ベル・クラネルの治癒魔法の使い方は間違っているだろうか?   作:救命団副団長

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ファミリアを探すのは間違っているだろうか?

「お前みたいなヒョロっちいガキを雇えって? 冗談じゃねえ!」

 

 イラッ☆

 

「金を持ってきたら考えてやるよ。ガハハ!」

 

 イライラッ☆

 

「そうねえ、弱そうだけどペットとしてなら飼ってあげてもいいわよぉ?」

 

 イライライラッ☆

 

「ここを何処だと思っていやがる! 【ロキ・ファミリア】、都市最強の一角だ! お前のような奴が後輩になるなど、冗談ではない。帰れ帰れ!」

 

 ブチッ☆

 ドゴォン!

 

「うおおお!? なんや、カチコミかあ!? 新入りが壁にめり込んどるやん、何処のどいつやゴラァ!」

 

 なかなか受け入れてくれるファミリアが見つからない。これでも鍛えているのだが、着痩せするタイプだからなめられているのだろうか?

 しかし冒険者として行動するにはファミリアに所属しないと駄目だとギルドの綺麗な人に言われた。やはり【ガネーシャ・ファミリア】に所属するしかないのだろうか? でもコネで所属したとローズに知られたら……世界を超えて折檻されかねない。と………

 

「うわああん!」

 

 不意に響く鳴き声。振り返ると膝を擦りむいてなく子供の姿。転んでしまったのだろう。

 

「大丈夫? ほら、泣かないで」

 

 ベルが片手を向け、緑に輝く治癒魔法特有の魔力光を当てると傷はあっという間に治る。驚いて目を見開く少女は痛みを確認するように足を動かし立ち上がる。

 

「ありがとう、お兄ちゃん!」

「うん、気をつけてね」

 

 頭を撫で優しく微笑むベル。ポッと顔を赤くする少女。立派な初恋キラーだ。

 

「もし……」

「?」

 

 と、不意に話しかけられて振り返る。

 

「わぁ……」

「…………?」

 

 美しい少女が居た。思わず息を呑むほど美しい。

 ウェーブのかかった銀糸のような白銀の髪。大きめの瞳にかかった長い睫毛。150セルチに届かない小柄な体躯は精緻な顔立ちも合わさり人形のような印象を受ける。

 

「何か……?」

「あ、す、すいません! その、綺麗な人だなって………」

 

 照れながら言われた言葉は、口説いているのではなく本心なのだろう。その容姿故に何度も口説かれたことのある少女も、思わず赤くなる。

 

「そ、それより………先程少女の傷を癒やしていたようですが」

「あ、はい。僕の魔法です…」

「やはり、そうですか。オラリオの治癒師(ヒーラー)は全員覚えたつもりでしたが、貴方は外から来たのですか?」

「はい! 所属するファミリアを探していて!」

改宗(コンバージョン)ですか」

「あ、いえ………」

 

 違います、と言いかけ城門で知り合ったシャクティ・ヴァルマという女性の忠告を思い出す。

 

『確かに、神の恩恵がない………神々の言う未知というやつか。面倒な……いいかベル・クラネル。それが知られた場合、面倒なことにしかならない。それはお前が所属するファミリアの主神にのみ話を通せ』

 

 更にその妹のアーディ・ヴァルマも……

 

『私達3人だけの秘密だよ、ね?』

 

 と言っていた。

 

「は、はい! そうです新しい神様に恩恵を授かりに来ました!」

「? そうですか。でしたら、どうでしょう。我々のファミリアに入りませんか?」

「良いんですか!? でも、何で……」

「我々は治療と製薬を活動内容としているファミリアなのです。しかし、治癒魔法に目覚めるものは全体的にみても少数。はじめから治癒魔法を持つあなたには、むしろこちらからお願いしたいぐらいです」

 

 どうでしょうか、と手を差し伸べてくる少女に、ベルは考える。

 

「………それって、ダンジョン(へモンスターを倒すため)に潜っても良いんですか?」

「ダンジョンに、ですか? まあ(ダンジョンでしか取れない素材もありますし)構いません。ですが、外で恩恵を得ていたとは言え一人では危険です。繋がりのあるギルドから護衛を雇って………」

「あ、大丈夫です。僕、これでも鍛えてますから!」

 

 ベルが服の下から力こぶを作ってみせるが細マッチョなため良く解らない。むしろ年齢と可愛らしいとも言える容姿と相まって、大変愛らしい。思わずクスリと微笑む少女。

 

「ですが駄目です。良いですか、外のモンスターよりダンジョンのモンスターの方が遥かに強いんです。外から来た人が、モンスターと戦ったことがあるとダンジョンに挑み命を落とす事件は毎年あります」

「う……わ、解りました。アーディさん達に頼んでみます」

「アーディ? アーディ・ヴァルマですか? 知り合いなのですね」

「はい! えっと………」

 

 モンスターを連れ歩く事を忌避する者も多いと聞かされたベルは言い淀むが、しかし改めて考えれば自分とフェルの友情を誰かにとやかく言われる謂れはない。

 

「実は僕、モンスターをテイム? してまして。その子に乗って来たら衛兵の皆さんを驚かせちゃってアーディさんが取り持ってくれたんです」

「モンスターを……? 調教師(テイマー)の資質も………なら………」

 

 と、何やら考え込む少女は、しかし首を降る。

 

「いえ、何でもありません。そういうことでしたら、アーディさんなら快く引き受けてくれるでしょう。あ」

「?」

「いえ、自己紹介をしていなかったな、と」

「あ、そうですね。ここまで話してるのに、なんかへんな感じ………ベル・クラネルです。憧れてる人がいて、その人みたいになりたくてオラリオに来ました」

 

 そう言って、改めて差し出された手を握る。

 

「アミッド・テアサナーレです。若輩ではありますが、【ディアンケヒト・ファミリア】の団長も努めています」

「え!? じゃあ素手で剣を握り潰したり、拳で人を空に飛ばしたり出来るんですか!?」

「私は治療院を経営している【ファミリア】の団長ですよ?」

 

 何言ってるんだ、と首を傾げるアミッド。ベルは治療院のトップに間違ったイメージを持っているようだ。まあ、そのあたりはいいか。

 

「では、一先ず我々の本拠(ホーム)へ………」

 

 と、その時だった。

 

「ちょーっと待ったぁ!」

 

 黒髪ツインテールのロリ巨乳の神様が割り込んできた!

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