名前:八重崎 義人 (やえざき よしと)
愛称:ヨッシー
年齢:40歳
身長:176cm
体重:80㎏
好きな物:面白い事
嫌いな物:何が嫌いかじゃなくて何が好きかで自分を語ろうぜ by義人
榛名「ヤバい!遅刻遅刻遅刻ーーー!!」
榛名達は大慌てでジェラールの家に向かっていた。
船の出航時刻が迫っている。
直ぐに向かわなければ間に合わない。
男子A「こ、こんなの聞いてねぇ…!」
男子B「ガタガタ抜かすな!走れ!」
女子B「もー!パフェだけじゃ割に合わない〜!」
女子A「フレー、フレー、み・ん・な♪」
3人「 」
4人で子どもを1人ずつおぶりながら走る(1名、応援に徹している者がいる)。
完全に時間を忘れてしまっていた。
万事休すかと思ったその時…
「何やってんだ?お前ら?」
通りすがりの軽トラックの運転手に声をかけられる。
榛名「あなたは…!」
長門「ヨッシーだ!」
義人「おう、長門!それに大和もいるじゃねぇか。
で、こりゃ何だ?何のお祭りだ?」
どこからどう見ても異様な光景に困惑している。
榛名が簡潔に状況を説明する。
義人も、偶然晴翔から少し話を聞いていた為、直感で状況を理解した。
義人「成程。
要するに、サッカーにうつつを抜かしていたらジェラール君が乗る予定の船の時間に間に合わなくなっちまいそうになったのか…。
アホだな、ガハハハハッ!」
…返す言葉もない
義人「で、船はいつ出るんだよ?」
榛名「今から20分後です。」
義人「ほーん。ここからだと…大体25分てとこかなぁ。
最短でも。」
港は島の反対側だ。
山を迂回していく必要があるから、どうしても時間がかかる
義人は荷台を指さし、告げる。
義人「…乗りな」
榛名「え?」
義人「15…いや、10分だ。10分で送り届けてやる。」
榛名「え?」
義人「早くしろ、間に合わなくなるぞ」
榛名「でも、晴翔さん達が…」
「安心しなさい。たった今、荷物を積んで港に向かうように連絡しておいたわ。勿論、二人でね。」
と、義人の奥さんである晶子(あきこ)さんがケータイを見せる。
義人「よっしゃ行くぞ‼︎振り落とされんなよ!
特に大和!!!」
榛名、武蔵、長門、大和、ジェラールが荷台に乗り、サッカー部員達にお礼と別れを告げて発進する。
なお、お代はチョコレートパフェからロールケーキに昇格していた。
勿論、1人一本ずつ。
〜7分後〜
榛名「嘘でしょ、10分どころか7分で着いちゃった…」
義人の軽トラは森を抜け、崖を下り、川を渡って、時々宙に浮きながら港までの道をショートカットしまくった。
本来、迂回するはずだった山を突っ切ったのだ、正気の沙汰じゃない。
義人さん曰く、「進めばそこが道となる」そうだ。
義人「よっしゃぁぁぁああ!新・記・録!!!」
晶子「凄いわ!「雲雀山横断RTA」更新ね!」
義人「惚れ直しちゃったかぁ〜?ガッハハハハ‼︎」
凄い夫婦だなぁ〜と、榛名は思った。
直後、晴翔の車も到着し、
義人「俺の勝ちだな!」
晴翔「何の勝負だ!?」
と、謎に意地の張り合いを始めた。
ともあれ、お陰で時間に余裕ができた。
子ども達は最後の時間を噛み締めていた。
武蔵「…ホントに行っちゃうんだな、ジェラール」
ジェラール「うん。ごめん、武蔵、長門、大和…。もう一緒にサッカーできない。」
武蔵「しょうがないよ。それに、きっとまた会えるよ。約束しただろ、ジジイになるまでサッカー続けるって…。」
長門「なんなら、毎年お金貯めて会いに行くよ。えっと…「ふあんす」だっけ?長門知ってるよ。こんっな長いパンの所。昨日テレビで見たもん。テレビの人は飛行機でひとっ飛びで行ってたよ。」
大和「「ぐあんす」に行っでも、元気でねッ…。おでがみ、毎日がぐがらッ!」
武蔵「泣くなよぉ、最後は笑って「さよなら」って言うって…やく、そ…くじただろ」
大和につられて武蔵が、3人につられて長門までもが泣きわめいてしまう。
ギャン泣き状態の子供たちを、榛名は優しく抱き寄せる。
「ほらほら、みんな落ち着きなさい。
特に、武蔵と大和は男の子なんだから、泣いてばかりじゃ強くなれないぞ~。」
武蔵「泣いてないもん!汗だもん!…姉ちゃんは寂しくないの?」
榛名「ううん。すっごく寂しい。でもね、それ以上に信じているわ。「きっとまた会える」ってね。
みんな、こんなにも仲良しなんだからまた一緒にサッカーできるよ!
だから、今は少しだけ我慢しよ?」
ジェラールが3人に向って小指を突き出す
「指切り、しよ。約束、「またみんなでサッカーしよう」」
「「「…うん!」」」
子ども達のやりとりをクリストフと晴翔は離れた所から眺めていた。
晴翔「大和のやつ、まだ泣いてやがる…」
クリストフ「hahaha!優しクテ、イイ子ですヨネ!
ワタシ、けっこうオキニイリデス!」
晴翔「……優しい、か。
まぁな、それもあるんだろうが…。
あいつの場合、人事とは思えねぇんだろうな。」
クリストフ「ドウイウコトデスカ?」
晴翔「今ここにいる連中の中で、ジェラールの気持ちを本当にわかってやれてるのは、大和と…それから長門だけだってことだ。」
クリストフ「……」
晴翔「俺は、アイツらとは本当の兄弟じゃない。
まぁ…、血の繋がりならあるけどな。
アイツらは、あそこにいる俺の親父の弟の子…つまり、従兄弟ってやつなんだよ。
アイツらは、幼くして本当の両親を失っている。
それを親父が引き取ったんだ。」
クリストフ「ソンナコトガ…」
晴翔「…余計なこと言っちまったかな?
まぁ…、せめてジェラールにはアイツらと同じ目にあって欲しくない。
これ以上、胸糞悪りぃモノは見たくねぇ。
だから…」
クリストフ「…セキニンジュウダイ、デスネ」
晴翔「そういうことだ。
達者でな、クリストフ。」
クリストフ「ええ、ハルトも、オゲンキで」
握手を交わし、別れを告げる。
黄昏の空、紅い水平線に向かって、子ども達は陽が沈むまで手を振り続けていた。
榛名「…行っちゃいましたね。」
晴翔「そうだな、寂しくなるか?」
榛名「…私、ジェラール君にちゃんとサッカーの面白さを伝えてあげられたのかな?」
晴翔「さあな。ま、少しはマシな別れ方は出来たんじゃねぇの?
ありゃあ、火の着いた目だった。」
榛名「そうだといいな」
そっと、晴翔が榛名の頭に手を置く。
晴翔の手は、大きかった。
そして、とても力強かった。
いや、力強いというか、変に力が篭っていた。
晴翔「ンなことよりテメェ…、頭じゃなく脊髄で動いてやがるな?
もっと後先考えて動きやがれ…!」
船の時間に遅れそうになった罰として、晴翔は榛名の頭を鷲掴みにして持ち上げる。
榛名「ご…べんな、ざ…ぃ…」
榛名が断末魔の様な声をあげ、「姉ちゃんを虐めんなーーー!」と武蔵が晴翔の脛を蹴る。
晴翔は、「やるなぁ、今のは痛かったぞ」と武蔵を讃えつつ、その眉間にデコピンを食らわすのだった。
ようやく、プロローグのあのシーンにたどり着きました。
読み進めて下さっている方がいるのでしたら、お気づきかも知れませんが、実は当初の予定とは展開を少し変えました。悪い方向に
もう一悶着くらいして、過去編は終了です。(おそらく)
それではまた、次のお話で