渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】   作:PureFighter00

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一応最終的には本編に繋がる予定


開発主任Xの彷徨

 新しいものが、作りたかった。

 ガンプラバトルシステムは、所詮他人の作品のブラッシュアップ。どこまで作り込んでも「私の作品」たり得ないし、ブラックボックスであるアリスタの機能で私の好みにはなりようがない。想いやお気持ちではないリアルをやりたいんだ……極論を申せば私は神になりたい。新世界を一つ丸ごと作りたい……ゲイリー・ガイギャックスが、グレッグ・スタフォードが、ロード・ブリティッシュが思い描いた「トールキンの隣の席」。私もその高みを目指したい。

 黎明期のゲーム開発に携われたのは僥倖だった。システム開発の主任はルールを通して世界を作る仕事だ。しかしこの世界には実作業をする神の上位にまた神が居て、あれやこれやを言い募る。我が子であるゲームシステムは反抗期の様で勝手に熱い展開に傾倒する。Gガン専用機なら喜ばしい限りだが、全ガンダムを集結させる場としては不適格だ。

 全ては、濃い霧の向こうにあった。

 

 我らが親愛なる投資家様達は、夢の世界に収益というガンダムハンマーに似た鎖を付けたがる。課金者が有利になる様設定しろ、ガンプラが売れる様にしろ、我が社の収益が最大になる様にせよ……全くもって意識の低い話だ。そんな展開を反抗期のアリスタちゃんが許す訳はない。勝手に熱血上等でバランスしてくるぞ。「彼女がその様に望むのだから」我々の作業は漏れなく徒労となる。ならば見せてやるぞ、アリスタが熱意を最大化するとどうなるかを!

 私は極秘裏にテストモデルを組んでみた。アリスタを積み込み実際熱意の増幅率を上げ、更にシステム上の設定で最上位の性能を発揮する超メカニズム。そうだ、ソードだ。忌み児として呪われたタイラント・ソードに相応しい。先に究極を作り出して限界値を定める。明日、テスト機で試してみよう。システム上の最上限であるメッサーラ・ディノファウスト・ジュピターとの対戦だ。タイラントの力なら余裕で勝ててしまうと思うのだが。

 

 その日、タイラントが作り出した「狂王の剣」はあっさりとメッサーラを滅した。親父ギャグか。文字通り剣は時空間を引き裂き、空と海の間を貫くオーラロードに私とソードを送り込む。

 残念ながら到着した場所はバイストンウェルでは無かった。その異世界はVRテクノロジーは発展していたが、ガンプラバトルがまだ無い世界であった。

 私は、やり直すことにした。私の本来いた世界でガンプラバトルシステムはほぼ完成している。この知識を使えばこの世界でのバトルシステム開発は急速に進む筈だ。その有能さから開発運営のイニシアチブを握れば私も狂王になれる!

 扱い辛いアリスタを排する為に、VRテクノロジーを採用しよう。開発サンプルとしてバトルシステムのコピーも必要だが、蹴っ飛ばしてネットワーク対応のVRゲームにしたらアリスタの影響を排除できる。

 

 ……見せなきゃ良かった。ガンプラを実際に動かして遊べるシステムはお偉方に邪念を抱かせた。

「これで充分! 売れるよキミぃ!」

 馬鹿野郎。それだけでは客離れが始まりつつあったんだ。特にシステムの判定の不合理性……想いの強さが与える影響が不味いんだってーの! しかし既に稼働してる並行世界のシステムでは……なんて説明は出来ない。

 嗚呼アリスタ、アリスタ。なんでお前はアリスタなんだ。お前が余計なことをしなければ、俺は新たな世界をまるっと一つ作り上げた神になれるのに! 憎い、世界生成に何でか絡むアリスタが憎い! アリスタが無ければ……

 

「無ければ、どうなりますか?」

「私は新たな世界の神となるだろう!」

 

 虚空から響く声。問い返してもNevermoreとは返さない。

 遂にデムパを受信できるまでに至ったか! ……明日心療内科受診しよう。トーリさん、明日私午前半休で。




 そこに繋げたのもアリスタの力という……コンタクト出来たら彼方からアプローチして来るんだけど。

書いても書いても読み尽くされてしまう。わんこ蕎麦の給仕係になった気分だ……
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