渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】   作:PureFighter00

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そろそろ佳境。だが、諸般の関係でサラちゃん後の話が少しだけ続くんじゃ(書いてる内にトーリを救いたくなってきた)


渦動

「こちらネオファリア01、ノーネーム送れ」(ぴっ)

「こちらノーネーム、権限奪取でバックアップ完了。上は会議中」(ぴっ)

「動向は?」(ぴっ)

「消去優勢。仕方ねぇ話だな」(ぴっ)

「了解、渦動破壊(ボルテックブラスト)を開始する。オーバー」(ぴっ)

 

 何の難しい事は無い。GBNのシステムが壊れると言っても電子データが壊れるだけだ。バックアップ取っとけば一回は試せる。GBNは再チャレンジ可能な世界だぜ。きっと日本国政府も喜ぶ(政策課題だからネ!) トーリ達の判断は会社員としては真っ当なものだ。そらぁ会社がサービスの危機を許す訳が無い。

 だからその渦動、おじさん達が破壊しといてやろう。宮仕(みやつかえ)は辛いのう……

 

【経団連ビル】

「お集まりの様ですな」

「現実でお会い出来るのを心待ちにしておりました、経団連のトヨダです」

「石川島と申します」

「バンダ○の宮河です。この度は大変お引き立ての……」

「いやいや、宮河さん。私はアイデアだけ。御社のソリューションサービスが図抜けて素晴らしかったからここまで出来た。正にゲームの枠を超え、エンターテイメントすら超えるお話ですなぁ」

「そう言えばGPDとGBNの連携が出来たというお話でしたが……」

「ええ、ゲームとしてはまだ信号遅延の問題もありますが、5Gネットワークの拡充で解消可能でしょうね。生産設備の郊外移行と労働者の首都圏辺縁部移動は促進できますな」

「障害者雇用や老齢者介護への転用案も出ています。今霞ヶ関は台本準備で大慌てですよ」

「今回ご足労頂いたのは、件のGBNでちょっと問題が起きている様でして、その調整です」

「……何かウチがやらかしましたか……」

「何のことはありません。バグ対応で四苦八苦しとる様です。原因自体は把握しました」

「それは良かった。では対応は……」

「至難でしょうな。宇宙人が来たって話ですから」

……

…………

……………………

 まぁ、固まるわな。

「宇宙人、と、仰った?」

「ええ。宇宙人です。エルドラとか言ったかな?」

「矢追ではなく?」

「信じられないのも仕方ありませんなぁ。もう少し具体的に話しましょうか。そしてこの話を先ず皆さんにした意味や意図をお考えください」

 利益になるから政府に秘匿させない方がいいぞ、の意味だ。ここまで言う必要は無いが、混乱してるだろうから杭は深めに刺す。

「流石にUFOで来るには些か遠かったらしく、彼らは自分達の意識やデータを電磁記録にして飛ばしているらしいですな。それがたまたまGBNに到達してキャラクターとして動ける様になった、と」

「そんな事が出来るんですか……」

「ファクトから行きましょう。実際来てる。現実問題として自意識を持ち、世界中のどの端末からもコントロールされていないキャラクターが実在します」

「信じられん……AIでは無いのですか?」

「チューリングテストはクリアしてますな。必要なら学者先生に調査させてもいい」

「……先進的な科学技術その他は?」

 ニヤリ。

「これがある日のゲーム内の様子ですが……」

 有志連合の光の翼シーンの動画を複数見せる。

「これは……演出ではなく?」

「実際リアルタイムで彼女……GBN内ではサラと名乗っておりますが……なんらかの形でシステムデータの修復をした様ですね」

「おい君、今すぐみずほの頭取にこちらに来る様伝えろ。大至急だ!」

 残念だがそっちは要件定義とか勢力争いの結果だから治らんぞ(素) プログラムより先に治すものがあるだろが。

 

 現実問題として、彼らが有用に見えたら消したがる奴は居なくなる。そしてトーリ含めてGBN運営は頭おかしいと思われるのを嫌ってサラちゃんの事を上に上げてない。きちんと段階踏んで報告を上げると、多重にフィルタリングされるから「最終決裁者」まで正しい情報が伝わり難くなる……そこで断首作戦だ。直接意思決定者に伝えてしまう。

 伝わっていない詳細情報を先に上げると、先ず上層部は詳細上げなかった部下を信じなくなる。後からあれこれ報告しても、何らかの言い訳が含まれるのでは無いかと錯覚するのだ。こちらが多少サラちゃんの機能を盛ってもそちらに引き摺られてしまうだろう(邪悪) コンサルなんかが良くやる手だ。上が口突っ込むと面倒だと言う現場の気持ちもこれを加速させる。この分断を使わぬ手はない。

 

「で、この異星からのお客様ですが……システムの安定動作の阻害要因になると言うことで、削除すべきと言う話が持ち上がってる様ですなぁ……」

「馬鹿な! 聞いてない!」

「落ち着きましょう、宮河さん。貴方下から『なんか異星人が紛れ込んで来ました』なんて報告受けたらどうします?」

「うっ……」

「こんな与太話を今ここに居る皆さんが信じ込んでいるって事態が異常なんです。普通は信じられません。お宅の社員さんは立派ですよ……常識を弁えてる。ただ非常識が大手を振って歩き出した時に常識は邪魔になる事も多い。日本の産業にイノベーションが起きにくい理由ですな。ジョブズの様な異能は常識により排除されるんです」

 強みでもあるけどね。物事は表裏一体だ。

 

「成功するまでやり続ければ失敗はしない、でしたか」

 ググって調べた「彼の言葉」だ。IR資料や広報資料事前に調べて「使える言葉」を洗い出しておく。法人営業の基本のキ。私の提案は貴方の信念に添いますよ……と言う悪魔の囁き。

「正直、彼ら異星人が使えるかどうかは不明です。ただ、面白いプロジェクトがあります。一回試してダメならやり直せる様バックアップも取りました。

……プロモーション、しませんか?」

 

 クックック……チョロいわ!




後にみずほATMに触れたサラちゃん「この子……凄く混乱してる、困ってる!」(知ってた)
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