渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】   作:PureFighter00

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 アヤメちゃん失踪す。地味にリクはめげた。そして彼はシバに接近してゆくのだが……ここにもう1人のニンジャが生まれていた!


ニンジャ・ニンジャ・そして幽鬼

「……スパイ、ですか?」

「いや、歳の離れたお友達だよ。共に量産機好きな」

 渦さんはビルドダイバーズのユッキーを籠絡していた。前々からビルドダイバーズ……特にリク君の動向を掴みたいと言っていて、まんまとリク君にリアルでも面識のある彼を籠絡してみせたのだ。曰く「リク君は主人公体質だから絶対ブレイクデカールにも関与する」

 ただ、真面目そうなアヤメが関与していたのは予想外だった。ニンジャの振りして実際ニンジャとはアィエエェ!ニンジャナンデ?!とも言いたくなる。ニンジャならニンジャとバレない格好しろよ。

 渦さんはユッキーの次機体、正しく中二の内に厨二をやっておきましょうというコンセプトの構成にアドバイザーとして参画している。そのチャットの中で「そういやフォースのみんな元気?」みたいな形でビルドダイバーズの情報を取る。完璧に他国に内通者を作ったスパイである。ユッキーは自覚することなく渦さんのニンジャとして活用されていた。

 

「陸さん。ターゲットの在所確認できた。今リク君が向かってるらしい」

「了解。部下を付けます。確保はこちらのタイミングで?」

「いや、ワシが指示出すよ」

「今渦さんどこスか?」

「エリア11。やっぱり初心者エリアに巣食ってやがった」

 チートの話を聞いてから、渦さんは予想していた。チートがこんなにカジュアルに使われている以上、チートばら撒いてる奴らは「まだ右も左も分からない初心者に」チートを実演したり体験させたりして囲い込んでいる筈だ。実際Voltex Blaster主要メンバーが初心者エリアで遊びまくっていたのは情報収集の意味もあった。ランク上げないのもその為ではある。楽しいのもあるが。

 ゲームメンテナンス要員である渦さんは、実の所チートに手を出してしまうプレイヤーには寛大である。子供が遊ぶものだから、彼らがゲームとは何たるかを把握せず手を出す事には理解を示す。だがしかし、クラッカー! お前らはダメだ。他人を堕落させて喜ぶその根性は叩き直さねばならぬ。

 怒りが高まり、その怒りの対象に近付くと共に、アリスタ素子は僅かずつ震え出した。その震えを手掛かりに渦さんはアーマードジムを資源衛星深部へと進ませる。既にビグ・ザムで出撃したのだから、もうここには無いだろう……と見せかけて裏をかく。「ワシが奴なら」まだここに潜伏する。

「そう簡単には見つからねぇよ……」

 黒い悪堕ちした様なハロがモニターを睥睨する。外見ハロなのに悪く見えるとは中々芸達者な奴だ。

「もう簡単に見つけちまったよ」

 果たしてそこには渦さんが居た。アーマードジムはモニターの中で今も探査中だ。

「監視に偽データを送り込んだだと! お前何者だ!」

 アリスタが渦さんの怒りを読み取って、近くに居た憎悪の対象の所まで「繋げた」だけなんだが。実は渦さんもアリスタの自動発現にビックリしている。そんなことは顔に出さず、面白そうなので彼の話に乗ることにした。アーマードジムは操縦者が突如消えたので単に慣性移動しているだけだ。

 狼狽するシバを前に、渦さんは悪い顔で応える。

「イタズラ坊主の時間は終わりだ、シバ君(演技派)」

 

【某所でダブルオーダイバー勝利後】

 シバが保有するGPD端末でリクがシバのアストレイ・ノーネームを撃ち破り、絆ガンダムを取り返した頃……彼らは「本来の装束」で小屋を取り囲んでいた。

 無音である。

 ゴツいブーツなどを履いて砂利道を歩くとも無音である。各人の手にはサイレンサー付きの銃があり、陽光が生み出した影の様に息を潜めている。男たちは目出し帽で顔を隠し……まて、動きがあった。

 ターゲットは物憂げにGBN用のVRヘッドセットを頭にはめ、どうやらGBNにログインする様だ。彼らは頭目の指示に従い屋内に侵入する。そしてターゲットから隠れる様に影に潜み、その時を待った。

 5分の後、ターゲットが急にヘッドセットを外すと、彼の背後に紫電が走る。「彼ら」は動じない。紫電の後にアラフィフの男が突如現れても眉ひとつ動かさない。目の前でどの様な事が起きようとも、事前説明されていれば彼らの精神は不動である。

「逃げられると、思ったか?」

 アラフィフの男はターゲット……青年の耳元で囁く。

「お前、自分がマシな人間だと勘違いしてるだろう? 誰も俺には敵わず、イカした男だと勘違いしてやがるな? 全て聞かせてもらったぞ!」

「お前……GBNからどうして……」

「小僧の知るべき話では無いわ。ちぃと顔を貸して貰うぞ」

 突如青年は走り出し、戸外へとドアを開けたが……ドアの向こうにはライフルに黒い銃剣を付けた「影」がいた。青年が振り向くと、影の中からゆらり、ゆらりと「影」が音も無く立ち上がる。いずれも手に銃を持ち、慌てるでも無くゆっくりと青年の額を狙う。窓を見ると見たタイミングで窓の外に「影」が現れ、ライフルを向ける。

 冷や汗が粟粒の様に吹き出した後、彼の背後から最後に立ち上がった「影」から優しげな声が投げかけられた。

 

 

「君、いい腕しているねぇ……自衛隊に入らないか?」

 

 

 渦さんが聴き慣れたその声は、形式的には問うている様ではあるが……青年に拒否権は与えられてはいない。

 

 渦さんは静かにサムズアップくいーなどをした。




陸さんがリアル探られるのが嫌な理由は任務に関係している訳ですな。

さぁ、3トン半でドナドナしようか。
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