愛と呪いは紙一重   作:ランハナカマキリ

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■■■■■は呪われている

 

都内某所、某焼き肉チェーン店にて

 

 

「兄さん、その肉もう良いと思うよ。」

 

「ん。」

 

「伏黒テメェ!私が育てた肉食うな!!」

 

「・・・お前がさっきから俺が焼いた肉食うからだろ。」

 

「ふ、2人とも落ち着いて・・・」

 

「なぁナナミン!本当に奢り!?俺ら結構食うけど!!?」

 

「・・・別に大丈夫ですよ、大人ですから。子供の食費を払うのは当然です。」

 

 

 

「「「「ありがとうございます!!!」」」」

 

 

黎人は任務後に、高専の同期達と共に焼肉を食べていた。

 

 

この場にいるのは

 

禪院家当主『伏黒恵』

 

田舎出身の『釘崎野薔薇』

 

元両面宿儺の器『虎杖悠仁』

 

元呪詛師の『吉野順平』

 

一級術師『七海建人』

 

 

 

 

 

そして黎人の妹(性別は男)の『家入美夜』である。彼女(彼)は秀知院学園の中等部に属しており、来年から呪術高専に入学する予定だ。

 

 

「そういや黎人、今坊ちゃん学校にいるって本当?」

 

「秀知院な、呪具と呪物の回収だよ。」

 

「マジか、伏黒が俺と会った時みたいなことあったりしてな。」

 

「馬鹿野郎、縁起でもないこと言うんじゃねぇ。」

 

 

 

ちなみにその日は虎杖が限界突破しようとしてストップが入るまで皆焼き肉を堪能していた。

 

 

 

 

 

 

 

▲△▲△▲△▲△

 

翌朝、今日も授業の合間に学校中を隈無く捜索した。偵察用の式神『鸞』を放ったものの見つけられなかった。鸞は元は攻撃補佐の式神ではあるが、その行動範囲は半径10キロにわたる。

 

 

翡翠色の羽を纏うハヤブサのような見た目をした鸞が、中庭のベンチに座る黎人の肩に止まる。申し訳なさそうな鳴き声をあげる鸞の嘴を撫でながら彼は持参した弁当箱を手に取る。

 

中にあるおかずは、硝子直伝の酒のつまみと昨日持ち帰りした残り。

 

鮪ブツにエビアボカドの生春巻き、とり唐揚げのエビチリ風。そして昨日の晩飯だった焼肉と白米。

 

 

「・・・さて、今日は何処で食べようか。」

 

 

そう思いながらふらりふらりと歩き回る。黎人は基本的に弁当を食べる場所を限定しない。今回のようにあちこち歩き回って、感覚的にここが良いと思った場所で食べる。その方が気楽で良い。

 

 

(そう言えば来週、悠二たちがタコパやるって言ってたな・・・)

 

 

そんな風な考えを浮かばせていたその時

 

 

 

 

目の前を、1人の女生徒が歩いていた。それくらいなら大した事はない。ぶつからないように進路をずらして彼女の真横を通り過ぎる。

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

『ん"?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黎人の頭の中に、強烈な"死"のイメージがなだれ込んだ。頭から冷水をかけられたような、後ろから鋭利な刃物で突き刺されたような感覚。

 

 

 

 

 

刃物のように鋭い殺気を放ちながら、彼女の後ろにピッタリとついて行く、血のような赤黒い影。濡羽色の片翼の翼、今にも折れそうな手に握る禍々しい大鎌、鳥類の頭骨のような頭部から、黒いコールタールのような液体が涙のように流れ続けている。

 

 

 

 

 

 

 

特級術師たる黎人が見間違えるわけがない、それは害意の塊であり、平穏な日常を蝕む負の感情の具現化。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が今までの人生で見た中で、2番目(・・・)に強大で悍ましい

 

 

 

 

 

 

 

呪いの姿がそこにあった。

 

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