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「なんだ……どうなってる!?」
建物の崩落から逃れたベルたちは、眼前の光景に驚愕する。
先程までは平和とは言い難いが、それでも普通の街並みの風景だったはず。それが今では至る所で炎が立ち上っていた。
住民の叫び声を、高ランク冒険者の聴覚が拾う。それだけではない。今もなお、爆発が続き、火の海を拡大させ、轟音を轟かせていた。
「そういうことかよ!! 敵の標的はここだけじゃねぇ……都市そのものってことか!!」
「まさか、闇派閥が都市の至る所に!?」
目の前の光景を分析したライラが相手の思考を読み、続けてシャクティが最悪の高い可能性を口にした。
もしもシャクティの言ったことが事実なら──いや、おそらく事実なのであろうが──闇派閥の自らの命を顧みない非人道的な自爆特攻があちこちで起こっているのだろう。火炎石だけでなく、武器や魔法などを用いての殺戮を繰り広げているに違いない。
そんな光景を前にして、正義と秩序の派閥が動かないわけがない。
「みんな! 全速力で救援に向かうわよ! これ以上被害を広げちゃダメ!」
アリーゼの言葉に、輝夜やライラ、リューなどのアストレア・ファミリア、並びにシャクティ率いるガネーシャ・ファミリアは頷き、行動を始めた。
「えっと、ベル? だったかしら! あなたにも手伝ってもらいたいのだけどいい?」
「はい! もちろんです!!」
走り始めた集団の中で、アリーゼは後方にいたベルに声をかける。彼女の質問に望み通りの答えを出したベルに、アリーゼは笑みを浮かべ、走る速度をあげた。
比較的に市民のいるところに近く、すぐに現場に駆けつけることが出来た。
あたりを見渡せば、瓦礫、火、死体。思わず吐き気を催してしまう程の光景に輝夜は眉をひそめ舌を弾く。他の者も、例外なく気分の悪そうな顔や、怒りに満ちた表情を浮かべ、被害の確認を行っていた。
その時、女性の悲鳴が鳴り響いた。その方向に顔を向ければ、少し遠くで女性の前に闇派閥のものらしきローブを被った人物がナイフを持っていた。
「っ!!! やべぇ!!」
「死ねぇ!! 無知な罪人よ!!」
気づいた時には、闇派閥が女性に切りかかろうとしているところだった。リューと輝夜は、間に合わないと悟りつつ、その女性に手を差し伸べようとして。
彼女らの横を光が通った。
「速っ!?」
それは、レベル3の上位であるリューと輝夜の眼を以ってしても捉えることの出来ない、圧倒的スピード。
その速さ、まさに『神速』といっても過言ではないほどのもので。
誰が通ったかは見えなかった。けれど、それが誰なのかは彼女らは理解していた。
先を見れば、やはりといえばいいのか、ベルが闇派閥の者を壁へと蹴り飛ばし気絶させていた。
あの一瞬で気絶で抑えたことに少しばかり畏怖の念を抱いた一同だったが、それよりも女性が無事であったことが喜ばしい。すぐに女性のそばに駆け寄り保護した。
女性からの感謝の言葉を受け取り返答をしたベルは、すぐに別の方向を見ると、そばにいたアリーゼに声を掛けた。
「すいません、アリーゼさん。僕、先に行きます!」
「えっ、あ、ちょっ、て速っ!?」
アリーゼの返答を待たずして、ベルはその場から姿を消した。どこに行ったのか分からないほどの速さだったことに、アリーゼは思わず叫んでしまったが、それでも彼は誰かを救いに行ったのだろうと、そんな確信が彼女の中にはあった。
「私達も行くわよ!」と言い走り出したアリーゼを追うように近づいた輝夜が一人呟いた。
「……本当に、あの冒険者は何者なんだ……?」
輝夜の言葉を聞いたアリーゼが、目をぱちぱちさせ、少し考える素振りを見せると、なにか閃いたような顔を輝夜に向けた。
「さっっぱり!! 何も分からないわ!!」
いつの間にか近づいていたリューが「アリーゼ……」と少し呆れたような様子を見せていたが、当の本人は「だって」と言うと、
「彼が何者かなんて今はどうでもいいわ! 少なくとも、彼はこちら側だと思うけど、違う?」
「……確かに、やつは善人であることは間違いないだろうな」
「でしょっ! なら今私たちがするべきことは、被害を最小限に抑えることよ。ベルも闇派閥から住民を守りに行ったに違いないわ!!」
確信を持っているように言い切ったアリーゼの言葉に、輝夜とリューは言い返せなかった。それは、彼女らの中でも、ベルは善人であることがわかっているからだろう。
「ベルだけに任せてられないわ!! 私達も行くわよ!」
「……そうですね」
「……はぁ、その通りだな、団長」
今やるべき方針を定めた三人は、少し笑みを浮かべると、すぐさま真剣な表情へと切り替え、住民の救援へと向かうべく、速度を上げた。
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「ぎゃあ!?」
──もっと。
「死──ぐはっ!?」
────もっとだ。
「くっ!?」「かはっ!?」「ぐっ!?」
────もっと速く!!
駆ける、駆ける、駆ける。
その圧倒的速度をもって、オラリオに白い光が走る。光が通った場所には、市民を襲おうとしていたと思われる闇派閥が例外なく倒れ伏している。市民側からすれば、目の前にいた闇派閥が急に倒れたようなものだ。混乱は避けられないだろうが、助かったという思いの方が強いだろう。
白い光──ベルの脚は止まらない。それどころか、徐々にスピードが上がり、ルートの最適化が進んでいる。
既に数百もの闇派閥が彼の手により沈められていた。
恐るべきは、誰一人死んでいないこと。
たとえ闇派閥であろうと、彼は気絶で済ませた。
しかしその一撃は重く、数日は目覚めないであろうもの。
今オラリオで一番の功績を挙げているのは、間違いなくベルだろうが、本人は焦っていた。
オラリオは広い。その全域で闇派閥が暴れているのだ。オラリオを横断しろと言われれば、ベルは数分とかからないだろう。しかし、オラリオには建物が入り組んでいる。最短ルートを辿っても、その長さは計り知れない。
闇派閥を一人、一人と気絶させるうちにも悲鳴は途絶えない。この無限ループにも似た感覚に、しかしベルは脚を止めない。
近くに闇派閥が居なくなったことを確認したベルは、目を閉じ感覚を研ぎ澄ませる。
そこから一番近い闇派閥がいる所を発見、即座に向かう。ここまでの動作に、0.1秒とかからない。
(……強い気配。レベル5くらい?)
その場へと向かいながら、感じる気配から高ランクの闇派閥がいることを察知した。それを含めても、その場にいる闇派閥の数は今までより多い。しかし、ベルにはそんなことは関係なかった。
「いい
その強者──ヴァレッタが反応できたのは、奇跡に近かった。目の前で暴れていた闇派閥の下っぱ達が、急に意識を失ったかのように動きを止めた。直後、自分の喉元に刃を突きつけられているかのように思える程の危険信号が身体全体を駆け巡った。
反射的に体を反らせば、目の前を白い何かが通った。
レベル5の感覚でも残像としか捉えられないそれを、ヴァレッタは見覚えがあったからか眉をひそめる。
「てめぇは……あん時の!! また邪魔すんじゃねぇよ!」
「ふっ!」
「ちっ!?」
荒ぶるヴァレッタをそのままに、瞬間的にヴァレッタの懐に入ったベルは、腹部に蹴りを放つ。ヴァレッタはまたもや反射的に動き、腕一本が奇跡的に防御に間に合うも、その威力は予想を遥かに超えてその体は建物の壁を破壊しながら突き進む。もう片腕は使い物にならないだろう。
気絶にまではなっていないだろうが、かなりのダメージが入ったはず。すぐに戦闘できることはないだろうと判断したベルは、また闇派閥がいる場所へと向かい駆けた。
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オラリオを一望できるような場所で、ロキ・ファミリア団長フィン・ディムナは思考する。
彼自身レベル5という、現オラリオにおいて数少ない第一級冒険者であり、本来なら積極的に戦って欲しいものだが、彼は違う。
その戦闘能力はもちろんであるが、それよりもその他を寄せ付けない頭脳こそが彼の武器であった。
その頭の回転は神にも劣らないと言われるまでの、圧倒的思考力をもって、彼はロキ・ファミリアの団長を任されているのだ。
フィンは全体を俯瞰し、団員からの報告を受けながら指示を出す。他の冒険者からすれば卒倒してしまうような量を、彼は難なくこなしていた。
その中でフィンは疑問が浮かぶ。
(なぜ、
全体を見渡している彼だからこそ分かる違和感。今オラリオでは場所を問わず至る所で炎が上がり、悲鳴が上がっている。
冒険者が闇派閥を抑えていると言っても、広範囲に被害が出ていないのはおかしい。それに、被害がない範囲はその場所から拡大を続けているように見えた。それも恐ろしいまでの早さで。
あの場所には闇派閥がいないのか、あるいは数団のファミリアが協力しているのか、とフィンの思考が加速していると、横から声がかかった。
「団長、報告です!」
「なんだい?」
フィンの横に立った団員が報告に来た。それは、こちら側の被害状況だとか、どこにどのファミリアが行ったとか、そういうものだろうと考えていたフィンは続く言葉に唖然とする。
「広大な範囲に気絶した大量の闇派閥がいました」
フィンの思考が止まる。こちら側の被害ではなく相手側の被害であったことにほっとするも、大量に気絶しているとはどういうことなのか。
「……その場所はあのあたりかい?」
「そ、そうです」
フィンは半ば確信めいたものを持ちながら、自身が抱いた違和感の場所を指差すと、やはりその場所であったことが判明した。
「その場所にどこのファミリアがいたんだい?」
「いえ、その……どのファミリアもいませんでした」
被害が出ていない範囲は、今なお拡大している。あの早さはファミリア数団で取り掛からなければ実現できないと考えていたフィンだが、その周辺にどのファミリアもいないという言葉に謎が深まる。
「団長! 報告です!!」
そうこうしているうちにも、次の報告が来た。先程の謎を考えつつも、次の報告に切り替えたフィンは「なんだい?」と団員からの報告を待った。
「【
再度思考が停止する。ヴァレッタが吹き飛ばされた? 彼女は闇派閥の中でもレベル5という強者だ。並の冒険者では彼女を吹き飛ばすなんてことは出来ない。さらに「突如現れた謎の冒険者」というのも気にかかる。
「……その冒険者の特徴は?」
「速すぎて見えなかったのですが、白髪の少年だと思います」
「白髪の少年?」
その冒険者の特徴を聞くも、高ランクの冒険者にそのような特徴の少年など見た事がない。都市外から来たのか? とも考えたが、外の冒険者は、レベル4でさえ一人いるかいないかという程。レベル4でヴァレッタを吹き飛ばすなんてことは信じられなかった。
「さらに、白い光のようなものが闇派閥を次々と倒しているとのことです」
その報告と先程の報告が繋がった。速すぎる白髪の少年。白い光が闇派閥を倒す。ヴァレッタがやられるほどの強さ。
これらは同一人物と考えていいだろう。これが事実なら、かなりの高ランクの冒険者が闇派閥を抑えていることが分かる。
「持ち場に戻ってくれ」と告げたフィンは思考を深く沈める。その視線は、今なお拡大する、白髪の少年が動いていると思われる場所を眺めていた。だが、そこで。
(親指が……)
「──ほ、報告っす!」
親指が疼き出したフィンの元へラウルが慌てたように走ってきた。
「南西で持ち堪えたファミリアが壊滅! 上級冒険者が……全員、やられたっす……」
「……誰にだ」
本来ならヴァレッタによるものかと聞くフィンだが、今回はヴァレッタは謎の冒険者にやられている。その線は薄いだろう。となれば思いつく相手がいないフィンはラウルに問う。その言葉に、ラウルは眉をひそめながら答えた。
「……大剣を持った戦士と……女の魔道士に……一瞬で……たった二人に、やられたっす」
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都市を揺らす程の轟音が鳴り響く。いや、実際に都市は揺れただろう。それほどまでの、圧倒的なパワーを持った
「っ、今のは!?」
その音の発信源から少し離れた場所にいたベルはそれまで一切止めなかった脚を思わず止め、音の方向を見る。
その音がした瞬間、今まで騒がしかった都市の喧騒が静まり返った。
「この、感覚は」
ヴァレッタとは比べ物にならないほどの、強者の雰囲気。ベルの中での優先度が一気に更新され、その強者の元へと駆け出す。
近づくにつれ増していく危険な香り。その原因となる人物は、すぐに見つかった。
鎧を身につけ、大剣を握りしめる男性。歴戦の冒険者の雰囲気を存分に発揮している。何より、
「オッタルさん!?」
その男の足元には、意識がなく倒れている都市最強、オッタルがいた。
つまり、あの男はたったの一撃でオッタルを打倒して見せたのだ。
今のオッタルはレベル6。つまり、あの男はそれ以上ということ。
驚愕を露わにするベルに気づいたのか、その男はこちらを見ると、「ほう……」と深く笑みを浮かべる。その闘気は膨れ上がっていた。
「次はお前が相手をしてくれるのか?」
大剣をベルに向けた男は、次の獲物はお前だとでも言うかのような獰猛な表情を向けてきた。思わず『
「行くぞ!!」
「!!」
2人の間合いはすぐに埋まる。振り下ろしてくる大剣をベルは二本をもって受け止める。
(重っ!?)
「これを受け止めるか!!」
そのパワーにベルの足元が陥没する。受け止められると思わなかったのか、男は驚きと笑みを浮かべる。
受けきったベルは蹴りを放つもバックステップで威力を殺される。すぐさま追随し、二本の刃と圧倒的スピードをもってして、男に攻撃を始める。
その速さと手数の多さには流石に予想外だったのか、何発かの攻撃を捌ききれずにその男の身体に赤い線が何本かはしる。
苦い表情を浮かべた男はこの状況を打破すべく、自らの大剣を地面に叩きつけた。
その威力は凄まじく、飛び散る破片や風圧によりベルは後退を余儀なくされた。その隙を逃がさない男はベルに大剣を叩きつける。防御に間に合ったベルだが、空中で受けたので吹き飛ばされた。だが、タダで吹き飛ばされる訳にはいかないベルは右手を相手に向ける。
「【ファイアボルト】!!」
向けられた右手から3つの炎が放たれる。それらは寸分違わずにベルを追っていた男の方へと向かった。
「無詠唱か!!」
ノータイムで放たれた魔法に避けることはできず、大剣を身体の前に構えることで防御した。だが、鍛え上げられた身体といえど、
屋根に着地したベルはすぐさま追ってきた男に肉薄すると、ナイフで大剣を逸らし、刃で切りつける。時には脚技で翻弄し、時には魔法を放ち、時にはそのスピードを活かして徐々にダメージを与えていく。対して、男の攻撃はベルにはほとんど当たっていない。絶大なパワーでも、当たらなければ意味は無いのだから。
ナイフと大剣がぶつかり合うごとに、大気は震え、爆音となりオラリオ全域に轟く。
絶望的な状況の中、二人の冒険者は笑っていた。
それは久しく見る強者との戦い故か、はたまた血に飢えた猛獣のそれか。
ナイフと大剣が拮抗し、お互いの動きが止まった時、ふと男が言葉を紡ぐ。
「──俺は、【暴喰】ザルド」
「!!」
「お前の名は、なんだ?」
お互いが距離をとり、動きが止まる。突如名乗った男の名前に聞き覚えは無い。だが、その男──ザルドからの問いかけには、なぜだか答えなければならないと。そんな感覚を感じた。
「僕は──【
「──ふっ、はははははははははは!!」
その言葉を聞き──正確には、ベルの名前を聞いたザルドは「そうか」といい、大声を上げて笑った。
その様子を不思議に思ったベルに「すまんすまん」と語りかけたザルドは改めて大剣を構える。
「では、ベル──死合を続けるぞ!」
先程の笑みを残しつつも表情を切り替えたザルドがベルに切りかかる。先程よりも重い一撃に捌ききれなかったベルの隙をザルドは見逃さず、すかさず蹴りを入れ吹き飛ばす。空中で立て直したベルだがかなりの一撃だったのか、かなりの距離を飛び、着地した場所は
周りを見渡せば多くの冒険者が居り、ここの防衛に当たっているのであろうことが見て取れた。
更には避難してきた市民達も多い。見れば知っている金髪の
(フィンさん!?)
ここで見知った人を見つけたことに驚いたベルだったが、フィンと目が合うと彼も目を見張ってこちらを見ていた。他の冒険者は、突然現れたベルに警戒の目を向けていた。
そんなことをしているうちに空から何かが降ってきて大地を揺らし姿を現した。
その正体──ザルドが現れたことに驚きを隠せない冒険者達は慌てた様子で警戒する。ザルドはそんな冒険者の様子をちらりと見ると、興味無い様子ですぐに視線をベルに向けた。
周りへの被害を最小限にすべく斬りかかったベルだが、ザルドに近づくにつれ、歌が聞こえた。
「──【
(並行詠唱!?)
攻撃、防御、移動とともに魔法の詠唱を行う高等技術である「並行詠唱」をしたザルドにベルは驚愕する。この場面での魔法など、攻撃魔法に決まっていると判断したベルの行動は早い。
リン、リン、リン
神様のナイフに白い光が集まる。その間に、美しい鈴の音が鳴っていた。
ベルのスキル『
その様子を見てザルドの闘気はなおも膨れ上がる。
「【貪れ、獄炎の舌。喰らえ、灼熱の牙!】」
ザルドの詠唱が終わりを告げる。ナイフと大剣をぶつけ合いながらお互いに距離をとり、必殺の一撃を構える。
「──【ファイアボルト】」
穏やかな声でベルは詠唱。その魔法の行く先は、ザルドではなく自らのナイフだ。
魔法をまとったナイフは聖火の如く燃え上がり、その刀身を伸ばした。それはまさに炎熱の刃。
そのナイフを構えたベルの姿に、周りの冒険者は英雄の姿を幻視する。
ザルドもその姿が目に浮かんだのか、子供のような笑みをもった。
周りの音が消え、ザルドとベルの行動を見逃さぬように凝視する。
ふと、誰かの汗が頬を伝い、落ちていく。その汗が床に着いた。瞬間。
「──【レーア・アムブロシア】!!!」
「【
最強と最強のぶつかり合い。それは上級冒険者といえど、余波だけで吹き飛ばされるもの。第一級であろうと、立っているのがやっとなそれに、周りの目は奪われた。
圧倒的熱量が場を支配する。
状況は拮抗──に見えるも、徐々にベルの一撃が押していく。ザルドも対抗するが、その差は覆らず、もう少しでザルドの魔法が打ち負かされる。
(いける!!)
ベルの力が増す。ザルドも自らの敗北を悟ったのか、微笑を浮かべた。
やがて、ザルドの身体を英雄の一撃が打ち破り────
「【
音が消える。今までの熱が嘘のように鳴りを潜め、場を静寂が支配した。
状況の理解が追いついていないベルが困惑している時に、一人の灰色の髪の女性がザルドに近づいた。
「まだ舞台を降りるのは早いぞ、ザルド」
「……アルフィアか」
戦闘描写ムズい!
駄文ですいません