「バブみ」が強いボクっ娘ギャルが、俺の恋路を邪魔してくる件について 作:けるたん
溺れている女の子を助けた見返りに、早めのゴールデンウィークとして停学を喰らい3日経った木曜日の放課後。
無事3日間のお勤めを終えた俺は、停学処分の罰掃除として、だだっ広い体育館を1人寂しく掃除していた。
「ハァ……やっちまったよなぁ」
口からベルリンの風のごとく重い吐息が床に転がっていく。
思い出されるのは今日の羊飼さんの態度だ。
あの我が家での『ロイヤルミルクティー事件』のせいで今日1日、羊飼さんに避けられている気がしてならない。
「なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ?」
全部妖怪のせいなの?
どぉわっはっはーっ! よ~お~か~いのせいなのね♪ 間違いない、全部妖怪が悪い。
「さてっと、床掃除完了。あとは更衣室だけだな」
俺はモップ片手に体育館と隣接している女子更衣室へと突貫する。
多くの男どもは例え掃除だとしても、女子更衣室に足を踏み入れることに興奮するのだろうが、この俺シロウ・オオカミは違う。
正直、女子が行為――違う、更衣していないこの部屋には何の価値も感じない。
俺は本物を知る男なのだ。
「さっさと終わらせて帰るか……うん?」
俺が女子更衣室に足を踏み入れた瞬間、視界の隅でソレを捉えた。
「なんだコレ? ハンカチか?」
更衣室の入口、そこの床に布っぽい『何か』が落ちていたのだ。
ソレは青と白の素敵な縦縞(たてじま)ストライプ模様で、童貞の心をピンポイントで狙撃してくるシロモノであった。
俺はやれやれ、と肩を竦めながら床に落ちていた布きれを拾い上げ、
「まったく……どこの美少女(パンスト着用)の落としたハンカチだぁ?」
ピラッ、とその布きれを両手で広げ――俺は全てを察した。
それは断じてハンカチなどではなかった。
ソレはハンカチというには、やけに肌触りが良く、神々しさすらすら感じる魅惑の三角形からなる1枚の
俺はコレを知っている。
女の子の魅力を底上げする
そう、君の名は――
「お、女の子のパンティー……だと!?」
あぁもう自分の目を疑ったね!
こんな所に女性用下着なんか落ちているワケがない、目の錯覚だ! と何度も自分に言い聞かせようとしたさ!
でもところがどっこい、どう見てもパンティーである。
蒼と白の大胆なツートンカラーのパンティーである。
『一体どうすればパンティーを更衣室に忘れることが出来るのだろうか?』とか『ヘンゼルとグレーテルの変態バージョンだろうか?』とか『ということは、この持ち主は今……ノーパンか!? 下半身暴れん坊将軍なのだろうか!?』とか、そんなことはもうどうでもいい!
気がつくと俺は、素早く更衣室の扉を閉め、誰も入ってこれないように、しっかりと内鍵を回していた。
そのまま流れるように誰も居ないことを確認するべく、キョロキョロと辺りを見渡す。
「……よし、誰も居ないな」
いや『……よし』じゃねぇよ俺!?
誰も居ない女子更衣室の一角で、絶妙な角度でパンティーを摘み上げながら、鼻息を荒くするピチピチの16歳の少年。
……うん、間違いなく事案発生案件である。
俺なら迷わず通報している。
「ちょっ、待って待ってっ!? タイム、1回タァァァァァイムッ!」
誰に聞かせるでもなく、作戦タイムを要求する。
と、とりあえず状況を整理しよう。
女子更衣室の掃除をしようとしたら、入り口にパンツが落ちていた。
なに言ってんのか分からないと思うが、俺もナニ言ってんのわかんねぇっ!
「なんだこの思春期の男の子にとっての夢・シチュエーションは!?」
決して楽しいときを
「クソッたれめ!? こんなのどうしろっていうんだ!?」
吐き捨てるようにそう呟いた途端、俺の中で悪魔と天使が猛烈な勢いで戦いはじめた。
悪魔が言う。
――誰も居ないんだ、
天使が言う。
――異議ナシ。
「シロウ、イッきまーす!」
俺は王に忠誠を誓う騎士のようにゆっくりと片膝をついて息を吐き捨てる。
そのまま天高く掲げていた布面積の少ないパンティーに向かって……躊躇うことなく鼻先を埋めた。
――瞬間、俺の中で桃色の爆弾が爆発した。
「ふわぁぁぁぁぁっ!? な、なんだこの圧倒的なまでのフローラルな香りはぁぁぁっ!?」
意外としっかりした縦縞ストライプのパンティーから漂うのは……幸せの香り。
しかもやたら押しつけがましいトイレの芳香剤とは一線を
刹那、ロッカーの方からガタガタガタッ!? と何かが震える音がした気がしたが、そんなモノなぞ花畑を抜けてきた春の午後の風のような優しいフローラルな匂いが洗い流してくれた。
「フンフンッ! ふわぁぁぁぁぁぁぁ~っ!? この暴力的なまでのフローラルな香り……チクショウ! 一体どんな洗剤を使えばこんな天使のような香りに仕上がるっていうんだ!?」
アタ●クか!? ボ●ルドか!? それともビ●ズか!? ……ハッ!? さては意表を突いてのアリエ●ルだな!?
「クソっ! 分からない、一体どんな洗剤を使って――ハッ!? そう言えば風の噂で聞いたことがあるぞ……。確か美少女の股ぐらから
間違いない、そうに違いない!
俺はまるで歴史的発見をした科学者のように1人満足感に浸り――いやまだだ!
まだ満足するには早いぞ俺!
「あぁ、ここで満足するのは二流のすることだよな……へへ」
俺は一旦パンティーから顔を離し、両手を使ってソレを広げてみせた。
そのまま王位を継承する若き王子のように、神妙な
ゆっくりと青と白のストライプ模様の
『俺は人間を辞めるぞジ●ジョぉぉぉぉぉぉっ!?』と往年のDI●様を彷彿とさせる勢いでパンティーを顔から被る。
しかも頭部装着型ではなく、鼻と口を
俺を襲う興奮と高揚感はもはや
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!? の、登った、登ったぞ!? 今、明らかに俺は何かしらの階段を登ったぞぉぉぉぉぉっ!?」
もしかしたらコレが大人の階段なのかもしれない。
なるほど、世の男たちはこうやって大人の階段を上っているワケか。
すごい、大人は凄いぞ!
これからは道行く大人の男性を見かけたら全員問答無用で変態だと思うようにしよう。
「ラジオ体操第一ぃぃぃぃぃっ! 深☆呼吸ぅぅぅぅぅっ!」
――シュゴォォォォォォォォォォォッ!
まるで吸引力の変わらないただ1つの掃除機のように、パンティー越しから女子更衣室の新鮮な空気をこれでもかと肺へに送り込む。
瞬間、頭のテッペンからつま先までフローラルな香りが蹂躙する。
それはもはや麻薬と言っても過言ではないレベルの陶酔感(とうすいかん)だった。
まったく、世のシ●ブ中どもに言ってやりたいね!
そんなに幸せの気分を味わいたいなら、シャ●ではなくパンティーを吸え! ってね!
「す、すごいっ! 世界が輝いて見える! 聞こえるか世界よ、これが――」
大神士狼だ! と続くハズだった俺の言葉は。
――バンッ!
と、突如開け広げられたロッカーの騒音により、あっさりと掻き消されてしまった。
瞬間、俺は弾かれたようにパンティーを被ったままロッカー方へと視線をよこす。
「ナニ奴!?」
「――動かないでください」
「あばばばばばばばばっ!?」
開け広げられたロッカー……そこから現れたのは透き通るのように真っ白な肌をした妖精たちだった。
ピンク色のスマホを片手にニッコリと微笑む黒髪美少女と大胆に制服を着崩した白ギャル。
俺は彼女たちを知っている。
我が森実高校が誇る美少女たちにして、つい先日、不幸な事故により我が家でホニャララパ~なアレを目撃してしまったガールズ。
そう、彼女たちの名は――
「あ、あばっ!? あばばばばばばばばっっっ!?!?」
大人のオモチャよろしくぷるぷる震えている古羊洋子と。
「おっと、動かないでくださいよ大神くん? 下手に動けばわたしの手で、大神くんが放課後、女子更衣室で古羊洋子の下着を被って匂いを
天使のような微笑みを浮かべた羊飼芽衣が立っていた。
とんでもねぇ犯罪者を見る目で立っていた。