名前:獅子王榛名 (ししおう はるな)
愛称:ハル、榛姉、榛姐
年齢:13歳
身長:152cm
体重:綿のように軽いらしい
好きな物:サッカー、武蔵(弟)
嫌いな物:芋虫
第1話 舞姫
「ここでホイッスル!
フットボールフロンティア決勝に王手をかけたのは村上中!!」
歓声が上がる。
中学サッカー日本一を決める大舞台、「フットボールフロンティア」
全国から選りすぐり強豪が集い、競い、数多のドラマを生み出してきた、全てのサッカーファンの夢の舞台。
例年、大きな盛り上がりを見せるフットボールフロンティアだが、その日は特に異常だった。
今しがた決勝にコマを進めた「村上中学」は今年初参加のチームであり、完全に無名校だった。それがサッカーの名門、木戸原清修を破り、絶対王者たる帝国学園の喉笛に喰らいつこうとしている。
特に異様なのが、チームのキャプテン兼、エースストライカーの選手。
姓は「獅子王(ししおう)」、名は「榛名(はるな)」。
村上中学が得点した4点中3点は彼女のシュートによるものだ。
正にダークホース。
その試合を見た誰もが、帝国との激戦を夢想する。
その中には、地方から来た大物が、王者を下す様を期待する者も少なくはない。
彼女の活躍は新聞や雑誌の一面を飾り、帝国の連勝記録を破るのではと期待が込められていた。
そして当然ながら、それは本人たちの耳にも届いていた。
「「帝国の反逆者、舞姫降臨」、「瀬戸内海の「灰被り姫」、王者へ刃を突き立てる」、「出来レースとは言わせない!舞姫、決勝へ殴り込み!!」…だそうだ。人気者だな、榛名」
少年は新聞記事やスポーツ雑誌、ネットニュースなどに並べられた煽り文句を丁寧に音読しながら、話題の舞姫に微笑みかける。
少年の名は「伊吹(いぶき)政道(まさみち)」。舞姫こと、榛名のチームメイトで幼馴染だ。
「…恥ずかしいから止めてよ。大体何?「舞姫」って。一度も名乗った覚えがないんだけど。
それに灰被り姫が王様に刃物突き立ててどうすんの?それシンデレラじゃなくない?秦の荊軻じゃない?」
あきれ顔で榛名がボヤく。
「荊軻は男だぞ?」
「知ってる。」
「ちなみに、始皇帝暗殺には失敗しているな。」
「それも知ってる。ん?…もしかして、今私墓穴掘った?」
「墓穴は知らんが、フラグは建ったかもな。」
「あちゃ~、口は禍の元ってやつね」
「その割には余裕だな。」
ふっと不敵な笑みを浮かべ、榛名は答える。
「まーね。だってほら、フラグが何本あろうが回収しなきゃいい話……、ってもうこんな時間!?ヤバいヤバいヤバい!!」
「…そう言えば、今日は両親が遅くなるんだったか。」
「そ!だから武蔵を迎えに行かなきゃっ…
先に上がるから鍵閉めておいて!」
言い終わる前に部室を飛び出す榛名。
「方向逆だぞ!!」
出来る限りの精一杯の大声で呼びかける政道。
少しして「ドッドッドッドッ」と、競走馬のような足音を立てて何者かが部室前を通過する音が聞こえた。
「ありゃ「姫」って感じじゃないな、怪獣だ。」
部室に残っていたチームメイトの一人が呟き、その場にいた全員が「うんうん」と首を縦に振っていた。
榛名は先日、自転車を海に沈めて以降は徒歩で通っている。
「…流石に間に合わんだろうな。」
送ってやるか、と政道も部室を後にした。
以上、記念すべき「イナズマイレブン ノヴァ」第一話です。
主人公こと武蔵君が大活躍かと思いきや一切登場せず、その代わりにお姉ちゃんに当たる榛名ちゃん中心のお話でした。
色々考えた結果、時系列順の方が楽だったのでここ数話の間は過去偏です。
(そのせいでまた登場人物が増えてしましました。)
武蔵君がどのようにして曇っていったのかを出来るだけじっくり丁寧に書いていく予定です。
「序章 黄金の日々」とありますが、この章は「舞姫」さんこと、榛名を軸として、主要人物たちのほのぼのとした日常を主に描いていきます。すっ飛ばして1章からでも多分問題ありませんが、それぞれのキャラクター達の過去に触れているので、一応物語的にはそれなりの意味を持っています。
それではまた、次のお話で