コードギアスー紅の騎士ー   作:飛鳥-asuca-

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今週分となります。
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TURN 2 騎士 の 覚悟

「うっ……うぅ……」

 

「カレン、そろそろ泣き止んではくれないだろうか?」

 

「やだ……」

 

「困ったな……」

 

 現在、ルルーシュはカレンに抱きしめられていた。あのC.C.をして、「流石にやりづらい。ルルーシュ、お前が責任取ってカレンをどうにかしろ」と言い出したのだ。その言葉にジェレミアとスザクが同調し、今は3人で今後の事を話し合っている。

 

「ルルーシュは……」

「ルルーシュは肝心な時にいつも私を遠ざける……」

 

「……そうかもな。俺は大切なものは遠ざけてしまうらしい」

 

「ずるい」

 

「えっ?」

 

「私は、貴方の傍に居られれば、それで良いのに……」

 

「……」

 

 今度こそ、ルルーシュは返す言葉が見つからなかった。

 

「私の貴方に対する想いは、最初は“ゼロ”への憧憬だった。でもゼロの正体がルルーシュだと知って、酷く動揺して、でも黒の騎士団として一緒に行動をしてるうちにいつの間にかゼロへの憧憬はね、ルルーシュ、貴方個人に対する想いに変わったの」

 

 そこまで言うとカレンは一層強くルルーシュを抱き締める。

 

「だからね、出来る事なら、貴方と終わりのない旅をしたかった」

 

「案外、出来るかもしれないぞ」

 

 意外。

 そこに現れたのはスザク、ジェレミアと今後の相談をしていた筈のC.C.であった。

 

「うぇっ!?」

 

 カレンは突如現れたC.C.に驚き、腕の力を強めてしまう。

 

「うっ……」

 

「カレン、一旦ルルーシュを離してやれ。童貞坊やには刺激が強すぎる」

 

「ふぇ?あ、ごめん!」

 

 カレンは腕の力こそ弱めたが抱きついている体勢を変えようとはしない。その側から見ればバカップルな様子に「その体勢は変えないんだな……」と、C.C.は呟いた。

 

「助かった……。ってそれよりもC.C.何故ここにいる?!スザク達と一緒にいたんじゃ。あと童貞は余計だ」

 

「私は堅苦しい話はどうも苦手でな」

 

「おい、スルーするな……」

 

「そ、それでC.C.!案外なんとかなるかもって、どう言うことよ!?」

 

「ほう、気になるかカレン?」

 

「当たり前じゃない」

 

「ふふん、それはな。私のコードをお前に継承させる事だ!」

 

「おい待て魔女。それは不可能だろう」

 

「え、いい案だと思ったのに何故無理なの?」

 

「コードの継承にはギアスユーザーである必要があるからだ。その上で更にギアスを使い込む必要がある。ギアスのないカレンにコードの継承ができるわけな……」

 

「人の話は最後まで聞け、坊や。この世界はな、少し歪んでるんだ」

 

「……と、言うと?」

 

「本来起こる筈のないことが起きている、と言うことだ」

 

「それで、その起こる筈じゃないことって何よ?」

 

「お前だよ、カレン。お前がここにいる、ということさ」

「Cの世界の理すらも歪んでいたんだよ。人は、何を成したかで未来が決まる。まさしく、因果応報だな。個人の人格すら保存されるCの世界ではある程度の未来予知が出来るのさ」

 

「つまり、俺の本来あるべき運命が捻じ曲げられたと?」

 

「その通り。そしてその特異点はカレンだ。だから私のコードも継承できないかと考えたんだよ」

 

「カレン、君は……」

 

「やるわ」

 

「なっ!?」

 

 ルルーシュが考えていたよりも、カレンの決意は固かった。

 

「不死だぞ」

 

「えぇ、分かってるわ」

 

「後悔はしないか?」

 

「貴方の隣に居れるなら」

 

「ならばC.C.後を頼む」

 

「はいよ、ルルーシュ。ではカレン、こちらに近寄って目を瞑ってくれ」

 

 ルルーシュは少し離れた位置──彼とカレンの会話が聞こえない程度には遠い場所にスザクとジェレミアを見つけた。

 

「ルルーシュ、もう良いのかい?」

 

「あぁ、問題ない。それで、今後の展開について何か良い案は出たか?」

 

「申し訳ありませんが思い付きませぬ。このままルルーシュ様が即位なされてもシュナイゼル殿下が立ち塞がるのはまず間違いないと考えます。それに、政に関心を示さなかったシャルル前皇帝陛下ですから、そもそも禅譲された事を疑う輩が出てくる可能性もございます。とどのつまり……」

 

「前途多難、って事だね」

 

 アハハ、とスザクは力無く笑う。到底笑っていられる状況ではないのだが、力なく笑うことしかできないのもまた事実だ。

 

「先ずはブリタニア以外での協力者が必要……か」

 

「誰か心当たりでもあるのかい?ジェレミアさんから聞いた限りでは黒の騎士団はもう頼れないと思うけど……」

 

「その通りだ、だがそんな人物が都合よくいる筈が」

 

 ない、そう言いかけた途端、不意に後ろから声をかけられた。

 

「話してるところ悪いが──」

 

「うぉあ!?」

 

「そんなに驚く事もあるまいに。カレンのコード継承だがな」

 

「どうなった?」

 

 C.C.にしては珍しく、特に勿体ぶる事もなくストレートに答えた。

 

「成功したぞ。これで、お前とカレンは世界が滅ぶその日まで一緒だな」

 

「ありがとう、C.C」

 

「な、なんだ。素直に感謝の意を述べられてもこそばゆいぞ」

 

「俺……いや、俺たちに協力する理由を作ってくれたのだろう?一応、俺もお前を死なすという契約をしていたからな」

 

「ふんっ……礼ならピザでいい」

「そんなことよりも、早くカレンのところに行ってやれ」

 

「分かっているさ」

 

 ルルーシュはそう言うとカレンの元へと走って行った。体力も無いくせに、とC.C.は思ったのだった。

 ……実の所、C.C.もルルーシュの優しい世界作りを手伝う口実をつくる為に、カレンにコードを授けたと言う側面もある。あのシャルルに対して最後に「親の心が残っていた」などと言うルルーシュにとっての優しい嘘を吐かせたのだ。彼が作り上げた世界の動向が気にならないわけがない。しかし、その世界を見届ける事は、自らの役目ではないことを、彼女は悟っていた。

 

「やれやれ、私もお人好しになったな」

 

「C.C.何か言ったかい?」

 

「いいや、何も」

 

 その頃、ルルーシュはカレンと合流していた。カレンは一人、蜃気楼の側で佇んでいた。

 

「カレン!どこか体に異変はないか?」

 

「問題ないわ。ただ……」

 

「ただ……?」

 

「風呂に入りたい……。私も貴方も、匂いが気になっちゃう」

 

「確かにそうだな……どこか落ち着ける場所に着いたらシャワーを浴びるとしようか」

「それでな、カレン」

 

「どうしたの、ルルーシュ?」

 

「俺から謝ることがある」

 

「謝ること?」

 

「そうだ。俺はシャルルを殺した後君がいなくなる事を想定したプランも考えていた。結果的に、君の覚悟を踏み躙ってしまった。本当にすまない」

 

「……それで、私がいなかったら貴方はどうしようとしていたの?」

 

「シャルルを殺して皇帝の位を簒奪して、先ずは悪逆の限りを尽くす。そうなれば世界の悪意は一気に俺に向くだろう。そしてパレードか、演説か、兎に角一目の多くつくところで俺はゼロによって殺される。悪の象徴たる皇帝ルルーシュは討たれ、世界に平和が訪れる……こんなところだ」

 

「馬鹿ね、ルルーシュ……」

 

「……馬鹿はないだろう!?」

 

「馬鹿よ!それは確かに多くの人々にとっては望まれた平和な世界かもしれないけれど、私にとっては残酷な世界でしかないのよ……」

 

「……そうだな」

 

「私が、貴方の隣にいる限りそんな事はさせない」

 

「ならば──」

「世界が終わるその日まで、俺の隣に居続けてくれ」

 

「それってもしかしなくても告白?」

 

「そのつもりだが?」

 

「なら、答えは一つだけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「──イエスよ」

 

 

 

 

 




カレンのコード継承はルルカレで一番やりたかった事です。正攻法じゃ先ずできないですけど…。
ロストストーリーズの配信、始まりましたね。中々面白そうです
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