ガンダムビルドダイバーズSEED   作:クレナイハルハ

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対人バトル

 

ミライside

 

俺にとってはじめてのGBN、最初こそは最悪だと思った。

ダイバーとしての外見を設定して、ダイブした瞬間に俺を初心者と判断した奴が俺を鴨とでも見たのか押し売りにきたのだから。

だが、これはあくまでもダイバー側の問題でガンプラネクサスオンライン……GBNの総合評価にはならないな。

そう感じつつ、しつこくレアアイテムだかを押し付けてくる男に要らないと叫んでいると、まるで俺の友人を装ったように男が俺に話しかけてきた。

ソイツは優しそうな雰囲気を持っていて信用できると感じさせる男だった、ソイツは偶然か俺と同じガンダムSEEDに登場する人物の服装で押し売りから俺を押し売りから助けてくれた。

俺がアイツに絡まれたのって、まさかかのザフトの赤服を着ていたからなのか?

ともなく、俺を助けてくれたダイバー……ツバサはGBN歴がそれなりにあるらしく、ああいった輩がいること、初心者プレイヤーに高い値段でアイテムを押し付けていることを教えてくれた。

押し売りから助け出してくれたこと、ああいった輩がいることを教えてくれた事等から考えて彼は信用できると感じた俺は、ツバサと名乗る彼にGBNについて教えて貰うことにした。

まさか、さっきまで押し売りをしてた奴が俺に売ろうとしていたフェイスのバッチをプレゼントされるとは思わなかったがな。

バッチを着けた俺は、早速ツバサと共にGBNについて教えて貰った。

まずガンプラバトル以外のことでミッションの受注やフィールドの移動、フォースについてや様々なイベントについての情報を得ることが出来た。

そして俺が待っていた、と言うよりは気になっていたガンプラバトルにについて教えて貰うことになり、一応初心者向けのミッションを選択した。

ミッションの内容は、敵機体である5機を撃破すると言う物だった。

 

「それじゃあミライさん、格納庫の方へ移動しましょうか」

 

「あぁ、了解した。確かこうだったよな?」

 

ツバサへと手に持った端末に表示されているものを見せるようにしてフィールドの移動を選択し、スクロールする。

スクロールする度に目の前の景色足元から変わり、テレビで見たガンダムのアニメの町や風景へと変化する。

何度か変化したあと、格納庫へと移動が完了する。

どうやら格納庫は共有スペースらしく、様々な姿のダイバーがハンガーに格納されたガンプラを眺め会話をしているのが聞きこえてくる。

マップの表示を見て近くにガンプラがあることを確認出来た、チラリと横目で見れば素組のガンダムNT-1アレックスの姿が確認できた。

素組みではあるが、以前のように本気で作ったため特に目立つ傷はない。

 

「そういえば、ツバサさんは何のガンプラを?」

 

「えっとボクのガンプラは……あれです」

 

俺の問いに手持ちの端末でガンプラが置かれている場所を確認したのか、ツバサが指差す。するとそれと同時に彼の肩にとまっていたトリィが飛び、ツバサの差した方向へと飛んでいく。

それを追いかけるように視線を動かせば、そこには見覚えのあるガンダムの姿があった。

平成のファーストガンダム、その主人公が駆る青い翼を持ち自由の名を冠するモビルスーツ。

フリーダムガンダムの姿があった。

まるでガンダムSEED DESTINYで地下シェルターへと隠されていたフリーダムの光景が甦る。

なるほど、確かにツバサと言う名前を着ける彼に似合う機体だ。

だが以外だな、てっきり他のダイバーのガンプラのようにカラーリングを変えていたり改造を施してあるのかと思っていた。

 

「すまないがツバサさん、もう少し近くで見ても良いだろうか?」

 

「もちろん、どうぞ」

 

ツバサさんの許可に感謝しつつ、フリーダムの元へと走る。

それにしても近付けば近付く程にこのガンプラの作り込みが分かる。機体のハンガーを回るようにしてみれば様々な工夫や作り込みが見えてきた。

あのフリーダムの翼、恐らくは現在売られているHGフリーダムガンダムのプラモデルで再現されていないハイマットフルバーストモードを再現可能にしているのか。

それに恐らくはこのガンプラ、シールを使わずに全部塗装されている。

その上には頭部アンテナに型式番号を彫ってある、あれ程までに難しく、細かい所まで再現しているとなるとよっぽどこのガンプラへの愛がなければ出来ないだろうな。

 

「これ程の作り込み……一体どれ程の性能が出るんだ?」

 

俺の奥底の中にある炎が燻るのを感じる、GPDをしていたときに感じていたもの。

最近は全く感じていなかった、ガンプラへの熱い感情とガンプラバトルへの、強い思い。

 

戦ってみたい、これ程のガンプラを作ることの出来る彼とガンプラバトルがしたい。

 

「ミライさん?」

 

「ツバサさん、今すぐにガンプラバトルがしたい。」

 

「分かりました、じゃあミッションカウンターに……」

 

「いや、そうじゃないんだ」

 

「え?」

 

「君と、君のフリーダムと……戦ってみたい」

 

そう口にすると顔が歪む、まるで恐れるような、悲しそうな表情を浮かべて。

何故、そんな表情を浮かべるのか俺は不思議に感じた。

 

「それは……」

 

「無茶を言っているのは分かっている、だが頼む。これ程の腕を持つビルダーである君とガンプラバトルがしたいんだ」

 

頼む、そういいながら頭を下げる。

出会って少しの間なのだが、彼のお陰でこの世界について、この世界でのガンプラバトルについて理解できる気がした。

あのとき、終わったと思っていた物が再び燃え上がるような気がした。

 

「わかり、ました……やりましょう」

 

「すまない、感謝する。ツバサさん」

 

彼の言葉にそう返し、共にフィールドへと向かう為に初めて自分のガンプラのコックピットへと乗り込んだ。

操縦桿を両腕で握りしめ、目の前に広がるメインカメラからの映像にまるで自身が本当にガンプラに乗っているのだと感じられる。

目の前に広がる滑走路に、自然と操縦桿を握る手に力が篭る。

 

「ミライ、ガンダムNT-1アレックス…出るッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサside

 

 

様々なダイバーがミッションを楽しむ姿が見える平原のバトルフィールド、その端っこにボクとミライさんは向き合っていた。

正確にはダイバーではなく、ガンプラに搭乗している状態でだが。

 

「ここまで来る時の操作や、君の解説のお陰で問題なくガンプラバトルが出来そうだ……感謝する。」

 

草原にフリーダムガンダムとガンダムNT-1アレックスが向かい合うようにして佇んでいる。

ミライのガンプラであるアレックス、見た限りは素組だ。

そんな彼から頼まれたこのバトル、対人でのバトルに未だに踏み出せていなかったボクは、緊張からか、それとも他の原因からか少し心臓が早く鼓動しているのが分かる。

 

「ツバサさん、俺はGBNでは初心者だがGPDをそれなりに遊んでいた。ガンプラバトルには自信がある、今回は素組だが、本気で来てくれて構わない」

 

モニターに映り、そう話しかけてくる彼の瞳は本気だった。

フリーバトルモードに設定する画面を表示する、そしてタイマーをセットして10秒後に鳴るアラームと同時にバトルを開始する事を確認したボクとミライさんはタイマーのボタンをセットし、起動した。

 

《Free Battle count10》

 

フリーダムとアレックスの間にタイマーが投影され、フリーバトルの開始を進める数字がカウントを始める。

 

「…………」 

 

《Free Battle count8》

 

「…………」

 

相手はガンダムNT-1アレックス、主な武装はビームライフル、ビームサーベル、両腕部についた90mmガトリング砲、バルカンだろう。

一瞬だが、デスティニーベースの機体を使っていたダイバーの姿が脳裏に過る。

 

《Free Battle count6》

 

手加減した方が良いんじゃないだろうか?そんな思いと同時に、先程彼が本気で挑んで欲しいと話していた記憶が甦る。

 

《Free Battle count5》

 

深呼吸を1つする、迷うなツバサ。

 

彼は、彼は言っていた。

 

《Free Battle count3》

 

()()で来てくれて構わない、と。

 

GPDをしていたなら、ボクのフリーダムに彼があのアレックスで挑むとは思えない。

素組と改造機、再現機の性能の差はかなり大きい、それは今までのGBNの経験やビルドシリーズでの演出で理解できる。

僕は、自分のフリーダムよ作り込みには自信がある。

 

《Free Battle count2》

 

僕のフリーダムとアレックスの性能の差を承知で、彼は本気で戦ってくれと言ってくれた。

そんな性能差を背負ってでも、僕と僕のフリーダムと戦いたいと感じてくれた。

 

嬉しかった、そんな彼の思いに答えたいと思った。

 

《Free Battle count1》

 

気が付けば、体の震えは止まっていた。

 

操縦桿を握り締める。

 

《Free Battle Start!》

 

バトル開始を告げるアラームと同時に両機のツインアイが光を灯す。

 

「いくよっ!」

 

「来いっ!」

 

僕は即座にペダルを踏み込みバックパックのスラスターと両足の太ももについたサブスラスターを全開にして後ろへと下がりながらバルカン、MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲をアレックスへと向けて発射する。

 

「距離を取ってきたかッ」

 

フリーダムのバルカンに対して、アレックスは即座にシールドを構える。

だが、耐ビームコーティングのシールドの為か実弾判定のバルカンに、アレックスのシールドはどんどん耐久力が削れていく。

バルカンは牽制で目的はウイングバインダーを展開させ起動力を生かすハイマットモードへと移行すること。

ウイングバインダーを展開させ機体を上昇させつつルプスビームライフルをアレックスへ向け操縦桿の引き金を引く。

ビームライフルから放たれたビームを、アレックスは即座にバーニアを吹かせ横へと移動しながら盾を持っていない方の手を此方へと向ける。

アレックスの椀部装甲がスライドし格納されている90mmガトリング砲が現れ回転を始める、それと同時にシールドが装備された手に持ったビームライフルを此方へと向ける。

 

「倍返しだ、行けっ!」

 

ミライの言葉と共に90mmガトリング砲とビームライフル、そしてバルカンによる一斉掃射がフリーダムへと迫ってくる。

これはシールドを使って防ぐべき?いや、防いだらダメージが大きい、なら避けるしかないッ!

即座に展開したウイングバインダーをしまいながら左肩のサブスラスターの出力を全開にする。

フリーダムはウイングバインダーが畳まれた事で空気抵抗が低くなり、横へと回転。

バレルロールすることで射撃を避けつつ、スラスターの出力を肩のみにしたことで高度が下がる。

ビームライフルを背部へと格納しつつ、ラケルタ・ビームサーベルを引き抜くがまだビームサーベルを展開しない。

バレルロールしたことで銃弾は横を通りすぎる、即座にペダルを踏み込んでバックパックのバーニアを全開にする。

 

「やはり当たらないかッ……機体の作り込みだけじゃなくファイターとしての操縦技術も高い……だがッ!」

 

加速しながらアレックスへと向かうフリーダムへとアレックスは即座に持っていたビームライフルを投げつけてきた。

ビームライフルを避けてそのままアレックスにビームサーベルで近接戦闘を仕掛ける。 

そう思っていた、次の瞬間にアレックスのバルカンがフリーダムの目の前まで迫っていたビームライフルへと当たる。

 

「くッ!?このまま!」

 

ビームライフルがバルカンに撃たれたことにより爆発する、直前まで迫ってでの爆発で出来た爆煙を避けずそのまま通り抜ける。

爆煙はビームライフルによるものだからか機体が僅かにダメージを受けるが問題ない、ここでアレックスを倒せる。

視界が煙で塞がれているなか、フリーダムが持っていたラケルタビームサーベルを展開させ、そのままビームサーベルが平行になるように持ち飛行する。

そして次の瞬間、ビームサーベルが何かを切断した音が聞こえた。

煙を通り抜けると同時に着地し後ろを確認すれば、そこには切断されたばかりなのか、断面が赤熱したアレックスの()()()()()()()があった。

 

「アレックスどこに……がっ!?」

 

周囲を見渡そうとした瞬間、目の前に映るモニターに黄色い《CAUTION》の文字と共にドガッ!と言う音と共に大きな衝撃がコックピットスペースを揺らす。

殴られた衝撃でフリーダムはシールドとルプスビームライフルを手放してしまう。

見れば、ミライの乗るアレックスがフリーダムへ腕を振り殴り飛ばした時の状態でたたずんでいる姿があった。

ビームライフルを投げて爆発して僕の視界を奪った時にシールドを地面に突き刺して囮にして、フリーダムが爆煙を通り抜けてアレックスを探している隙に、即座に近付いて殴り飛ばしたのか?

フリーダムが地面に俯く形で倒れる。

即座に椀部の装甲がスライドし90mmガトリング砲が姿を見せる。

即座にバックパックのスラスターを使う、機体が地面と擦れ機体の耐久値が削れるが構わない。

フィールドに砂鉾が舞う、振り替えれば90mmガトリング砲を両手で構えたまま此方へとバックパックのバーニアを吹かし追い掛けてくるアレックスが見えた。

即座に機体を宙に浮かぶようスラスターを操作しつつ、サイドスカートのレールガン。MMI-M15 クスィフィアス・レール砲を展開させる。

 

「狙うのは、ガトリング砲のみ……当たれッ!」

 

発射されたクスィフィアス・レール砲は見事にアレックスの椀部のガトリング砲へと命中した。

腕のガトリングがスパークし回転を停止する、これでアレックスの射撃武器はバルカンのみ。

 

「ちぃッ!なら近付けばっ!」

 

すると、アレックスは両手でバックパックに装着されているビームサーベルを引き抜きどちらも逆手で構える。

それに対して僕はサイドスカートに設置されたラケルタビームサーベルを引き抜いて持っていたサーベルの柄尻で連結させ両剣、アンビデクストラス・ハルバードの状態で構える。

 

「これで、この一撃で終わらせるっ!」

 

「一騎討ちか……望む所だっ!」

 

僕はフリーダムのスラスターを全開にして宙に上昇する、それと同時にアレックスは機体を横に回転させ始める。

その動きに一つのガンダムの姿が脳裏を過る。

何でもあり、そんな風にも捉えることの出来るガンダム作品。起動武闘伝Gガンダムに搭乗する、あの機体の技。

まさか、ミライがGPDの時に使用していたのは……いや、今はそんなこと考える暇はない。

彼の全力に、僕も全力で返さなければならない。

上昇したフリーダムを即座に体制を変えてビームサーベルの先を回転するアレックスへ向けてスラスターを全開にして急降下しながら向かう。

 

「行くぞ、今の俺の、俺とコイツ(アレックス)の全力だ……ツバサ!」

 

そんな此方へとそう叫ぶミライさんの乗るアレックスは先程より早く、風を纏い竜巻のようになっていた。

回転したアレックスが此方へと向かってくる、恐らくは突っ込めば回転して振られるビームサーベルに斬られただではすまなさそうだ。

 

「シュトゥルムッ!ウントッ!ドランクゥゥウウウウッ!!」

 

「貫いてくれ、フリーダムッ!」

 

青空の広がるバトルフィールドの元、二機のガンダムが空中で交差した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平原のフィールドに二人のダイバーが並び立っていた。背後にはコックピット付近が大きく損傷したアレックスが横たわり、その横で片腕が破損した状態のフリーダムが膝を着いている。

 

「はは、なんで俺は…止めようとしたんだろうな」

 

「え?」

 

ボソリと呟くような、ミライさんの言葉に思わず疑問の言葉が口から漏れる。

止めようとしたって、ガンプラを?

 

「GPDが衰退して、周りがガンプラを、ガンダムを引退していたんだ。俺も引退しようとした、でも弟がGBNに熱中する姿を見て、興味が湧いたんだ。」

 

そういいながらミライは後ろに倒れている自身のアレックスを見つめ、その後にフリーダムを見たあと僕へと視線を戻した。

 

「アイツが情熱を注ぐこの世界、GBNはどんな場所なのかって。それで素組のガンプラを使ってログインしたんだ、そして君と出会って……戦って、GBNの素晴らしさを知ることが出来た。こんなにガンダムの世界でガンダムに乗っている感覚が味わえるんだ、引退だなんて考えてはいられないさ」

 

「それじゃあ、ミライさんは……」

 

「あぁ、GBNを続けたい。ガンプラバトルに復帰したいと思った。あとミライで構わない、君も俺のことは呼び捨てで構わない」

 

「うん、改めてGBNにようこそ。そしてよろしく、その……ミライ」

 

そういいながら手を差し出せば、ミライは差し出した手を掴み握手してくれた。

彼との出会い、そして戦闘は僕の対人戦への慣れに一役買ってくれたと思う。

こうして少しずつ対人戦闘を増やしていけば、きっと前みたいに戦える僕に戻れるかもしれない。

 

それにしても、ミライは素組のアレックスで僕のフリーダムの片腕を破壊して見せた。

もし彼が彼だけのオリジナルガンプラや必殺技を身につけたらと、想像するだけでワクワクする。

きっと彼は僕やキョウヤくらいまで強くなる、そんや気がする。

ミライのこれからのGBNがどんな物になるのか、どれ程のガンプラを作るのか楽しみに感じつつ、僕はミライとのフレンド登録を行うのだった。






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ツバサはガンダムSEEDFREEDOMを?

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