渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】 作:PureFighter00
【第二次有志連合指揮所 日曜午前九時半】
「随分参加者が多いな……」
「それだけ注目集めてるって事さ。新規ダイバーの参加も多い。彼らはどうする?」
「使い物にはならんだろう。右左翼の包囲チームに配置。最外部でいい。ウチの士官候補生達に指揮させる」
「ビルドダイバーズはまだか?」
「時間目一杯戦うためにギリギリログインじゃないか? 彼らはお台場にリアルで集まってるらしい」
「各フォース指揮官はこちらに繋いでくれ。作戦指示を出す。チャットチャネルは……」
【渦さんチーム】
「みんな位置ついたかー?」
「渦さん、フェリクスちょい遅れるって!」
「まぁまぁ気楽にいきまっしょい! 肝心なトコはビルダイがやってくれる。俺らは裏方だ」
「暗躍ともいいますなぁ……敵布陣送ります」
「カンナエかぁ……」
「カンナエっすなぁ。見事な包囲殲滅陣……」
「慎重過ぎるな。縦深配置で突撃力潰して包囲殲滅。硬い手ではあるが……」
「どうすりゃいいです?」
「作戦は変わらんね。読みが当たった」
「道を開けよ! だよ。引き付けてビルダイが通る道を開けたら後は姫の騎士がミサイルみたいに飛んでくさ」
「絶対殺す装備だったもんな」
「トランザム色パイルパンカーミサイルとかキングギドラ退治でもするつもりか。ユッキービビってたぞ」
「リク君殺意マシマシ過ぎですやね」
「若者の特権さ、ワシらじゃ胃もたれしちまう(苦笑)」
「陸さんが左、海さんが右ね」
「メンツ揃ったら砲撃陣地構築。敵最深部前方80km地点に集結だ。麦茶用意しといたから作戦開始直前まで茶でも飲んどけ」
【有志連合両翼部】
「みんな整列ー、そこ話聞いてよ!」
「……
「あー……(英語かよぉ!)……整列プリーズ?」
「
「い、いえーすいえす!(分かって無い)」
「
「「Sir, Yes Sir !」」ザッザッザ……
「
「サンキュサンキュサンキュー!(全くわかってない)」
「Thx Tom」(ぴっ)
「Is he right?」(ぴっ)
「no problem, they are not our commander.」(ぴっ)
【有志連合指揮所 午前9時50分】
「話は聞いてる。でもいいのかい?」
「僕は自分の意思でここにいます。最前線志望です。近くの敵をガトって打ち倒します」
「……分かった、期待してるよ」
「はっ!」たたたたた……
「キョウヤ、彼は?」
「Voltex Blasterの桃君だ。あそこは各人自由参加にしたらしい。彼のガトリングジムを中央最前線へ配置してやってくれ」
「VB目玉のフルアーマージムか……良かろう」
「総員フラグを確認しろ。GBNの安定を願う我々は青フラグだ。押し間違えるなよ!」
「ロンメルたいちょー! それ英語でなんて言ったらいいですかー!」
「チェックユアフラッグ、アワフラッグィズブルー、ドンミス!」
「なげぇぇえ!」
「なんだ英語しか通じない奴いるのか?」
「新人連中みんな外人さんなんですよぉ!」
……なんだ、この違和感……
「キョウヤ、カツラギさんに連絡取れるか?」
「業務中だ、控えるべきだろう」
「確認したい事があったんだが……」
「もうすぐ始まる。集中しよう!」
「バトル開始10秒前……旗幟を明示下さい」
「さあって、暴れますか!」
「おい、まだフラグ表示してない奴いるぞ、急がせろ!」
「言うこと聞けってなんてゆーたらえーのー(涙)」
「
「「Year!」」
「待ってました!」
「桃君! ウチは青だ!」
「知ってますよぅ!
「
「コンサートマスターリンク完了! 行けます!」
「バトルを開始します」
「空さんは上空待機、リンク維持専念! 海さんは両翼指示を!」
「やりぁあがったな渦! やつぁ何処だ!」
「RAP最速発射、距離80000! -40でブレイク!」
「てぇっ!」
「ミサイル来ます!」
「どっから撃ってるか知らんが、当たる訳なかろう!」
「唸れジャイアントガトリング×2!」
GaGaGaGa…
「うわぁっ!」
「ミサイルは揺動だ! ガトリング対処!」
「そーでも無いんだな。ウチがフォース参加する時はフルアーマージムかアーマードジム! コンサートマスター誘導がある!」
クイっとRAP弾が軌道修正。
「軌道修正だとっ!」
「桃さんがここに居るからなっ! ウッヒョーイ! タァーノスィーっ!(恍惚)」
「ミサイルぐらい切ったらぁ!」
「知ってた(弾頭炸裂、劣化ウラン弾芯展開)」
直前で分裂する魔球は打てないんだなぁ。
DoDoDoDo! 次々と弾芯が着弾してガンプラを沈黙させる。
「応射しろ! 方向は分かるだろう! 叩き返せ!」
空さんは上空からそれを眺めつつ……
「当たんないんだなぁ、これが。80kmも先だとビームじゃ当たらんのだわぁ……地球は丸いんだなぁ」
そう、惑星フィールドだとGBNでは地球の曲面をきちんと再現する。Voltex Blasterの砲撃陣地はMSから見ても地平線の下にあるのだ!
「泡食って慌ててますなぁ」
「ウチみたいな長距離砲撃システムはみんな組まないからねぇ」
「桃の誘導使える内に全弾叩き込んで突っ込むよ!」
「「ラジャー!」」
ガコンと桃のフルアーマージムがジャイアントガトリングを外すと、辺りはガンプラの破片が散乱しまくっていた。ビルドダイバーズの衝撃力を受け止めるために密集配置していたことが仇となり、ろくに回避もできずガトリングの生贄になってしまったのだ。更に逃げ惑う有志連合機体をブルーバージョンが投射したRAP弾が襲う!
「きっさまよくもぉぉお!」
「あ、ロンメルさんチィース。ウチのボスから伝言が」
「なんだと!」
「“そりゃ読まれるわ。そんな陣"」
「しぃねぇぇえ!」
ここで武運拙く桃は完全破壊されるのだが、桃とフルアーマージム類で僅か30秒の間に有志連合の「手練れとは言えないが作戦行動が出来るダイバー」を30数機程度破壊している。また、両翼末端に配置されていた(文字通り)外人部隊は練度の低い有志連合雑魚集団を戦列から引き離すことに成功。素人は目の前に敵が居るとそれを追い回して指示を聞かなくなると言う不思議の習性があるのだ。結果から言うと有志連合の布陣は良い様に弄ばれその機能を喪失した。
陣形と作戦ぶち壊されたロンメル氏は渦さん探して戦場を駆け回るが、見つからない。
「だってー、怒り心頭のロンメル君絶対ワシ殺しに来るやんけ。だから最初からフィールドに出てませーん」(渦さん談)
最初から渦さんはネストで玄米茶啜りながら戦況見てた。指示は陸海空に出してあるから高みの見物。ロンメル氏は渦さんが作戦指示を出してると勘違いして無駄に戦場を駆け巡る。他人の猜疑心や怒りにつけ込んで、ロンメル氏を死兵に仕立て上げたと言う寸法だ。渦さん倒せたら冷静になっちゃうし。指揮を執らない司令官はただ強いだけのユニットなんで怖くない。
「ロンメル! ロンメル! 下がってくれロンメル!」
「キョウヤ! 指揮は任せた! 私は渦を追う!」
「何処に居るか分からんだろ!」
「彼方の指揮を潰せば有利になる! 何としても探し出す!」
このフィールドには居ないけどな。
【前日夜 VBフォースネスト】
「「「渦さん出ないのぉ!」」」
「ワシの絵図通りになったら、ワシ嬲り殺しだろw」
「ちげぇねえ。カンカンに怒ってトランザムするわこんなん」
「結局今に至るまで彼ら海外の動向見ませんでしたな」
「日曜日中に誘導したのも渦さんの入れ知恵でしょ?」
「時差があるからな。夜じゃアメリカ勢参入出来ん。あと夜にお台場で中高生遊ばせてたらいかんやろ」
「作戦としては、外人部隊に雑魚を引き受けさせて包囲形成を邪魔して、チャンプ他のツヨツヨをビルドダイバーズにやらせて、作戦行動可能な連中を砲撃で潰す、と」
「ランカーはウチでも手に余るし、シバ君支援にぶっこむ程度やでよかんべ」
「作戦らしい作戦練らんだろうしね」
「無策の奴は無策でいい様に扱い、作戦行動出来る奴は無策をサポートする様に動く。ネトゲの大規模作戦の基本な」
「で、ウチのキーマンが桃よ」
「え?」
「ガトりたいんだろ? やらせてやるよ」
「でもガト機、機動性低いっすよ?」
「最初から敵の真ん前に居りゃいいだろ?」
「は? 頭大丈夫渦さん?」
「何のために小芝居したと思ってるんだ? お前ウチの裏切り者役だぞ?」
「え? は? アレってそゆこと?」
「自分の意志で来ました、最前線につきます!とでも言っとけ。最後に赤旗上げたらいい」
「そこでズドンよ。何一つ嘘は言ってない」
「ガト機持ち込んだところでフォースとして活動してるのバレるかもだが……」
「へーきへーき、ウチみたいにランキング低いとこ気にしてるやつぁー居ない」
「更にコンサートマスター使える。命中性マシマシだぜ」
「潰される前にロンメルに“そりゃ読まれるわ。そんな陣"って一言言って、煽り倒すまでが君の仕事です」
桃ちゃん
パチ組みだけど、リク君スペシャル「究極厨二、敵は絶対殺すので可及的速やかに死ね機」画像追加しました。安定性が極めて悪いのでスタンド必須の珍品です。