愛と呪いは紙一重   作:ランハナカマキリ

38 / 56
新章スタート
前章の最終話から2日後からスタートです。


研修旅行編
家入黎人は嘆きたい


 

夏の夜というのは昼間照りつける日光の余韻が残り蒸し暑くなる。だが、この部屋には冷房の空気以外に空気を極限まで冷やす存在がいた。

 

「は?」

 

家入黎人の義母、家入硝子だ。

 

彼女はキレている。理由は聞くまでもなく黎人が勝手に呪霊と取引したことだ。呪霊と取引してしっぺ返しを喰らったのは例がないわけじゃない。吉野順平は真人と取引して殺されかけ、与幸吉は羂索と真人と縛りを結んだものの縛りを破られ、口封じに殺されかけたが九十九由基に命を救われた。

 

「・・・ごめんなー「黙れ。」ーいっつ!!?」

 

テーブルに乗せていた両手にメスが突き刺さる。

 

(不味い・・・かなりキレてる。)

 

『貴様の義母か?中々肝が座っているな。』

 

首に巻き付いているのは紫の眼を持つ白と黒の蛇。八岐大蛇、『八岐(やた)』はこの姿で顕現するようになった。

 

「黙ってろよ呪霊。反転術式で崩壊させるぞ。」

 

『すみませんごめんなさい御母様。』

 

「全く・・・五条に呪霊と取引させられただと?私を馬鹿にするのもいい加減にしろ。相談せずに勝手に行動するからややこしくなるんだ。このバカ息子。」

 

「言い返す言葉が、ありません。」

 

「兄さんが謝るの初めて見た。」

 

「ほんとカスね〜あの愚兄。」

 

面白い空気を察して集合した家入ファミリー。

酒とヤニカス(硝子)

包帯目隠し(黎人)

眼帯百合娘(美夜)

プリン大好き(明星)

 

「お前たちにも言ってんだぞ。美夜、明星。」

 

「「チッ。」」

 

「小遣い3千円マイナス。」

 

「「申し訳ございませんでした。」」

 

「取り敢えず友達にはもう話したんだろ?ならもういいさ。本当の友達ってのは、そういう複雑な事情も受け入れてくれるからさ。」

 

「・・・はい。」

 

 

その日の夜。翌朝の支度をしながら八岐を問いただした。

 

「・・・で、お前の目的って何だ。」

 

『・・・・推し活がしたい。

 

「は?なんて?」

 

推し活がしたいのだ!!!

 

「ーーは?」

 

『大体いい加減にしろ!!?我はただ紳士淑女が惹かれて恋して共に道を歩むのが見たいのだ!!!だから現時点で7()()、7人の女と7人の男をくっつけた!!!なのに、8人目はーーーー我を淑女を喰らう怪物みたいに言って男に殺させたのだぞ!!!?羂索がいなければこの世から消え去っていた!!!!その後アイツと交友関係を持ってしまった故に大変な目に遭わされてしまったんだ!!!』

 

「・・・まぁ、心中察する。」

 

やはりあのメロンパンはクソ

 

『だから、せめてあと1人。あと1人の恋を見守るまで死ねんのだ!!!あの、()()()()()という淑女の恋を!!!!』

 

「ーーーー」

 

やばいちょっと面白がって恋路めちゃくちゃに仕掛けたの俺だ。急いで軌道修正しないと俺のせいで特級呪霊が暴れる。

 

『呪術師、黎人といったな。貴様が我を祓い清めたければ、我の願いを叶えて見せよ!!!』

 

何で、俺の周りはこうも極端な奴が多いんだろう。黎人は神を呪った。

 

▼▽▼▽▼▽▼▽

 

呪術高専研修旅行

 

それは2週間の日程で日本各所の呪霊の発生スポットを北から南へ巡っていく今年から始まった五条悟企画の弾丸ツアーだ。

 

キャリーケースを引っ張りながら、髪を下ろし両目を包帯で隠した黎人が集合地点である屋上を目指す。

 

羽田空港の屋上。人払いの済んだそこには三名ほど一年生が積み上げられていた。

 

そしてその後ろには・・・

 

「あわわわ・・・」

 

は?

 

「というわけで、彼女のことが大好きな家政婦さんに呪われてる子安つばめさんで〜す。」

 

何でここにつばめ先輩が?

 

「「「・・・早く言ってくれません?」」」

 

「今年の一年は気が短いな。」

 

「しゃけしゃけ。」

 

「お、黎人くんだ!!いや〜要ちゃんと有菜さんに誘われて・・・五条さんもOKって言ってくれたから来ちゃった!!」

 

クソ・・・あの自殺マニアと変態シスターと29歳児め。

 

「たっくーーー何ですか秤先輩。」

 

金髪に染めたドレッドヘアの男と唇や耳にピアスをつけた男の娘がニヤニヤ笑いながら近寄ってくる。東京校4年の『秤金次』と『星綺羅羅』だ。

 

「おいおいすみにおけねぇな?黎人よぉ〜彼女出来たんならそう言えよ?」

 

「彼女じゃないです。」

 

「えっ、彼女じゃねぇの?」

 

「"まだ"彼女じゃないですよ。」

 

「ふーんまだねぇ?」

 

「・・・言わないでくださいよ?男の娘とパチカス。」

 

「「へいへーい。」」

 

その時、黎人の携帯が鳴った。

 

プルプルプル!!!

 

「ん?冥さん?」

 

『あぁ、黎人くん?この間のPS●の件で話があってね。今日出張でインドに行くことになってるんだよ。代わりをしてくれるとありがたい。あとそれからごめんね?君の先輩の居場所情報が五条くんに漏れちゃった。多分君が日本にいない間に五条くんは君の先輩殺す気かもね。』

 

「ーーーっ!?」

 

五条の方に振り向く。

 

「んっ?にぃ(笑)」

 

ーーーくそっ、図られた。不味いどうする?九十九さんは何処にいるか分かんないし乙骨先輩もこのままじゃ輝紗羅先輩が殺される。どうする考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ!!!

 

 

待て、俺は五条悟の弱みを1つ握っているではないか。

 

「あー残念だけど、黎人は長期任務でインド行きだね。いやー残念だなーー僕はちょっと()()がーー「そういえば、五条先生。縛り結んでましたよね?」

 

「・・・え?」

 

 

飛行機搭乗口、北海道行きにて

 

「黎人ぉぉぉぉ酷いよぉぉぉぉ!!!僕仕事したくないよぉぉぉぉぉぉ!!!!やだやだ置いてかないでぇぇぇ!!!僕仕事できないもん!!僕赤ちゃんだもん!!!ばぶぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 

「・・・皆さん、あんな大人にはならないでください。」

 

引率変更、東京校1年担任七海建人。副引率、東京校2年担任日下部篤哉。京都校2年担任庵歌姫。

 

「「「「「「はい。」」」」」」

 

〜じゅじゅさんぽ〜

 

旅のしおり、8月1日〜8月15日

 

北海道、五稜郭、花魁渕、クマ牧場

 

青森、恐山、青森ねぶた祭

 

福島、福島原発

 

茨城、多良崎城址、国営ひたち海浜公園

 

神奈川、しとどの窟、中華街

 

京都、比叡山、清水寺

 

和歌山、三段壁、淡島神社

 

島根、石見銀山の祓、砂丘でパラセーリング

 

広島、原爆ドーム

 

福岡、旧犬鳴トンネル

 

長崎、平和公園、ハウステンボス

 

鹿児島、屋久島

 

沖縄、全島心霊スポット巡り、沖縄美ら海水族館

 

東堂「結構ハードな日程だな。」

 

真希「なんで島根でパラセーリングすんだよ。鳥取じゃなかったか?」

 

乙骨「五条先生が間違えたんだって。左山口右鳥取、って教えたのに・・・」

 

パンダ「お、懐かしいな〜鷹の●団。」

 

狗巻「しゃけしゃけ!!」

 

三輪「た〜か〜の〜つ〜め〜って奴ですね!」

 

与/真依「全然分からない・・・」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。