第20話 7年後
実況「さぁ!いよいよこの時がやってまいりました!!
全国少年サッカー選手権大会U12決勝戦!!
日本最強の栄冠はどちらの手に?
勝利の女神の祝福はどちらのもとに?
いずれにしても、素晴らしい試合となることでしょう!!」
スタジアムに歓声が轟く。
その日は少年サッカーの日本一を決める公式大会の決勝戦だった。
例年、サッカーに対する強い情熱と、高い実力を秘めた金の卵達が集い、競い、そして高めあう。
実況「しかし何と言っても…今試合の主役はおそらく「彼」でしょう…!どう思われますか?影山さん…!」
影山「…ええ。非常に「良い」選手だと思いますよ。瞬発力、判断力、得点力共に国内最高レベルだ。
それもそのはず…聞くところによると、あの子はあの「舞姫」の弟らしい。この試合、見逃せませんな。」
実況「…!「舞姫」…。まさか、あの「舞姫」ですか…?」
影山「おや?ご存じない?」
スタジアムに動揺が走る。
日本を、世界を震撼させた「雲雀大爆発」の際、亡くなってしまった少女。
かつて、フットボールフロンティア決勝戦へコマを進めながらも、怪我により試合を棄権…。そしてその年の秋に災害に巻き込まれ、命を落とした悲劇のストライカー。
「試合にさえ出ていればきっと帝国を破っていた。」という者も少なくはなく、一部では「無冠の女王」とも呼ばれていた。
7年も経った今でも、彼女は人々の記憶に刻まれている。
武蔵「余計なことしやがって、あのグラサンオヤジ…」
武蔵は11歳になっていた。
雲雀島から引越し、神戸のとあるサッカーチームに所属していた彼は、姉のことを隠していた。
チームメイト1「なぁ、「舞姫」って誰の事だよ?」
チームメイト2「え?いや…知らない…」
武蔵(…まぁコイツら馬鹿はどうでもいい。問題は…)
ドッと観客席から歓声を上がる。
武蔵(ああいう、7年も前の事をまだ覚えている大人達と…)
相手チームの選手の1人が、武蔵に歩み寄り握手を求めてくる。おそらくキャプテンだろう。
敵チームキャプテン「…お前、あの榛名さんの弟だったのか!?
いい試合をしよう!よろしく!!」
武蔵(…こういう、サッカー馬鹿だ)
敵チームキャプテン「凄いぞ、みんな!!
俺たちは運がいい!
あんな凄いやつと戦えるんだ!
胸を借りる気持ちで頑張ろう!!」
何やら、敵のチームは盛り上がっている。
彼らは「こっち」の連中よりサッカーに対する熱が強い。
7年前にちょっと活躍した程度の選手を知っている。
よほど研究しているのだろう。
武蔵「…止めてくれよ、そういうの」
武蔵は、小さくため息をついた。
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いよいよ試合が始まる。
姉と同じく、フォワードを務める武蔵のキックオフで試合開始だ。
武蔵(確か、アイツらのウリは得点力。あまり調子に乗らせると厄介かもな。
…既にテンションブチ上がりだけど。
なら、ちょっとビビらせてやるか。)
武蔵「…"若雷(わかいかずち)"」
試合開始のホイッスルと同時に、武蔵は必殺技を相手ゴールに向けて叩き込む。
ただ、ひたすら速攻性に特化した一撃。
シュートの威力そのものは通常のシュートと殆ど変わらない。
全国レベルのキーパーであれば、容易に受け止められる鋭いだけの一差しだ。
しかしそれは、
武蔵「先ずは、一つ」
反応出来れば、の話である。
ようやく、武蔵君主体の物語が始まります。
さっそく登場しました「若雷」とは、彼の必殺シュートの一つです。要するに、「威力は大した事ないけどすっごく速いシュート」です。
名前は八雷神からとりました。
武蔵君は雷属性キャラとして作っています。良いですよね、雷属性。
イナズマイレブンって名前の割に雷系の技を多用するキャラっていなかったような…?違ってたらすみません。
ちなみに、ここからが本編なので序章は読んでも読まなくてもどっちでもいいかもしれません。
って序章の1話かプロローグにも追加で書いときます。
それではまた、次のお話で