渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】 作:PureFighter00
駐屯地に戻るジープの車中で、渦さんが口を開く。
「仕事が仕事だから危険や異分子排除に動きたくなるのは分かるが……ここが分水嶺だぞ、トーリさん」
「GBNは私と紀伊の子も同然よ、紀伊が居ない今……」
(わぁ、そこまで言うか!)「異分子排除して行くとな、最後はお前がただ1人GBN抱えて孤立することになるぞ。切り捨て除外は基本やったらダメなんだよ。一度それを始めると歯止めが効かなくなる。ニーメラーを知らんか?」
「……最初に共産主義者が攻撃された時、かい?渦さん」
「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、だ。知っていればググれる。内容は忘れても
トーリはググった。「反ナチズムの話なのね……」
「違う、民主主義というシステムが抱えるバグだ。砂場の棒倒しみたいなもんだ。その性質上、民主主義は岐路に立たされた時『最大多数の幸福』を選択して、可能な限り少数である様配慮するかもしれないが……少数を排除する。選択ってのは実態として排除だからな。どれだけ少なくとも繰り返せば場に残る砂は減少して行き、思想は先鋭化する。
そして砂が棒という制御システムを支えきれなくなった時に制度は倒れる」
「ゲームも同じなのか? ちょっと信じられないぞ渦さん」
「
「ちょっと前の俺か……」あ、凹んだ。
「GBNが大事なのは分かるがね、それを大切にして周りを切り捨てるか取り込むか。基本的には後者の方が上手く行きやすい。どっちにしたって人は離れて行くものだ。切り捨てはそれを加速して終末までの道をショートカットするに過ぎない」
「本当にダメなの? 切り捨てによりより多くの人が将来的に集う可能性はないの?」
「残酷な話をしよう。一度切り捨てという
「だって異星人よ!」
「トーリ、君は次に黒人よ、ユダヤよ男よ!と狂王の剣を振るうだろうな。異星人は、ダメかい?」
(流石にそれはダメなんじゃないか?)とシバは考えたが、控える事にした。安易に切り捨てるなと渦さんは言っている。判断は思慮の彼方でやれという話だ。その結果を吟味して……過去の彼の失敗は短慮によるものだったと自覚している。
「踏み止まれ、トーリ。しかしそいつが仕事である以上、いつか決断を下さねばならぬ時が来る。その日に備えて良く対象を見るんだ。データをかき集めろ。判断材料は多い方がいい……ガンプラと大して変わらん。よく見て気付かなければ粗は直せない」
力無くふらふらと東武練馬駅に向かうトーリはゾンビの様であった。突然双肩に乗せられた判断者の軛は重かった。
「なぁ、渦さん。エルドラの民って人間と同程度にヤバいんだろ? 俺が言えた義理じゃないが、本当にいいのか?」
「人間と同程度にヤバいんだ、同程度に善良だろうさ。今のお前程度には、な」
「ガンプラと変わらないもんが人生の秘訣と来たか。ガノタはみんな哲学者だな」
「秘事は睫毛ってな。本当に目の前にありながら見えないことが事の本質なんてのはよくあるこった」
排除をやり過ぎてどーしょーもなくなった国があるらしいな?(すっとぼけ)