えんだーりりーず! ~リリィの秘密の日記帳~   作:ひょうたんふくろう

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2日目 仲良し

 

 もう! 黒騎士ったらひどいんだから!

 

 せっかくリリィがみんなを驚かそうとしていたのに、今日起きたら、みんなの前でしれっとリリィの日記を手渡してくるんだもの! リリィのそーだいなる野望がたった一日でダメになっちゃった! しかも、みんなに日記が書いていることがバレちゃったし!

 

 おまけに! 勝手にリリィの日記を読んで、勝手にチェックまでつけてるの! しかもすっごくたくさん! スペルミスだけって書いているのに、文字のバランスが悪いとか、空白を作り過ぎだとか、改行の位置が悪いとか……ホントにたくさん! リリィの書いた文字よりも、黒騎士のコメントの方が多いんだもの!

 

 だから今日は、リリィは反抗期になったの。黒騎士は呼ばずにシルヴァやゲル爺にいっぱい頼った。とーへんぼくでデリカシーのない黒騎士がいけないんだもん。リリィは悪くないもん。

 

 ……えっと、気を取り直して。

 

 今日はあちこち回って、お守りのかけらをいっぱい集めました。うっかりゲル爺が踏んで壊しそうになって慌てていたのと、あとシルヴァがハンマーをぶんぶん振り回すのがとってもカッコ良かったです。

 

 そうそう、シルヴァと言えば、シーグリッドとシルヴァはあんまり仲が良くないみたい。ううん、シルヴァはシーグリッドのことが大好きなんだけど、シーグリッドはちょっとそっけないというか、冷たい感じがするの。

 

 どうしてだろうねってイレイェンに聞いたら、『大人にはいろいろあるんだよ』って教えてくれた。もっとたくさんぎゅーっ! ってしたり、一緒にベッドで寝たりしたら仲良しさんになれるのかなあって聞いたら、『だからあのザマなんだよね』ってイレイェンは言ってた。

 

 リリィも大人になったらわかるのかなあ。シーグリッドとシルヴァは姉妹のはずなんだけど。シルヴァは暇さえあればシーグリッドに抱き着こうとしたり、何度もほおずりしようとするくらいシーグリッドのことが大好きなのに。なんでシーグリッドはシルヴァのことが大好きじゃないんだろ?

 

 今度、シーグリッドにはおねえちゃんと仲良くしなきゃダメだよって教えてあげよっと!

 

 うん、たくさん書いた! リリィ、頑張った! 今日はこの辺で、おしまい!

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 リリィへ。

 

 すまない。ほんの出来心というか、良かれと思ってやったんだ。言い訳のようだが、お前のその意思を応援してやるくらいしか、私にはしてやれることがないから。

 

 あと、お前に唐変木やデリカシーと言った言葉を教えたのはシーグリッドだな? そうだろう? 今日、休憩の時に何やら二人で話しているのを私は見たぞ。

 

 もう一つ付け加えるならば、デリカシー云々についてはシーグリッドには言われたくない。あいつは毎夜毎夜、お前の寝顔をだいぶヤバい顔でハァハァしながら見つめている。正直同性でなければ許されざる行いだし、何度あいつをこの剣で切ってやろうと葛藤したことか。

 

 すまない、上の文章は気にしないように。ただ、「唐変木」も「デリカシー」も、お前が覚えるにはまだ少々早いから今すぐ忘れなさい。わかったな?

 

 最後に。

 

 首なしの騎士の鎧の中に日記を隠さない……という約束を守ってくれたことは嬉しいし、褒めてあげたいが、しかしだからといって、ミーリエルのおなかの穴に日記を突っ込むのもどうかと思うんだ。

 

 

 

 ──うふふ、バレちゃいましたね。私は別にあれでもよかったんですけど。




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