愛と呪いは紙一重   作:ランハナカマキリ

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前にしでかしたミスを修正したところがあります。


家入黎人は死にかける③

 

『「領域ーーー展開ッ!!」』

 

領域展開、それは術師の中にある生得領域、いわゆる心象風景を結界という形で体外に創り出して敵を閉じ込め、その結界に術師本人の生得術式を付与する事で術式に基づく攻撃を必中とする技。

 

ピシッ!!

 

この領域が2つ以上展開されたとき、より洗練された領域に塗り替えられる。

 

ピシッ、ピシッ!!

 

黎人の領域は、玲奈の領域より洗練されていた。

 

 

バリンッッ!!!

 

 

だが押し合いに負けたのは黎人だった。

 

先に領域を展開しようとしたのは玲奈だった。だが黎人の展開スピードが彼女を上回り、黎人の領域が先に完成した。呪術において相手より先に領域展開すれば勝つのは先に領域展開した方である。

 

だが、つばめの術式と玲奈の術式効果を甘く見ていた。

 

『領域展開・涅槃生滅殿(ねはんしょうめつでん)

 

彼女の領域内に入った全ての人間や呪術を崩壊させ消滅させる。その対象は結界も含まれていた。そしてつばめの術式の『貝燕(かいつばめ)術式』、自身の結界術や術式効果を増幅させ、強化する術式。

 

領域に付与された術式、効果を強化する術式。

 

「ーーーくそっ!!」

 

黎人の左半身がみるみるうちに崩壊していく。

 

彼は崩れ落ちながら、物思いにふけっていた。

 

▼▽▼▽▼▽▼▽

 

「まさか六眼を持つ者が産まれるとは。」

 

「片目だけだが、うまくいけば五条悟をも超える。」

 

「あれには術式が2つあるしな。」

 

「次の子どもにも期待だな?」

 

 

 

 

「・・・きっしょ。」

 

「ちょっと梅?駄目だろ黎人の前でそんなこと言っちゃ。子どもの頃の記憶って結構残るらしいからね。」

 

「うー?」

 

「ごめんねー美夜ちゃん?お母さんが今言ったことはオフレコだからねー?」

 

「きゃきゃきゃ!!」

 

「・・・何で真佐の方が懐かれてるのかしら。」

 

禪院本家から山を2つ挟んだところに造られた離れ家。

 

黎人の父親『禪院真佐』と母親『五条梅』は今年に1歳になった美夜を愛でていた。

 

※(結構前に黎人と真希の関係について取り上げましたが変換ミスしてました。ただしくは甥と叔母です。ご了承ください。)

 

「それにしてもウザいんだよね。あのクソ親父。」

 

黎人の血縁上の祖父、『禪院扇』は誰もが言うゴミ屑なのだ。あんまり強くない術式のくせ、次期当主になれなかったのを自分の子のせいにする屑。

 

「・・・また黎人を寄越せって手紙来たの?ほんと懲りないよね。」

 

「そういや、黎人は何処?」

 

「山の方に・・・何か拗ねてる見たいよ?」

 

「あーーひょっとして美夜に僕らを取られたって拗ねてるのかもね。探してくるよ。」

 

 

 

黎人は今年で3歳になる。大樹の枝の上に座りながら、物思いにふけ、ぼーーっとしていた。

 

「・・・空、青いな。」

 

「あ!いたいた!!黎人〜?降りてきな〜」

 

「やだ。」

 

「えーじゃあそっち行っていい?」

 

「・・・いいよ。」

 

黎人の隣に登って座る真佐。彼は息子の頭を撫で撫でしながら口を開いた。

 

「黎人。何かあったの?」

 

「・・・この前変なオッサンが、『お前は人間じゃない。』って言いに来た。俺、人間じゃないの?」

 

真佐の顔が固まった。そしてうーーーんと首をひねり、こう言った。

 

 

 

「黎人。人間とか人間じゃないとかどうでもいいんだ。いつか、お前のことを必要とする人が現れるから。その人に人間って思われたいと思うのがどうでもよくないんだよ?ま、僕らは黎人のこと人間だと思ってるけどね。さぁ、帰ろうか。」

 

「・・・うん。」

 

△▲△▲△▲△▲

 

その次の日、父さんは上層部の送り込んだ柄及び躯倶留隊に殺された。その翌年、母さんは祖父に殺された。

 

黎人は祖父を惨殺、その後送り込まれた二級術師3人、特別一級術師1人を返り討ちにした。

 

秘匿死刑になったところにある人物によって死刑は無くなった。

 

「君のお母さんさ、僕の妹なんだよ。つまり僕は遺伝上の君の叔父ってわけ!!」

 

長身包帯の怪しい男が、俺が高専所属の呪術師になることを条件に秘匿死刑を取り下げた。コイツのことは覚えてる。

 

3歳の頃、初めて会ったときに

 

『お前が梅がつくったガキ?キッショ。』

 

と言った不審者。

 

その後母さんに殴り飛ばされ、唾を吐き捨てられていた。ちなみに母とこの男は2歳差の兄妹である。この男の同期である家入硝子は俺が産まれた頃からの母の友達である。身寄りのない俺たちを、自分の子どもとして受け入れてくれた。

 

「で、どうする?呪術師する?」

 

「やらないと明星()美夜()はどうなる。」

 

「さぁ?でもマシな扱いは受けないと思うよ。特に美夜ちゃんの方はね。」

 

「・・・明星(あけぼし)が18になるまで死ねねーよ。やってやんよ、呪術師。」

 

「よしっ、楽しい地獄へようこそ!!」

 

 

■◽️■◽️■◽️

 

(あーーー走馬灯か。)

 

黎人は左半身から胴体の殆どを崩壊され、目の前に立つ玲奈の方を見る。妖しい微笑を浮かべながら、泣いていた。恐らく玲奈の中にいるつばめが主導権を取り返そうとしているんだろう。

 

(・・・このまま死んだら、彼女処刑かな。)

 

特級術師が殺されれば、かなりの問題となる。恐らくつばめは死刑になる。過去の問題と黎人の死が決め手になって、玲奈ごと殺されるだろう。

 

『いつか、お前のことを必要とする人がいるから。』

 

(あんたにそんな顔させて、死ねるかよ。)

 

右手を掲げ、人差し指と中指を伸ばし親指を当てそれ以外は内側に折り畳む。それは黎人が両面宿儺との戦いで到達した彼オリジナルの手印。

 

「領域展開・輪廻宙処(りんかいちゅうしょ)

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