渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】   作:PureFighter00

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Siriの出自に関する記載はガチです。


エルドラってなぁに? Siriに聞いてみよう

 エルドリウム鏡砂やエルダイバー、エルドリアンなどの言葉から考えて、エルドルないしはエルドラという語が何かのキーであると考えた渦さん一行は、とりあえず秘密の部屋にあったテキスト類を自らの携帯端末にコピーして昼飯を取ることにした。エルダイバー屯田計画に引き摺られた訳ではないと思うが、店は光が丘のとんでんである。

 3人して季節の変わり蕎麦である紫蘇蕎麦をたぐると、デザートの宇治抹茶フロマージュを突きながらテキストを読む。

「なろう小説の草稿だね、こりゃ」

「何モンか分からんけど、エルダイバーってのは自律行動型NPCか何かか? GMを自動化するのか、これ?」

「何考えてたの……紀伊さん……」

 トーリは頭を抱えている。紀伊のプランは単機能断片化しつつあるGMの一部機能自動化に見えた。宇宙からの電磁波を受信して0xAE13内に存在するキャラクターデータコンバーターを通しデータ化する。何で宇宙から電波を受信する必要があるのか。それこそデンパな発想だ。それに権限を持たせて自治を行わせる。さっぱり意味が分からない。

「まぁ、なんだ。Googleの力でも借りるか。Hey Siri! エルドラ検索!」

「ピピン……エルドラは地球側呼称1G1202C。エルソーラ星系内の惑星です。異星人が居ます」

「「「へ?」」」

「ピピン……ペンタゴン(おやじさん)にはないしょですよ」

 すごいや(棒)

 

 元々Siriはアメリカ国防高等研究計画局が開発した兵士アシスト用の人工知能である。2010年にプロジェクトごとアップルに売却されて今ではiPhoneなどに搭載されている。

 で、元が兵士アシストAIだからと言う話で、アップルの開発チームがGBNのプレイヤーアシスト出来ないかなとこっそりSiriをGBNに接続してみたのが運の尽き。見事不安定だった生まれたばかりのエルドリアン統合体と混じり合って兵士アシスト機能を彼らに付与した。

 

「Siri侮れないな。流石元軍用AI……」

 一応現役エンジニアの渦さんは知ってたが、まさか異星人まで知ってるとは思わなかった。エルドリアンと混ざったからSiriも知る事になったのだが。

「へ…へいしり! エルダイバーって何?」

「ピピン……エルドラの民がダイバー化した状態です。私もアシストしているんですよ(ちょっと自慢げ)」

「Hey! Siri! エルダイバーの目的は?」

「ピピン……おひっこしです」

「Hey Siri! エルダイバーに危険性は無いのか?」

「ピピン……人間と同程度ですね。人間の危険性は無いですか?」

 

 全員沈黙。ここにシバ君というGBNを滅ぼしかけた奴がいる。これはヤバいと皆悟った。

 

 嘘を信じ込ませるには二つのやりかたがある。大量の真実の中に少し混ぜて誤導する方法と、最初から大風呂敷を広げて混乱させる方法である。別に嘘をついている訳ではないが、Siriの語った方法は後者に酷似していた。普通なら異星人なんて話は「はいはい、ムーですね矢追ですね」と鼻で笑われる話なのだが、Siriでも知っているという事実の前に懸念は爆発四散した。少し彼らもネット依存が過ぎるかもしれない。

 

「へいしり……エルダイバー屯田計画って何?」

「ピピン……以下の情報が見つかりました」

 エルドラの民を受け入れて、特定フィールドの開発を彼ら自身に行わせる。人間同様色々な個性があるだろうから、その問題解決をダイバーにミッションとして与える。イベント実施用の特殊権限に関しては狂王の剣による介入を許可。

「あのね、渦さん。狂王の剣ってなぁに?」

「ん〜? タイラント・ソードそのものだねぇ。あれ空間破壊出来る設定だし……」

「……ビグ・ザムでフィールド破壊したのは……バグという訳でもない? 俺が引き出した?」

「0xAE13に直接アクセス出来た訳じゃ無いからなぁ」

「例えば、サラが俺の意を汲んでしまったとしたならば?」

「行動が矛盾してないか? サラちゃんが惚れた男以外の話を聞くとは思えん」

「いや、あの子優しいんだよ。分け隔てなく、な。こちらの意を汲み、それでリクが悲しんだなら、逐次的にフォロー対象変えたりしないか?」

「ちょっと待って! つまり揺れる乙女心にサービスの浮沈が掛かるの? 冗談じゃないわ!」

 

 3人は宇治抹茶フロマージュをお代わりした。甘いものは脳に効く。




とんでんの変わり蕎麦は中々良い。

シン・ウルトラマン見てたら投稿遅れたっス。お勧め度は一兆度。

修正:時系列考察により1行削除。まだコーイチは動いてない筈。

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