渦動破壊者 〜アーマードジム〜【とりあえず完】 作:PureFighter00
「渦さん何も悪いことしてないのにまた説教部屋。ほんと鳥さん反省する!」
「こんだけゲーム振り回しといて何その態度!」
「えー、作戦ですよ作戦(棒)」
「ガンダムで80km先から艦砲射撃じみた砲戦やる?!」
「何事にも最初ってのはあるんじゃよ。偶々それがウチだったって話でさ。大体ミノフスキー粒子自体富野監督が砲戦だと話にならないからMS戦やる為に生み出した魔法の粉やんけ」
「そうなの?」
「そうだぞ。そうしないと遠距離射撃でカタが付いてドラマが作れないからそーしたの。だからミノフスキー粒子が無いとこうなるのは当時の富野も理解してる。システムだってそれを別の形で実装するべく『通常は無誘導』にしてるんじゃ。ワシは誘導弾にしたけど」
「ゲームにならないでしょ!」
「だからフォース参戦って言う大規模戦闘以外ではフルアーマージムやアーマードジム出してない。渦さん大人だなぁ」
「うっ……」
「運営に対する最大限の配慮(多用せず露見を避けたとも言う)」
「ううっ……」
「ゲームにならんゆーたら、あの布陣や物量作戦は正に『ゲームにならない』でしょ? ゲームにした渦さんは褒められるべき。讃えよう!」
「じゃあ別の事聞くわ。なんでシャノアール・ネオの絆ガンダムがこんなに強いのよ! まるでイデオンかゼオライマーじゃない!」
「ワシ関係無いよ……マジで鳥さん冷静になる。誰かがラブラブ補正enableにしたんだろ。設定ログ調べなさいや」
「あー、そんなのあったわね、昔」
「あれ設定disableにしてただけで生きてっから」
「カップルじゃない!」
「LGBT配慮で同性とかでも効くようにしたんだろ? 今川監修との相乗効果でシンゴ○ラみたいになるのはワシも分からんかったわ。安易に切らずにちゃんと設定詰めたら良かったのに…… シャノアールだか潰れたの、アンタらがめんどくさがって設定切ったのも一因だと思うで?」
ネトゲの仕様変更はほんと揉め事の宝庫だね。
「……アメリカGMがフェスだって全部補正onにしたみたい……」
「ほーれー、ワシ関係無いじゃん!」
「……人生、上手く行かないわね(ふっ)」
「……そこなんだけどさぁ。今回含めてGBNはプレイヤーに過干渉し過ぎだよ。もうちょっと引いてプレイヤーに選択権渡しなさいな」
「ゲーム運営がゲームコントロールしないでどうすんのよ!」
「今回、プレイヤーがどうであれサラちゃん消す気だったべ。あんなにみんな煽りおって。運営権限でコイツが悪い指定とか酷すぎっぞ。ワシがゲームになる様策回らさなきゃ一方的に終わってたわ。なんでゲーム運営がゲームを自らクソゲーにするんだよ?」
「私たちのゲームよ!」
「ちゃうわアホ! ゲームはプレイヤーのもんだ! プレイヤー達のゲームを楽しくするのが運営の仕事! 勘違いすな! プレイヤーはお前らの下僕ちゃうぞ!」
「グっ……」
「大体だな、サラちゃん消すとするだろ……システム的にサラちゃんのアイデンティティはバラけるが、再度システムに吸われて「また別のキャラ」として出て来るだけだぞ?」
「え?」
「データ確認したが、キャラデータがバグっとる。複数人格で無理矢理データ欠損補ってキャラに仕立ててるのが現況だ。シバが分析した……リク君たちがやろうとしてるのはサラちゃん人格の再構築。足りない要素をどう補うかが問題点で、ワシにちょいとした秘策がある」
「……何するのよ? 厄介は御免よ」
「悪い知らせと良い知らせがある。悪い方から行くから対ショック姿勢を取れ……エルダイバー2体目が見つかった」
「もう……もう嫌……(涙)」
「まだまだ行くぞ。サラちゃんサルベージ計画実施して彼女の中にある他の人格をリリースすると、またエルダイバーが増える。つーか、エルダイバーは今後増え続ける」
「これ、続くの? 一回じゃ済まないの?」
「因子は消せないからな。消しても消しても別の人格として再度混ざり合い、何度も出てくる。何度も繰り返すと『そちらに都合の悪い組み合わせ』が出るかもしらん」
「都合が悪い……?」
「前のシバみたいに何か逆恨みした勘違い君出て来るかもな。エルダイバーも人間と大して変わらんから。
だから、安定した無害な人格引いた時点で人格クレンジングして「外に出す」方がマシだぞ。サラちゃんサルベージ計画は最終的にエルダイバーを外に排出する計画の雛形になる」
「成功率低いんでしょ」
「上げりゃ良かろ。成功率低いのは自己を規定する情報の欠如によるものだが、それはGBN内での経験で足せるんだ。サラのデータが肥大したのはビルドダイバーズとの交流の結果。エルダイバーはGBN内で遊び続けると後天的に自己規定出来るだけのデータを獲得して、最終的には完全な個になる。それを定期的に外部……つまり現実だ。現実の中に排出する事でバグは収束するぞ」
「何で教えてくれなかったのよ!」
「電話にも出ずサラちゃん排除にかまけてたのは誰さ!」
「本当に、出来るのね?」
「失敗や悲しい事もあるかも知らんが、やらなきゃずっとバグ対応だ。開発チームはそれをお望みか?」
渦さんがコンソール弄って0xAE13にアクセス。タイラント・ソードをCGデータとして呼び出す。
「次に嬉しいお知らせ行くぞ。愉快な気分になるがいい」
鳥さんに藁半紙を束ねた様な冊子を手渡す。ビルドファイターズ時空旅の栞と記載されている。
「何これ?」
「熟読しとけ、紀伊を探すのに必要になる」
「……えっ?!」
「……GBNは官民合同プロジェクトに参画してブラック業態が許されなくなる。お役所が絡むプロジェクトが労基ぶっちぎりでは話にならんからな。お宅の会社の上層部が慌てて確認した所、トーリにはリフレッシュ休暇の名目で過去のサビ残その他を精算する指示が出るらしい。今後有休消化率すごーく重要になるから覚悟せぇ」
「人が足りなくて回らないわ!」
「東大、筑波、電大辺りから人員来るし、政府から研究予算が出る。抜かりは無い」
コツコツとネオファリアの倉庫の床を鳴らしながら渦さんが話を続ける。
「その特別有休期間中にトーリには紀伊を探して貰う。大方予想付いてるんだが、君らが結婚できなかった問題はワシが話付けといた。エルダイバー関連法案成立したら紀伊にはそれに乗っかってこの世界での戸籍その他が与えられる」
「……どういう事、何で戸籍が……」
「紀伊は、並列世界から来た迷い人だ。ワシ同様この世界には戸籍や住民票が無い人間なんだ。だから結婚なんて出来るわけが無い。問題がバレちまうからな。多分紀伊はワシと同じ並列世界にいると思う。詳しくは旅の栞を読め」
くるっとターンして鳥さんに向き直る。
「開発陣に経験者枠で再雇用。やった、仕事が楽になるね! 気合い入れてスカウトして来い!」
口には出さないが、サラちゃんへの苛烈な待遇はトーリの妬みがあると渦さんは睨んでいる。あんだけラブラブ見せられたらそらまぁ嫉妬もするかもなと。その一点をクリア出来れば『突き崩せる』
「でよ、皆の明るい未来の第一歩の為に、こいつ貸してくれ。タイラント・ソードを」
「必要なの……必要なのね……」
「……ああ、コイツでサラちゃん完成させたらぁ!」
その頃シバはコーイチにーさんと背中合わせでイチャつくなどしていた。