愛と呪いは紙一重   作:ランハナカマキリ

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家入黎人は刃を向ける

 

 

 

 

ん"?

 

 

 

 

 

黎人は弁当箱を道端に投げ印を結び、式神を呼び出しながら通り過ぎた彼女の腕を掴み半ば強引に引っ張る。

 

「ーーっふぇ!?」

 

そして校舎の影に一瞬で連れ込み、隠し持っていた小刀を首元に押し当てる。そして彼が呼び出した白地に金色の紋様が描かれた兜虫、『独角僊』が2メートルはある角を彼女に突き立てる。

 

 

「なっ何!?」

 

「お前・・・見えてるだろ。」

 

突然の出来事に当惑している彼女の視線は黎人と独角僊の間を行き来している。間違いなく、見えている(・・・・・)

 

 

「見え・・・?ひょっとして、君も見えるの!?」

 

「あぁ、見えてる。そして言わせてもらうぞ?お前、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呪われてるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黎人が事実を告げた次の瞬間、彼が持っていた小刀が刃先から錆びついたように崩壊し始める。再び悪寒を感じた黎人はその場から飛び退き、新たな式神を呼び出す。

 

紫と黒に輝く、1メートルサイズの百足。『絡百節』である。

 

絡百節を掴むと、その姿はムカデの装飾が施された短槍に変化する。

 

 

 

『つばめ様にぃぃぃぃ!!!』

 

「待って!お願いやめて!!玲奈(・・)さん!!!」

 

 

 

黒い影の中から、その存在が姿を現す。鳥の頭骨や枯れ木のような腕が、徐々に顕現され始める。それは、彼女『子安つばめ』に取り憑いた、凶暴で残虐なる呪いの化身。

 

 

『近寄るなあ"あ"あ"!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲△▲△▲△▲△

 

 

数分後

 

 

「あー痛って・・・」

 

「だ、大丈夫なの!?」

 

「え?まぁ大丈夫ですよ。腕が一本削り落とされたくらい。」

 

黎人の右腕は、ミンチのように粉々になって地面にぶちまけられていた。武器から元の姿に戻った絡百節が血や肉を消し始める。

 

 

「大丈夫じゃないでしょ!!?だって!だって君の腕が!!」

 

「いや、本当に大丈夫です。」

 

そう言うと黎人は反転術式で、自分の手を再生させる。トカゲの尾が再生するように生えてくる手を見て、つばめは唖然としていた。

 

 

「・・・・え?何で、手が!?」

 

「反転術式で・・・て、まぁ分かりませんか。説明したいことも、聞きたいことも山々何ですが、一ついいですか。」

 

「う、うん。何でも聞いて?」

 

 

 

 

 

 

 

「貴女誰ですか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

子安つばめ

 

世界的バーテンダー兼大手飲食会社エリアマネージャーの娘であり、裏表のない性格で面倒見が良く、男女を問わず相手にフランクに接し、下級生からも人気がある。一部の生徒からは「3年の白鳥」と呼ばれている。

 

 

 

 

「・・・なるほど、ところであんたは俺を知っていたのか?」

 

「うん、君の事は噂で聞いてるよ。今年から転入してきたとか、結構やばい厨二病だとか、あとそれから・・・石上くんと仲が良いって。まぁ殆どの人はーー君の事を変人扱いしてるみたいだよ?」

 

「へぇ、別にモグモグどうでもモグモグ良いですけどねゴクン。」

 

先程投げた弁当箱、(奇跡的に中身が崩れなかった)を食べながらつばめの話を聞く。

 

 

 

 

「・・・ねぇ、さっき君『呪われてる』って言ってたよね。」

 

「言いましたねモグモグ。」

 

「それについて・・・教えてくれない?」

 

「嫌だ。」

 

「えっ。」

 

 

 

「・・・理由は2つ。1つは、俺はあんたを1ミリも信用(・・)していない。」

 

「うぐっ!?」

 

子安つばめ、今まで様々な経歴の人間と関わりを持っていたが、ここまで本音をズバズバ言ってくる人種は初めてである。

 

「次に、俺はあんたのことを何も知らない。つまり何か聞きたいなら、あんたから話せ。そうだな・・・例えばあの(・・)呪霊についてだ。」

 

彼女の表情に緊張が見えたのが黎人には分かった。それでも黎人は質問を止めない。何故ならそれが大事なことだったからだ。

 

 

黎人にとってもつばめ自身にとっても。

 

 

彼女に憑いている呪霊は、もはや見過ごして良いものではないのだから。

 

 

 

「いつから憑かれてる。」

 

 

「・・・。」

 

 

「何で憑かれた。」

 

「・・・・。」

 

 

 

 

黎人は言葉を選びながら、けれど言葉を濁すことなく聞き出そうとする。彼女の顔は既に真っ白だ。だから黎人は、1つの質問に切り替えた。

 

 

 

 

 

 

 

彼女(・・)は、何者だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの人は・・・」

 

つばめが口を開く。

 

 

「・・・南雲、南雲玲奈さん。私が産まれた頃から面倒を見てくれていた、大切な家政婦(家族)です・・・」

 

 

 

 

 

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