渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】 作:PureFighter00
平日夜半。訓練期間中のシバ君が眠りの世界に光の速さで歩いて行く午後8時半。渦さんはユッキーとビデオチャットに興じていた。
「デザインプランは大体理解した。そしてここで一つ疑問があるんだ」
「? 何です?」
「肩にミサイルランチャー、脚に対艦ミサイル……ビームは新造バインダーとチェンジリングのみ。何故「ビームマスター」なんだね?」
「……触れてしまいましたね、その話題……」
「? なんか理由あったの?」
「本来、それらもビームだったんです。ほらコレが初期のパーツ」
GMIIIの箱から取り出されたパーツ。どうやら身体の正面に向かって撃つらしい。すぐに渦さんは勘付いた。
「当たらなかったのか」
「ええ、腕で構えて撃って当たらないのに、身体に固定したビームが当たる訳無いんですよ!」
「それで自己誘導可能なミサイル積んだと」
「この機体はビームマスターv1.5なんです……」
「大変申し上げ難いんだが……宇宙世紀MSにはミサイルの誘導処理無いぞ……」
「え? ミノフスキー効果?」
「ミノフスキー効果はアナザー系への配慮で無いんだが、宇宙世紀MSはミノフスキー粒子散布下想定だからミサイル誘導しない、という判定なんだ」
「僕が下手だからじゃ無いの?」
「やり方は2つある。マイクロミサイル弾幕で無誘導弾を散布し、一個当たれば誘爆して空域破壊するパターン。ZZ方式だな。もう一つは無誘導弾でも構わない巨大構築物狙う奴。対艦ミサイルはこれ。そして肩のミサイルはやたら熟練したパイロットが時差攻撃や偏差攻撃など、一種の罠的に使う。直接狙うもんじゃ無い……」
なんで命中率がそんなに高くないユッキーがミサイル盛って「ビームマスター」名乗るのかよーやく理解できた。ガンダム知識は旺盛でもGBNの判定周りはあまり詳しく無いのか!
「確かに面制圧仕掛けるという方針自体はいい。射撃を避けられるなら避けられないほど広範囲にばら撒くというのは理に適っている」
「ただ、ばら撒き方がどうにも……」
「狙いやすく虚を突ける……ユッキーはスパロボやるかね?」
「好きですよー。どうしてもリアル系優遇しちゃいますが」
「では、ダイターン3のダイターンキャノンは?」
「どんなのだっけ?(ツベを検索) あー、あの足裏ミサイル!」
「例えばイナズマキックを見舞う、敵は重装甲で受け止めようとする……」
「ふんふん」
「そこで足裏からゴンブトビーム、敵はしぬ」
「割と渦さんハメ技好きですよね……」
「当てる技術や避ける技術が高ければいいんだけど、それが低いまま何かを成し遂げるなら……鬼トレーニングするか、機体性能でカバーするか、策を練るかだ。真ん中がマスダイバー方式な。実際にはあまり効かないが……」
「トレーニングじゃあリッくんに敵わないしなぁ……」
勝てる気がしてないだけで、勝てるまでトレーニングしたら勝てるのだが……思い込みを真っ向否定しても若者の心には染み入らない。まだまだ中2、世間を俯瞰できるほどの経験は無いのだ。
「弾幕張るにしても、ビームの方が球数多くて有利だろう? ビームを複数発射するコンセプトに立ち返って、ビームマスターをやり直してみたらどうだろう」
「仕様を勘案してアップデートか……†ビームマスター†かなぁ?」
「ぐふぅっ!(吐血)」
「えっ? えっ! 何? えっ?!」
「少年……ナイス厨二だ……(モニタ拭き拭き)」
「どうしたんですか急に!」
「いや、いい厨二を見た。それでこそだ……†マークの意味を知っているかい?」
「カッコいい十字架? 割と若い子よく使いますよね☆」
「それは故人や絶滅生物種を示す末尾のマークなんじゃ……(ほんとう)」
「うわぁやめときます……(ドン引き)」
「引かずに進むんじゃ! そこに堕天や暗黒やルシフェルを混ぜてコクが出る。厨二を恐れず厨二を極めるんだユッキィィィーイ!」
ブラストマスター(仮)になりました。
厨二を極めたマギーは強い。何事も先ず突き抜けてみて、その先を知ってからまとめて行く方が良い。厨二があるなら厨二を極め、高二大二とステップを踏む。兎角若者は大人を目指すが、少年期には少年期にしか味わえぬものがある。
“初めて知る戸惑いさえ
恐れず……君はス・テ・キ“
5/17 ユッキーのリク君呼称を劇中設定に変更。
コレでいいんやろか……