ようこそ演劇サークルへ ~大学で冴えない俺が演劇サークルに出会って人生変わった話~   作:えりんぎ♂

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第10話 『舞台を観に行こう!』

ようこそ演劇サークルへ ~大学で冴えない俺が演劇サークルに出会って人生変わった話~

 

第10話 『舞台を観に行こう!』

作 えりんぎ♂

 

【吉田のマンション】

 

吉田「(先日、演劇サークルに入って初めての公演に参加する事が決まった。台本を『当て書き』?してもらい、さらに『アンダースタディ』?という制度で安心して公演に挑めるものの、やるからにはちゃんと自分で公演に出てみたい。とは言ったものの公演が実際にどういうものなのかイメージが全く湧かない…そう!それもそのはずだった!俺はまだ舞台をちゃんと観たことがないのでわかる筈が無かったのである!)」

 

 吉田はPCの前に座っている。

 

吉田「(というわけで!先ずは実際にやっている公演を観に行って勉強しよう!)」

 

 吉田はネットで良さそうな舞台公演を探す。

 

吉田「(お、これとか近いし、良さそうじゃないか?…値段は…8000!?高!!え?舞台ってこんなするの!?…8000か…いや、流石にキツイよな…どうしよう…)」

 

 ポコン♪

 吉田の携帯が鳴る。どうやら、サークルのグループチャットの通知のようだ。

 

吉田「(なんだろう?)」

 

 井上『ごめん、急なんだけど明後日の日曜日15時から、みんなで友田さんの舞台観に行かない?チケット預かってたの忘れてて、ホント急なんだけどごめん』

 

吉田「え?舞台?」

 

 ポコン♪

 

 福島『何忘れとんねん!?それ大事な事やろ!ちなみにウチは空いてます』

 

 ポコン♪

 

 間島『行きます!』

 

吉田「(舞台!!なんてタイミング!まさに、渡りに船!)」

 

 シュポッ♪

 

 吉田『行けます!』

 

 吉田はメッセージを送った。

 

≪日曜日≫【集合場所の駅前】

 

 駅前でキョロキョロしている吉田。

 

吉田「(集合時間の30分も前に来てしまった。流石に早すぎたかな…?)」

福島「お!吉田くんやん!こっちや!こっち!」

 

 駅の入り口付近に福島と永田が立っていた。

 

吉田「あ、おはようございます」

福島「はい、おはようさん!」

永田「おはようございます~早いですね~吉田くん」

吉田「いや、お二人のほうが早いですよね?」

福島「まあ、無遅刻無欠席がウチのモットーやからな!」

吉田「そうなんですか?」

福島「なんてな!嘘やで!今日はたまたま早かっただけや!」

吉田「…何故そんなしょうもない嘘を…」

福島「…たしかにしょうもなかったわ…すまん」

永田「吉田くん」

吉田「はい?」

 

 永田が吉田の顔をジッと見る。

 

吉田「…なんですか?」

永田「今日はクマが凄いようですが、寝不足ですか?」

吉田「え?あぁ、いや、そのなんか、みんなでどっか行くって遠足みたいでちょっと寝れなかったっていうか…」

福島「ぶふぅッ!」

 

 福島が吹き出す。

 

福島「子供か!」

吉田「し、仕方ないじゃないですか!こういう風にみんなでどっか行くなんていう機会があまりなかったんですから!」

福島「え?…もしかしてそういう友達おらんかったん?」

吉田「ッ!?い、居ましたよ!…1人…くらいなら」

福島「そっか…安心せぇ吉田くん、もうウチら…いやサークルのみんな友達みたいなもんやで」

吉田「…なんだろう、今、自分が凄く惨めな気がする」

川村「おまえら、早いな」

福島「お!アカネん!」

吉田「あ、川村さんおはよう…」

 

 そこにはいつものジャージとは違う、私服の川村が立っていた。

 

吉田「ございます…」

川村「おう、おはよう」

吉田「……」

 

 吉田は固まっている。

 

川村「どうした?」

吉田「あ、いや、私服…」

川村「あん?」

吉田「いや、その、いつもジャージとかだから…今日は違うんですね」

 

 いつもジャージかパーカーを着ている川村だが今日はオフショルダーのブラウスにショートデニムといったよそ行きの格好をしている。

 

川村「あ~、まあ流石にいつもの格好で行くわけにはいかねえからな」

吉田「なるほど」

川村「どうだ?似合ってるか?」

吉田「え?あ、えっと…と、とても、素敵だと思います!」

川村「!…くふッ、ふふふっ、素敵って、大げさだろ…」

吉田「ほ、本当ですよ!凄く似合ってると思いますし!」

川村「わかったわかった、ありがとよ。水戸瀬に感謝しねえとな」

吉田「水戸瀬さん?」

川村「これ、あいつからの貰いもんなんだ」

吉田「そうなんですか?」

川村「あぁ、もう着ないからつって、あいつ割と服くれんだよな…ん?つうか、おまえ…」

 

 川村が吉田の顔を覗き込む。

 

吉田「な、なんですか?」

川村「クマ酷くね?大丈夫か?」

吉田「え!?あ、あぁ、だ、大丈夫です。ちょっと寝てないだけなので…」

川村「ふぅん、まあ無理すんなよ?」

吉田「は、はい」

川村「部長と間島はまだみてぇだな?」

福島「せやね」

川村「じゃ、ちょっとコンビニ行ってくるわ」

福島「り」

 

 川村は駅前のコンビニに向った。

 

吉田「…」

福島「なぁなぁ~吉田く~ん」

吉田「はい?」

 

 福島は吉田の前でクルリと回った。

 

福島「どう?」

吉田「は?」

福島「ウチもいつもよりオシャレさんやと思わん?」

吉田「え?」

 

 確かに福島はいつもとは違う、余所行きのきれいめなワンピース姿だ。

 

吉田「…まぁ、いいんじゃないですか?」

福島「ふ~ん、ウチには素敵って言えへんの?」

吉田「は?」

 

 福島はニヤニヤしている。

 

福島「アカネんには『素敵です!』って言うとったやん?」

吉田「い、いや、それは…!…川村さんはいつもジャージとかで、ああいう服あまり着てるの見てないからで…」

福島「ふぅ~ん」

吉田「なんですか?」

福島「いや~なんでも~なぁ~?まさみぃん?」

永田「ふふ…ふふふ」

 

 永田は笑いながらメモ帳に何かを書き込んでいる。

 

福島「あかん、In My Wordや…」

間島「おはようございます!」

福島「お、間島くん」

吉田「あ、おはようご!?」

 

 そこにはチェックのピチピチのシャツに半端丈パンツ、ウェストポーチを腰と胸に二つ装備した間島が立っていた。

 

吉田「…(これは…?)」

間島「早いですね!皆さん!」

福島「……」

間島「ん?2人共固まって、どうかしました?」

吉田「いや…なんで、ウェストポーチが2つあるのかなって思いまして…」

間島「あぁ!よく聞いてくれたね!ウェストポーチをウェストにつけるのはダサいって聞いてね!でも最近はこういう風に斜めに付けるのも逆にダサいっていのも聞いてね!だからダサくならないようにどっちにもつけてみたんだ!」

吉田「な、なるほど…(俺もファッションとかに詳しいわけじゃない。もしかしたらこれが最新のファッションなのかも?)」

福島「いや!ダサいわ!」

間島・吉田「えぇ!?」

福島「なんで両方付けたらセーフになんねん!?ダブルアウトやろ!」

間島「なん…だと!?」

福島「そもそも!ウエストポーチがダサいかもと思ったんやったら付けてこんかったらええやろがい!」

間島「ッ!!確かに…!」

 

 間島は崩れ落ちる。

 

間島「何故そんなことも気づけなかったんだ…!!」

福島「ちなみにそのシャツと、その半端な長さのズボンもダサい寄りやと思うで?」

間島「がはぁ!?」

吉田「(とどめを刺した!)」

井上「おまたせ~」

 

 今度は井上が合流する。

 

間島「部長!」

福島「お、やっとき…」

吉田「あ、ぶちょ…」

 

 そこにはスーツ姿の井上が立っていた。

 

吉田「(なんで?)」

間島「部長?何故スーツを?」

井上「あーこれ?いや~、やっぱり大きい舞台だからきっちりしないとなと思って、色々考えたんだけどよくわからなくなっちゃって、スーツなら無難だと思ってね」

間島「なるほど!」

福島「いや!多難やろ!!」

井上・間島「えぇ!?」

福島「なんで1人だけスーツやねん!?引率の先生か!?」

井上「いや~でも、元々今の現代演劇に繋がる西洋演劇が日本に伝わって来た頃はそれこそ貴族の道楽という事でこういう風に正装して行くのが…」

福島「いらんわ!そのうんちく!!今を生きんかい!!舞台観に行くのにスーツ着てくるなんて関係者か仕事帰りで観劇する人ぐらいしかおらんやろ!!」

井上「いや~、でも…」

 

 福島と井上がワイワイやっている。

 

吉田「(大変だなぁ)」

永田「ちなみに、舞台公演等の服装はカジュアルな人が多いですが、オペラやクラッシクコンサート等ではドレスやスーツを着る人が多いみたいですね。状況や場所に応じてそこにあった服を選べるといいですね」

吉田「なるほど」

 

 こうして演劇サークルメンバーは舞台の会場に向かった。

 

【劇場内】

 

 中央上部の観客席に間島、福島、井上、吉田、川村、永田の順番で座っている。

 

吉田「ここが劇場…大きい…」

井上「凄いよね~この劇場は1000席以上あるんだって」

吉田「1000…多いですね…しかも、お客さんも見た感じほぼ満席みたいですし、凄い人気なんですね」

井上「そうだね、この演劇企画は2年に1度行われていて、その年の人気俳優さん達が劇団や事務所問わず参加する一大イベントだからね」

吉田「なるほど…俺、大丈夫ですかね?」

井上「何がだい?」

吉田「そんな凄い演劇観るの初めて…というか演劇自体ちゃんと観るの初めてだから観劇のマナーとか、話とか理解できるんでしょうか?」

井上「ふふ、大丈夫、観劇のマナーは基本的には映画とかを観るときと変わらないよ。まあ、違うことと言えば終わった後の『カーテンコール』とかかな?」

吉田「『カーテンコール』?」

井上「そう、舞台が終わって幕が下りた後、観客が拍手して出演者を呼び出すことを『カーテンコール』っていうんだ。まあ、実際は呼び出すというよりはお客さんの拍手に答える為に出演者が挨拶をする為に出てくるって感じかな?」

吉田「なるほど」

井上「ただ、拍手が凄くて中々鳴りやまなかったりすると、それに応じる為に何回も『カーテンコール』をやる場合もあるんだ。それこそ、凄いところは10回以上もやったなんて事もあったみたい」

吉田「10回…」

井上「まあ、本当に凄いところはね。でも、最近は『カーテンコール』自体しないところもあるみたいだし、ケースバイケースかな」

吉田「なるほど」

井上「それと、今回の舞台の内容は一般向けのわかりやすい内容だと思うから、そんなに肩に力を入れなくても大丈夫だよ」

吉田「そうなんですか?…一般向けって事は一般向けじゃない演劇もあるってことですか?」

井上「…あ~、えっと…そうだねぇ~、演劇にはいろいろあって…」

川村「部長、今そんな話しても混乱するだけだと思うぜ?」

井上「あぁ…うん、それも、そうだね。ありがとう川村さん…ごめん吉田くん、この話はまた今度」

吉田「え?そう言われると気になるんですが」

川村「気にすんな、無駄に知識入れると素直に観れなくなる。初めて公演観るんだろ?なら、何も考えずに観た方が面白いぜ」

吉田「そうですか?」

川村「そう」

 

 会場で流れている曲がいままで流れていた曲と雰囲気の違う曲に替わった。

 

井上「お、そろそろ始まりそうだね」

 

 一瞬、曲が大きくなったかと思ったら徐々に小さくなっていく。

 それに合わせて会場内の明かりも小さくなる。

 そして会場内が闇に包まれた。

 

ウゥ~!

 

 唐突にサイレンの音が鳴った。同時に、複数のスポットライトの光が会場内を駆け巡る。

 

「『いたか!?』」

「『ダメだ!?逃げられた!?』」

「『おい!こっちだ!!』」

 

 複数の人の声が会場内で交差する。

 

?「『ハーッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!』」

 

 男の笑い声が響く。すると、複数のスポットライトの光が舞台上手の方にある2階の客席に集まる。そこには、仮面を付け、片手に宝石のようなものを持った男が立っていた。

 

仮面の男「『約束通り!この、マルチーズの涙は頂いた!さらばだ警察諸君!!」

 

 男は、そう言ってマントを翻すとスポットが消える。

 スポットが消えたの同時に音楽が流れ始め、緞帳(舞台の幕)が上がり始め、舞台の照明が付く。

 

吉田「!?」

 

 照明が付くとそこには、活気づいた街並みが存在した。

 

吉田「(これが、舞台のセット!?)」

 

 確かに街並みを再現しているが、あくまで舞台のセットだということが分かる。だが、その作られた街を行き交う人々の話声や動きがまるで本物の街からそのシーンを切り出したかのように活気づいていた。

 

新聞屋「『号外ー!号外ー!号外ー!』」

 

 街の中を新聞屋の男が新聞を持ち駆け回る。周りの観衆は新聞屋の男に注目する。

 

新聞屋の男「『またしても涙泥棒が現れた!盗まれたのはマルチーズの涙!これで、残された7つの涙シリーズは女神の涙!ただ1つ!!そして!今朝の最後の涙を盗むという怪盗からの予告状も公開された!果たして!最後の涙は守り切れるのか!?最新!入れたて!涙泥棒特集だよ!』」

 

 新聞屋の周りに人が集まり、新聞を買っていく。

 

新聞屋の男「『はい!まいど!まいどー!」

友田「『あー、君、1枚貰えるかな?』」

 

吉田「(あ!あの人、友田さんだ!)」

 

 コートを着た友田優紀(ともだゆうき)が新聞屋から新聞を買う。

 友田は距離のある観客席からでも一発で分かる存在感を放っていた。

 

 友田優紀(ともだゆうき)…舞台を中心に活躍する人気俳優。その恵まれた体格とキレのある動き、そして清々しいほどに通る声で舞台上では圧倒的な存在感を放つ。さらに、視線誘導のプロフェッショナルであり頭の先からつま先まで巧妙に使い、その場面の魅せたい人、物に注意を向かせる事に長けている。当然、歌、踊りも一線級であり、まさに、大衆演劇の権化。

 

新聞屋「『へい!まいどー!』」

 

 友田は新聞を受け取ると人だかりを避けて舞台の観客席側の方に新聞を読みながら移動する。

 

友田「『ふむふむ』」

女性「『ちょっと、先生!』」

友田「『ん?あぁ、アメリー』」

 

 荷物を持った小柄の女性が友田に声を掛ける。

 

吉田「(ん?あの人もどっかで見たことをあるような…)」

 

 吉田が見たことあるのも当然。小柄の女性は今人気の女優、新田美優(にったみゆう)だ。

 

 新田美優(にったみゆう)…小動物系が売りの人気女優。元気な後輩キャラとしてメディアにもよく顔を出している。元気で礼儀正しく、共演者、スタッフからも評判が良い。全力で体当たりの演技は見る者を自身の味方につける力がある。技術面は未熟な所もあるがめげない心とひたむきな努力でカバーする。

 

新田「『もう!新聞なんて買ってどうするんですか?』」

友田「『いやいやアメリー、新聞を甘く見ちゃいけない!こういう娯楽向けの雑誌でしか得られない大事な情報もあるのだからねぇ』」

新田「『本当ですか~?』」

友田「『本当!本当!あー、ちょっと待って…え~とえっとえっとえっと…あ!…ほーら、面白い情報だ』」

新田「『なんですか?』」

友田「『最後に残された7つの涙シリーズの女神の涙の持ち主、ヘンリー・ジョンソン氏は予告状に記された日に様々な著名人を呼んで宝石の披露宴を開くらしい』」

新田「『えぇ!?何考えてるんですか!?そんな状況で披露宴!?』」

友田「『ジョンソン氏の会社は警備関係の会社だ。恐らく怪盗の話題に乗っかり新開発の警備システムでも同時に披露するつもりなんじゃないか?』」

新田「『…それで盗まれちゃったら、イメージ最悪になりません?』」

友田「『それだけ自信があるんだろう。まあ、我々のやる仕事は変わらない、怪盗の正体を突き止め、奴を捕まえる。…これだけ大事になってくれているという事はここで上手く行けば一気に有名になれるチャンスだ…!』」

新田「『チャンスって、そんなに上手くいきますかね?』」

友田「『いくさ!なんて言ったって僕は天才探偵だからね!』」

 

 友田の台詞きっかけで音楽が流れ始める。

 

友田「『何でも請負ましょう♪浮気調査?動物探し?どんな依頼も完璧にこなす♪そう!それが…」

周りの人「『探偵事務所モーティア♪』」

 

 友田が曲に合わせ歌い踊り始めるとそれに合わせ、周りにいた人々もそれに合わせ歌い踊り始める。ミュージカルによくある演出だ。

 

新田『ちょっと先生!調子に乗ると…!』

 

 友田は新田に手を差し伸べる。

 

友田『さあ君も!』

 

 友田は新田の手を引いてリードする。友田と周りの人々に釣られ次第に歌い踊り始める新田。新田の踊りは少し不安定で危なっかしくみえるが友田のリードにより、それが上手く噛み合い成立している。

 

友田・新田『さあ!探偵事務所モーティアへ~♪』

 

 友田と新田が舞台の中央でポーズを決めたと同時に音楽が止まり、照明が元に戻る。

 

 パチパチパチ!

 友田と新田が踊り終わると、周りはドレスなどで着飾った人々が集まり拍手をしていた。

 照明が戻った時点で、舞台上が大きな屋敷のパーティー会場になるように踊りと歌の間に場面転換が行われていたのだ。

 

友田『やあ!どうも!やあ!どうも!』

 

吉田「(凄い…!)」

 

 舞台の内容は7つの涙と呼ばれている宝石が怪盗に次々と盗まれ、最後の1つとなった女神の涙を巡り、怪盗、警察、探偵、殺し屋等が入り乱れるドタバタ騒ぎのよくあるようなサスペンスコメディだった。

 だが、そのありきたりな話が名実ともに今を代表する役者の演技と緩急のある巧みな演出で観客を話に集中させて飽きさせない舞台として完成されていた。

 

 パチパチパチパチ!

 いつの間にか会場は拍手喝采と観客の熱狂に包まれていた。

 

友田「ありがとうございました!」

 

 カーテンコールとして、役者達の中心に立って友田が挨拶をする。

 役者達の一礼を受けて会場は再び、拍手喝采に包まれた。

 

≪カーテンコール後≫

 

 舞台は終演し観客席から人が捌け始めている。

 

吉田「……」

 

 休憩時間を含め上映時間2時間ほどの舞台であったが吉田にとっては一瞬の出来事に感じるほど濃厚な時間であった。

 

井上「吉田くん、舞台どうだった?」

吉田「あ!え…、す、凄かったです」

井上「そうだね、凄かったね」

間島「うおぉん!よかった!!僕もこんな舞台にだぢだい!!」

福島「せやな~、あの舞台に立ったらどんだけ気持ちええやろうな~」

吉田「(…確かに、客席で観てこれほど感動するのなら、舞台の上だったら何を感じるんだろう?)」

 

 吉田は自分が舞台に立つ姿を想像する。

 

吉田「(俺、舞台に立ってみたい)」

 

 その目は輝いていた。

 

■登場人物

 

新田美優(にったみゆう)…絶賛活躍中の女優。身長150前半。髪は肩に掛かる程度の長さで大体髪を括ってまとめているちょくちょく括る場所が変わる。明るく元気にがモットー

 

友田優紀(ともだゆうき)…絶賛活躍中の俳優。日本学教総合大学演劇サークルOB。身長190cm前半。基本はスパイラルパーマ、仕事により髪型が変わる事も多い。

 

吉田康太(よしだこうた)…大学2年生。身長は170cmないくらい。髪の長さは長すぎず短すぎず。外を歩いているとよく知らない人に道を聞かれる。

 

川村(かわむら)あかね…大学2年生。身長は160前半。金髪プリンショートポニテ。小麦色の日焼け肌。学校や近所を徘徊するときはジャージかパーカー。

 

間島真(まじままこと)…大学2年生。身長は180前半。すっきりしたスポーツ刈り。黒ぶちの四角い眼鏡を愛用。ベンチプレス150kg挑戦中。

 

福島(ふくしま)しおり…大学3年生。身長は140前半。前髪ぱっつんショートヘア―。年齢確認率100%。

 

井上博人(いのうえひろひと)…大学3年生。身長は170前半。茶髪のミディアムショート。特技は後方保護者面。

 

永田雅美(ながたまさみ)…大学2年生。身長は170後半。茶髪のセミロングに赤い縁の眼鏡が特徴。面白い事や興味深い事が起きるとすぐに手持ちのネタ帳に書き込む。

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