覚えてないのはあなただけ   作:ピーナッツバター焼き

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行き当たりばったりで始めました。よろしくお願いします


第1話 奇妙の連続(表)

 世界には分からないことで溢れている。例えばどこどこの遺跡の成り立ちは文明では不可能だとか、死んだらどこに行くのか?など、考えれば色々な分野でそんな話いくらでも出てくる。そしてもし神が1つでも知りたいことを教えてあげると言うのなら、俺はさっきあげた例よりも……

 

「お久しぶりです……ご主人様!」

 

 目の前の見に覚えのないピンク髪の少女にこんな訳の分からないことを言われたときの対処法を教えてくれと懇願するだろう――

 

 高校2年生の春。人通りの少ない交差点で、何故あるのか分からない信号を待っていた俺はそんな風に頭を抱えるのだった。

 

 


 

 

 妙な女に出会って数日。あれから俺は見事に奴に遭遇することなく平和に暮らしていた。

 

 結局あのあと、俺は何も言えず呆然としていれば、後ろからやってきた黒い髪で一部の髪がアホ毛みたいにぴょんとしているのが特徴的なおとなしそうな少女とこそこそ何か話したと思えば、謝りの言葉を告げそそくさとどこかに行ってしまった。

 

 そのときピンク髪の方は明らかに納得がいっていないと頬を膨らせており、黒髪の方は悲しげな顔をしている風に見えたが……後者、下手したら両方俺の思い違いかもしれない。

 

 なにはともあれ、放課後の部室にていつも通りという幸せを噛み締める。てかうちは同好会だから部室って言い方でいいのだろうか……まぁ深く考えなくていいか。

 

 そんな独りよがりなことを思考してふと窓の外を見れば、体操服の種類から恐らく新入生の子達がグラウンドに集まっていた。

 

 ……そういやあ今日から体験入部か。

 

 まあうちは同好会ってことで過疎りまくりだし……新入生が来る可能性は0といっても過言じゃないだろう。

 

 それに来たところで俺はこの釣り同好会でだらだらしてるだけの人間なので、先輩らしいことは出来ないだろうから来られても困るのだが。

 

 そんなことを考えながら熱心にネットサーフィンに勤しんでいると扉が開いた音がした。……おかしいな。この同好会には俺と先輩しかいないし、その先輩も今日は予定があり来ないって言ってたし……顧問も教員会議があったはず。

 

 考えてても仕方ないしとりあえず顔を上げるか……

 

「……!!」

 

 そこには、サイドテールを花と鈴の髪止めでくくっている、なんだか強気という言葉が似合いそうな少女がいた。

 

 その少女からはどこか背伸びをして制服を着こなそうとしている印象を受けたが、それは彼女の履いているスリッパの色が新1年生達のものというのがこの偏見ましましの仮説を補強している。

 

「………なんですか」

 

「!?いや、その…少しぼーっとしてただけだ。気にしないでくれ」

 

 その言葉を彼女は特に疑うことなく飲み込んだのか、それ以上追求されることはなかった。

 

 ……正直かなりびっくりした。先輩辺りが用事がなくなって来たものとばかり思っていたからだ。

 

 とにもかくにもこの広いとは言えない部室の俺から机を挟んだ反対側の椅子に彼女を座らせて、緊張からか視界がおぼつかぬまま話をするために口を開く。

 

「……えっと。君はこの同好会を見学に来たってことでいいのか?」

 

「まぁ……はい。そうです」

 

「とりあえず自己紹介だな。俺の名前は春野悠前(はるのゆうま)。君は?」

 

「……私は七草、曙です」

 

 なんか下の名前を強調されたような気がする……てか無駄に話しかけてくる隣の席のやつも同じ名前だったような……って今はそれどころじゃないな。

 

 俺は生まれたての小鹿のように震えた足をしながら、先輩が万が一、いや億が一の為に用意してくれていた『対新入生。これがあればなんとかなる多分ブック』を取るために本棚の方へ向かう。足が震えている理由はシンプル。この子が入るかによって先輩が引退したあとボッチで過ごすかどうかが懸かっているからだ。さっきは来られても困るなんて言っていたがあんなもんは単なる強がりなだけなのだ。ほんとは後輩欲しいし、慕われたいんですよ、俺は。

 

 てか先輩命名のこの本の名前だっさ……

 

 そんなことたちに意識を取られたのが駄目だった。先程述べたとおり、俺の足は現在小鹿さんなのだ。そのせいで足が絡まり彼女の方へと倒れこんでしまう。近くにあった机のおかげで押し潰すなんてことはなかったが、それでも彼女との距離は物理的に急接近してしまった。何故か後方である此方を見ていた影響で向かい合いになるというおまけつきでだ。

 

「……っ~!!!」

 

「わ、わる――」

 

「とっとと離れろ!このクソ提督!!!」

 

 ……!?は?今この子なんて言った?え、てか口悪……

 

 様々なことが同時に起こり俺の頭がオーバーヒートを起こして処理落ちする。

 

 とに、とにかく今言うことは―――

 

 

「提督……?」

 

「……クソ先輩の間違いでしたね。すみません」

 

「そういう問題じゃないだろ」

 

 先日出会った変人もといピンク髪の少女同様、彼女が俺の日常をねじ曲げうる人間だということは想像に難くない事実なのだった。

 

 

 てか言うべきこと絶対これじゃなかったよな。




とりあえずない頭に入ってるプロット全部吐き出さなくては
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