かされた璃奈の言葉に少し照れた。
「ずっと料理は瑠和が作ってるの?」
「ずっとじゃないけど、結構台所に立ってる。家事もいつのまにかやってくれてる」
「そう、いいお兄ちゃんね。こんなの毎日食べられる璃奈ちゃんがうらやましいわ」
「………ありがとう……ございます」
兄をほめられ、璃奈はついお礼の言葉が出た。
「璃奈ちゃんもゲーム上手だし。可愛いし。見ていてうらやましくなるくらい、いい兄妹よね」
「………兄弟仲………よくないんですか?」
妙にほめてくる果林に対し何かあったのではないかと瑠和は勘ぐった。
「え?ああ、そんなんじゃないわ。ほら、私寮で暮らしてるから………ちょっとホームシックになっただけ。あ、でも璃奈ちゃんは可愛いから妹にしたいわね」
果林は璃奈の首に横から手を回し、抱きしめた。
「なっ!」
「わわわわ」
「ねぇ璃奈ちゃん、お姉さんの妹にならない??」
「璃奈は渡しませんよ!」
騒がしい夜になった。三人は食事を終えた後も三人でゲームをしたり璃奈おすすめのアニメを見たりして楽しく過ごした。遅くなってきたので果林は帰ることにし、瑠和はマンションの入り口まで見送る。
「今日は楽しかったわ。じゃあ、また来週」
「はい………………………朝香さん!」
去ろうとする果林を瑠和は呼び止めた。
「どうかした?」
「………またいつでも来てください。璃奈、まだ学校で友達とか作れてないんですけど……あんな楽しそうな璃奈初めてみましたし、人と関わる練習にもなると思うんで…」
「……そうね。考えておくわ」
果林は少し考えて敢えてまた来るとは断言せずに寮に帰っていった。寮に帰ってきた果林は自室のベッドで横になる。
「……………」
カーテンの隙間から差し込む月明かりに照らされながらこんなに充実した日々はいつぶりだろうかと思う。友人がいないわけではないが、瑠和が言う様に自分を取り繕わずに誰かと過ごせたのなんて家族の前以外だった。
(………騒がしいのなんて、苦手だと思ってたのに…)
「だけど、あんな姿………私らしく…ない」
そうは思っても朝香果林らしくない自分を受け入れてくれた場所があった。あそこでなら、いつもの自分をさらけ出しても良いのではと果林の心は少し揺れていた。
◆◆◆◆◆
「……」
休日が過ぎ、月曜日。瑠和と璃奈はいつもなら果林と合流する場所であたりを見回していた。
「果林さん、来ない…」
「………寝坊かな…俺ちょっと寮見に行ってくる!」
そこそこ果林と付き合いのある瑠和だったが、連絡先を交換していていなかったので連絡が取れなかった。
「私も!」
「璃奈は先に行ってて大丈夫だ!あっちまで走って戻るの結構体力使うから!」
以前も学校から寮までエマを送り届け、1限に間に合う様に戻ったことのある瑠和はそのつらさを知っていたので一人で寮まで走った。大急ぎで寮まで走る途中、ヴィーナスフォートの手前辺りでエマに出会う。
「エマさん!」
「瑠和君、どうしたのそんなに急いで」
「果林さんが来てないんです!もしかしたら寝坊でもしてるんじゃないかと…」
「ああ、果林ちゃんならもう学校行っちゃったよ。今日すっごく早起きしてたから」
「そ、そうなんですか…はぁ、でもよかった…」
その場で呼吸を整え、瑠和とエマは一緒に学校に向かう成り行きとなった。まだ時間はあるので歩きながら
「そういえば、スクールアイドルはどうなりました?」
「ああ!実はね!スクールアイドル同好会に行ってみたんだけど最初私と元々いたせつ菜ちゃんって子の二人しかいなくて、だけど最近新しい部員も入って、毎日楽しくてとっても幸せなの!」
「それは良かったです。エマさんの目標が叶うこと、俺も祈ってます」
「ありがとう」
「……………それで、ちょいとご相談なんですけど」
―放課後―
「ようこそ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!」
瑠和はエマに同好会の見学を申し込んだ。いきなりステージに立つのは無理でも璃奈が友達を作るきっかけにならないかと思い、様子を見に来たのだ。
「初めまして。天王寺瑠和です」
「…………天王寺璃奈です」
「部長の優木せつ菜です!とりあえず今日は見学ということで、練習を見てもらうということでよろしかったでしょうか?」
「はい、よろしくお願いします」
「新メンバーですかぁ!?普通科一年中須かすみ!よろしくね!」
一年生の中須かすみが前に出てきて璃奈の手を取って笑顔で迫る。璃奈は完全に圧倒されているが一応挨拶は返す。
「…………よろしく」
「もう、かすみさん、びっくりさせちゃってるじゃない。ごめんね。多分同い年のメンバーがうれしくてテンション上げてるんだと思う。私一年生の桜坂しずく。よろしくね」
同じ一年のしずくがかすみを引き離しながら璃奈に挨拶する。璃奈も目をぱちくりさせながら挨拶だけはする。
「…………よろしく」
「も~しず子、私が悪者みたいじゃん。ん~あ、はいこれ、お近づきの印に!」
そう言ってかすみはどこからか取り出したコッペパンを渡す。璃奈はおずおずとそのコッペパンを受け取って軽く頭を下げる。
「………ありがとう」
「結構自信作だから食べてみて!」
かすみにすすめられ、璃奈はコッペパンを一口かじる。
「どう?」
「………おいしい」
おいしいとはいうものの、全く表情が変わらない璃奈を見てしずくとかすみは顔を見合わせる。
「わぁー……エマ先輩から聞いてたけど本当に表情変わらないんだねぇ」
「うん…………やっぱり……ダメ……かな」
また自分の表情で失敗してしまったと思い、俯く璃奈を見てしずくは璃奈の肩に手を添えた。璃奈が顔を上げるとしずくは優しく微笑んだ。
「そんなわけないよ。できるかどうかじゃなく、やりたいかどうかだよ」
「大丈夫!かすみんのかわい~い顔を見てればぁ、すぐ一緒に笑顔になれるって!これから頑張っていこー!」
初めてそんなことを言われ、璃奈は少し驚いた。考えてみれば璃奈のことをちゃんと理解してくれている味方が近くにいてくれたことなどこれまで一度もなかった。瑠和がしっかり事情を話して璃奈のことを周知してくれているからこそみんなが理解してくれている。
璃奈はそれがうれしくもあり、そこまでしてもらわなければ何もできない自分が少し情けなく感じた。
一年生の独特なコミュニケーションを見ながら彼方が瑠和に自己紹介した。
「ライフデザイン学科三年の近江彼方。よろしくね~」
「よろしくお願いします。妹のことも」
「妹想いなんだねぇ。彼方ちゃんも妹がいるからよくわかるよぉ」
「はい。そういっていただけると、うれしいです」
瑠和はちらりと璃奈を見つめる。一年生のノリに振り回され、「アワワワ」となっている。しかし、楽しそうだ。瑠和は小さく微笑んでこれがいいきっかけになればと思いながら同好会の練習を見学した。
目標に向かって突き進む同好会の色は素晴らしい。しかし、その間に見える妙な遠慮というか、変な色が気になっていた。
「…」
それからその日の練習を見ていた二人は、練習を終えたタイミングで部室に戻って同好会メンバーとのお茶会に勤しんでいた。エマの作ったクッキーとかすみのコッペパンに舌鼓を打ちながら今日はどうだったかをエマが聞いてみた。
「どうだった?やれそうかな?璃奈ちゃん」
「………まだ……わからない。あんまり運動とかしたことなくて…」
「これから体力付けていけばいいんだよ~。それより、スクールアイドルはどう?やってみたいって思った?」
「よく………わからない」
それは当然だった。瑠和はきっかけづくりくらいにしか思ってなかったからあまり深く考えてなかったが、ここはあくまでもスクールアイドルの部活である。しかし、璃奈はスクールアイドルなんて見たこともなかったのでイメージがわかないのだ。スクールアイドルも、スクールアイドルになった自分も。
「じゃあ、アレは正解だったね」
エマと彼方は顔を見合わせて笑った。
「アレ?」
「瑠和先輩!りな子!ちょっといいですか~!」
そこに練習の片づけを終わらせるといってせつ菜と練習場に残っていたのかすみが現れた。
「?」
璃奈と瑠和はかすみに連れられ、講堂までやって来る。講堂内は真っ暗でいったい何が起こるのかと思っているとステージにスポットライトが当てられた。スポットライトの先にはステージ衣装を纏った優木せつ菜がいた。
「アレは…」
「今日は基礎練習しかしませんでしたから………スクールアイドルのイメージだけでもと思いまして」
そう言ってせつ菜が目をつぶると同時に音楽が流れはじめた。
『走り出した思いは強くするよ……♪』
◆◆◆◆◆
部活見学を終え、二人は帰路についていた。
「どうだった?スクールアイドル」
瑠和は璃奈にスクールアイドルはどうだったかを聞いてみる。少し急すぎたかと思いながらも一年生同士の会話も楽しんでいたようだったので瑠和は少しだけ今後に期待できた。
「………ちょっと、大変そう」
「まぁ、そうだよな」
聞いた話によると中学時代も部活には入っていなかったらしく体力は一般的な女子高生以下で、人と話すのもやっとの少女がいきなりスクールアイドルを始めるのはあまりにハードルが高い。流石に無理かと思ったが、璃奈は立ち止まって瑠和に向き直る。
璃奈の胸には、せつ菜のライブで受けた衝撃と感動が彼女の中に灯をつけていた。
「でも、私も、やってみたいって思った」
「………璃奈」
璃奈はポケットからお守りの石を取り出し、両手でぎゅっと握った。
「私には、できること少ないかもしれないけど。みんなと一緒に、活動して、できることを…繋がりを増やしていきたい!」
瑠和は驚いていた。あんなに内気で、人との繋がりを恐れていた小動物のような妹が見違えたのだ。夢を語る妹の黄金の瞳には過去に見たどんなときより輝いていた。
「…………わかった。俺も全力で応援する。頑張れ!いや、頑張るぞ!璃奈!!」
せつ菜のライブで火を付けられていたのは実は瑠和も一緒だった。せつ菜が歌い、大好きを叫ぶ瞬間は、誰よりも素晴らしい色だった。そんな輝きにも似た色を放つ璃奈が見てみたい。それが瑠和の願い、夢だった。
翌日には璃奈も同好会に入部し、ともに活動を開始した。瑠和もマネージャ―として入部し同好会の手伝いをする。璃奈に人前に出たりすることの練習に没頭してもらうために雑用などできることはすべて瑠和が請け負った。
―三日後―
「はぁ~~~…」
疲れ果てた瑠和は放課後、部活に行く前に校舎裏のベンチで座り込む。流石に璃奈のサポートをしながら雑務も行い、勉強も頑張るというのはなんとも疲れるものだった。特に現状のスクールアイドル同好会は完成したばかりで生徒会に提出する資料等が多い。仕事は自分が変わると言った時せつ菜に感謝されたが少々安易だったかと後悔するが、璃奈のためになるのであればまだまだ頑張れた。
今日は確かお披露目ライブをする許可をもらうための資料を生徒会に出しに行く予定だったと思い、カバンを漁る。
「………?」
鞄に入れておいたはずの封筒がない。瑠和は焦って鞄の中を細かく見てみるが全然ない。
「どこかに忘れてきたか?でも確かに入れたはず……」
鞄の中を漁っていると誰かに声をかけられた。
「あ、いたいた。おーい」
「え?」
顔を上げると金髪の少女がこちらに駆けてくるのが見えた。そしてその手には生徒会に提出する封筒持たれている。
「これ、君が落としたものじゃない?さっきそこに落ちてて…声かけたのにどんどん進んじゃうんだもん」
「ああ、ありがとう。俺のだよ。悪いな、少し疲れてて」
「そっか………確かに疲れてる顔してるね……あ!」
金髪の少女は鞄の中から何か紙を取り出して瑠和に差し出す。
「なんだこりゃ」
「私の家もんじゃ焼き屋なんだけど、これ割引券。よかったら食べに来て!きっと元気になるから!」
太陽のように明るいその少女から瑠和は少しだけ元気をもらった気がした。彼女から見える色もとてもまぶしいものだった。
「ああ…………ありがとう」
「どういたしまして。それじゃ」
パッと見不良っぽく見えたが案外いいやつらしいと思いながら瑠和は生徒会に向かった。
生徒会室に入ると、そこには生徒会長一人しかいなかった。瑠和は軽く会釈をしてから生徒会長の机に向かう。
「生徒会長。許可証の提出に来ました」
「お疲れ様です。普通科二年、天王寺瑠和さんですね。スクールアイドル同好会に関するものでしょうか?」
瑠和は一度でも会って自己紹介をしたっけかと疑問に思いながらも資料を菜々に渡す。
「ああ、スクールアイドル同好会関係。承認お願いします」
瑠和が封筒を渡すと、生徒会長の中川菜々は中身を軽く確認しすぐに承認印を押して封筒をロッカーにしまった。
「…はい。確かに。ご苦労様です」
「かなり簡易的なんだな」
思ったより確認されなかったことに驚いた瑠和が思わず口にする。
「え?…あ……あの、せつ菜さんと知り合いで…その………資料については以前からせつ菜さんにお話は聞いてましたから………」
「そうか……じゃあ、俺はこれで」
「あ、あの!」
部活に向かおうとした瑠和を菜々は引き留める。
「なんだ?」
「あの、スクールアイドル同好会はどうですか?」
妙な質問に瑠和は首をかしげる。
「………どう…っていうと?」
「その、さっきも言いましたがせつ菜さんとは知り合いで………瑠和さんは唯一の男性部員ですし、サポートに徹してる瑠和さんの客観的な意見が欲しいと以前言っていたので………それに、ちゃんと同好会を楽しんでくれているか、不安そうでしたので…」
本人が直接口にするには少々憚られる内容だ。友人である彼女が気を使ったのだろうと瑠和は思った。
「………そうだな。大変だけど俺は俺で楽しんでいるよ。でも、同好会はどうなんだろうな」
「え?」
「あんまこれは言わないでほしいんだが、どこか混じり切ってない感じがする。目標は同じなのに、熱意のベクトルは違うっていうのかな………ともかく、少し不安はある…」
「そう……ですか」
「じゃあ俺は行くから」
「…はい、ありがとうございました」
瑠和が生徒会室を出てから菜々は一人作業をしながらPCのウィンドウにラブライブの参加サイトを開く。
「混じり切ってない………だったら、もっともっと頑張って、私が先導しないと」
瑠和は生徒会を出てから部室に向かう。その道中、見覚えのある後姿が見えた。
「朝香さん!」
「あら。瑠和」
ずいぶんと久しぶりな気がした。璃奈が入学する少し前から大体毎朝会っていたのに最近は会えていなかった。
「……なんか久しぶりですね」
「そうだったかしら?まぁ私もモデルの仕事だのなんだので忙しかったからね」
「そうですか………あ、最近新しい料理覚えたんですよ。よかったらまたウチに…」
「私なんかに構ってる場合?」
瑠和の言葉を遮るように果林が言った。
「え?」
普段からは感じない冷たい態度に瑠和は驚いた。
「エマから聞いてるわ。スクールアイドル同好会?にいるんでしょ?そっちの活動に専念するべきなんじゃない?璃奈ちゃんのためにも」
果林の態度は明らかに変だった。瑠和はそれを簡単に見抜いたがこの間と態度が違う理由がよくわからなかった。色もあまり見たことがないものだったのでもしかしたら虫の居所が悪かったのだろうと思ってそれ以上は深く関わらなかった。
「そう………ですね。でも、またいつか…」
「そうね。またいつか」
―スクールアイドル同好会―
「では今日は振付を考えてきたのでそれの練習をしましょう!!」
同好会部室でメンバーが集まるなりせつ菜が叫んだ。しかしそれはまだ早い段階だった。まだ歌う曲も半分しかできていないのにいきなり振付に入るなんて無謀だった。
「え?でもそれは歌詞が完成してからって話じゃ…」
「いえ、みんなの心を一つにするため、そしてお披露目ライブでの失敗を事前に防ぐことも視野に入れると今から始めるのがベストだと私は思います。なのでやりましょう!」
「まぁみんなの心を一つにするのも大切だよねぇ~」
「とりあえずやってみましょう!」
「そうですかねぇ…」
かすみはあまり乗り気でなかったが、周りの賛同もあって振付練習が開始された。それが思いもよらない破滅への道だとも知らずに。
続く