愛と呪いは紙一重   作:ランハナカマキリ

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入院前に書き進めてた作品です。変な点が有ればコメントでご指摘おねがいします。


家入黎人は本気を出さない

街灯に照らされる夜の街中

 

つばめが帰宅した後、黎人はゲオに行って新しい映画を借りて来た。

少し涼しい夜風が肌を撫でる。確か16歳の誕生日の夜もこんな風に涼しい夜だった。

 

 

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ここで彼の出自について、疑問に思った人たちがいるだろう。

 

実際に作者はコメント欄で質問を受けていた。彼の両親が今も生きていたら31歳。となると、黎人が産まれたのは計算すると両親が15歳の時ということになってしまう。御三家ならあり得るかも・・・しれないが、倫理的にやばいと思う人も多いだろう。

 

 

 

 

実は、彼の母『五条梅』は黎人を出産していない。というか妊娠すらしていない。疑問を通り越して矛盾を感じるだろう。実は、そこにはある特級呪具が関係しているのだ。

 

特級呪具『伊邪那美之胎』

 

 

この呪具は、言うなれば人工子宮、和式ホムンクルス製造機である。母親と父親、双方の血を入れ、適切な量の呪力を三日三晩流し続けることで胎動が始まる。そして12ヶ月経つと胎児が誕生するのだ。

 

 

御三家最大の汚点『加茂憲倫』によって作り出されたこの呪具は、禪院家が所持していた。それを許嫁同士だった黎人の両親に使わせた。

 

 

 

 

これが彼の出自の大まかな説明である。本当はもっと長いのだが、今明かせられるのはここまで。では話を戻そう。

 

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「・・・次はこのホラーでも観せるか。あ、小銭今どれくらい持ってたっけ。」

 

そう呟きながら黎人は財布を開いて小銭を数える。そして、曲がり角を曲がり・・・・

 

 

パシッ!

 

 

飛んできた槍を財布で挟んで止めた。

 

「あ?何で財布なんかで止めれんだよ!?」

 

「落ち着けよ、どうせ術式だ。家入黎人だな?」

 

目の前から歩いてくる2人組は、明らかに戦闘慣れした歩き方で黎人に近づいてきた。

1人は背中に大量の投げ槍を担いだ茶髪の男。

もう1人の中国人は、鎖鎌を振り回しながら近づいてくる。

 

間違いなく、奴らは呪詛師だ。

 

「・・・そうだが?」

 

「じゃあ話が早い、簡潔に言おう。秀知院から手をひけ。」

 

(秀知院から、手をひけ?)

 

自分が呪物回収のために潜入している呪術的には平和そのものな学園、そんなところに何故・・・

 

(・・・茶髪のやつはともかく、この中国系の奴はかなり面倒臭そうだ。)

 

「断る、と言ったら?」

 

「殺す。」

 

財布で掴んだ槍を投げ捨てながら黎人は片目を覆う包帯に手を伸ばし、目の前の呪咀師たちを見やる。後ろから3人、前からは2人を含めて6人。呪力の流れと、相手の術式を看破しながら包帯を解く。

 

「あいにく君らに構うほど暇じゃないんだ、断る。」

 

「じゃあ、死ね!」

 

得物を構え、走り出した呪詛師。

 

黎人は包帯に隠された、青い瞳(・・・)を露わにする。

 

現代日本、"呪術界のNo.4"が呪詛師達に立ちはだかった。

 

「"死ね"ね・・・覚えとけ、人ってのは、ちょっと力入れると死ぬよ。」

 

 

数分後

 

通りは死屍累々となっていた。まぁ、死人はいないのだが。最初に襲いかかって来た茶髪の呪詛師を踏みつけながら黎人は包帯を巻き直す。出来るだけ早めに終わらせたかったのだが、流石に早め過ぎた。

 

(・・・あの中国系のやつは逃げたか、まぁそれ以外の奴らは捕まえたから伊地知さんを待つか・・・)

 

さらに数分後

 

「今到着しました!!家入くん・・・何をしているんですか?」

 

黎人は捕まって氷漬け(・・・)になった呪詛師達は、箱のような形に積み重ねられていた。

 

「え、見て分からない?デッドマンズチェスト(死者の宝箱)だけど。」

 

昼間につばめと見た海賊映画に影響されて、あまり見たく無いオブジェを作っていた。

 

▲△▲△▲△▲△

 

月曜日

 

秀知院の校舎の屋上は黎人とつばめの密会の場になっていた。別にやましい意味は無い。ただ至って健全な、呪術講習をしているだけである。

 

「問題。呪術の極地、領域展開は"必中"と"必殺"を兼ね備えた術師のフィールド。自身の心の中"生得領域"を大量の呪力を消費することによって現実に構築する。・・・それによって」

 

「しばらく術式が使えなくなるけど、それに見合う強力な攻撃を与えられる。」

 

「正解です。」

 

「やった!」

 

そんな感じの講習をしていると、階段を登る音が聞こえて来た。恐らく2人分、体格や歩幅から考えるに低身長な女子2人。

 

「先輩、少し待っててください。」

 

「え?いいけど・・・」

 

念のためにつばめを残し、彼は階段の扉を開いて閉じる。しばらくすると、目当ての女子2人が現れた。

 

「ゼェ・・・やっぱりここに居た!」

 

「ミコちゃん、ゼェ・・・落ち着いて。昨日考えた対策マニュアル通りに・・・」

 

階段を駆け上がって来たのか、息を荒くした少女2人がそこに居た。

 

「お久しぶりだね、伊井野に大仏。」

 

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