愛と呪いは紙一重   作:ランハナカマキリ

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5月20日、追記しました。


家入黎人/白銀御行は相談される

 

 

 

「・・・てことがあったんですよ。なので当分呪具・呪物探しはやめて彼女に憑いてる特級過呪怨霊の解呪に専念しますね。」

 

『マジか〜じゃあ回収任務は暇な時にやってね。普通の任務の数もできるだけ減らすから。それにしても、南雲家かぁ〜。』

 

「えぇ、俺も聞いた時は聞き違いかと思いましたよ。」

 

 

南雲家とは、呪言師の末裔である狗巻家の分家である。南雲家には2つの相伝術式があり、1つは呪言、もう1つは『滅塵術』と呼ばれる、吸った者から呪力や肉体を削り取る粉塵を操ることができる術式だ。

 

彼の小刀が崩れたのも、片腕を落とされたのもその術式によるものだ。

 

 

『じゃあ、この南雲玲奈と子安つばめの家系の調査をやっておくよ。伊地知ぃぃ!!!これ明日中に調べてといて!!じゃないとまじデコピンだから!!』

 

 

「自分で調べろクソ教師。」

 

『つーかさ〜つばめって子の調査いるの?君の()で見ても彼女自身には術式はあったけど特級過呪怨霊を生み出すほどの呪力はなかったんでしょ〜?』

 

「・・・まぁ、念には念をですよ。」

 

『・・・あっ、ひょっとして黎人。惚れちゃっーー(・・・・・)

 

「獄門彊に千年封印されるか真希さんに天逆鉾で刺されて死ね。」

 

ブツッ!!

 

黎人はすぐに電話を切った。五条悟はこの手の話に目がない。『若人は青春を謳歌せよ。』がモットーである彼は教え子達の恋愛事情にまでズブズブ入っていく。"自分の片想い"が10年以上続いている反動かもしれない。

 

ちなみに、この時の判断により、つばめを連れて呪術高専に行った時に地獄を見ることになるのを彼はまだ知らない。

 

▲△▲△▲△▲△

 

「恋愛相談、ですか。」

 

「はい!会長にも聞いてるんですけど、やっぱり別の人の視点も大事かなぁって!!」

 

数日後、黎人の姿は生徒会室にあった。彼を呼び止めている男子生徒、彼の名前は『田沼翼』黎人の1つ上の先輩である。

 

「別に良いですよ、俺中学までは結構告白とかされてたんで。」

 

「え!?厨二病の人でもモテるんだ・・・」

 

「・・・俺、厨二病じゃないんですけど。ていうか白銀会長って百戦錬磨だったのか。すごいですね。」

 

そんな会話を繰り広げている翼と黎人。そしてその横で白銀は焦っていた。

 

 

(俺も百戦錬磨呼ばれてるの初耳なんだが!?!)

 

白銀は焦りを感じていく。

 

白銀御行は生まれてから一度も交際経験も告白されたことすらない。だからこの相談だって不安要素しかない。なら、この相談を断ってしまえばいい、と頭の中でそう思うがそれはそれで変な噂が出るような気がする。しかし、受けたら受けたで一度も付き合ってないのバレてボロを出したらなんかしたら・・・

 

 

『会長、童貞だった』

 

『えー、童貞!?』

 

『まじ幻滅!』

 

 

と、こんなことになるかもしれない。

 

「・・・分かった。どうにかしてやる!!恋愛のことなら俺に任せろ!!俺は今まで一度も振られたことがないからな!!」

 

「流石会長ですね!」

 

 

尚、一度も告ったこともないので嘘ではない。そんな白銀に対し、扉から見守る一つの影があった。

 

 

(会長が恋愛相談?これは会長の恋愛観を知るチャンスなのでは?)

 

 

四宮かぐやであった。

かぐやにとって白銀の恋愛観を知る絶好の機会だ。見逃すわけにはいけないし、次この機会を逃したら次はいつになるか分からない。だからかぐやはかなり真剣な顔つきで三人の会話に聞き耳を立てた。

 

「そう言えば黎人。さっきお前、何回か告白されたとか言ってたがその時はどうだった?」

 

「どうだったとは?」

 

「いや、告白してきたのはどういう人だったんだ?一応相手方がどうアプローチしてきたとか今までどういう関係だったのかとかは大事だろ?」

 

白銀、まずは情報収集からスタート。告白された経験を持つという黎人からなら、今この危機を脱するヒントを得られるのではないかと思っての行動だ。

 

 

「・・・そうですね。たまに話す程度の奴もいましたけどしょっちゅう話しかけてくる奴もいました。」

 

「じゃあ、その中で交際に発展したことは?」

 

「1週間付き合って終わりですね。」

 

(ええええ!!?)

 

「えっ!?たった1週間だけ!!?何で何で!?」

 

翼の質問に、黎人はうんざりした顔で答える。

 

「いや、付き合う前に知れる事と付き合った後に知る事ってかなり差があるんだよ。顔はいいけど性格がクズとかしょっちゅうありましたね。記憶に残ってるのは、6股してた奴とかですね。振ったら泣き喚き始めて教師も親も出てきましたよ。」

 

「お、おう・・・」

 

(不味い・・・黎人は別のタイプで女慣れしてる奴だ。)

 

「別れる時とか大変ですよ?ヤッてもないのにあなたの子供を妊娠したって陽性の妊娠検査薬持ってくる奴とか、別れるなら一緒に死んでって教室で包丁取り出してきた奴とか。あ、実際刺されましたよ。刺し傷跡見ます?」

 

そう言って捲られた制服の下には思ったよりも大きい傷跡があった。白銀は何だこの男からヒントを得ようとしたんだろうと後悔した。だがここで後悔しても意味がない。完全に黎人に引いている翼に意識を移す。

 

「・・・それで相談とはどんな事だ?」

 

「僕と同じクラスに柏木さんという子がいて、その彼女に告白しようと思ってるんです。でも・・・余り話した事もないし、告白して断られた事を考えると怖くて。」

 

「成程な。因みに接点はあるのか?例えば、何か貰ったとか。或いは渡したとか。」

 

「あ、バレンタインにチョコを貰いました。」

 

「みなみにどんな?」

 

 

 

 

 

 

 

「チョコボール3粒です。」

 

 

えぇ・・・っと黎人は思った。完全に脈なし、いやそもそも告白しても振られる未来しか見えない。黎人の頭の中には翼が告白して盛大に振られ、卒業するまでずっとその事をネタにされるビジョンまで見えた。

 

 

「あーうん、それはもう間違いなく惚れてるな。」

 

は?っと黎人は思った。こんなバカでも分かる事案も分からないコイツは本当に生徒会長なのかと疑問が脳を埋め尽くした。

 

 

「いいか!女ってのは素直じゃない生き物なんだ。常に真逆の行動を取るものと考えろ。つまり!その一見義理に見えるチョコも!?」

 

 

「逆に本命!?」

 

(いやないだろ、その理論だったら今年のバレンタインに歌姫先生が五条にチロルチョコ郵便で送りつけたアレも本命扱いなの?・・・あれ?ひょっとして白銀会長って恋愛面に関しては五条と同じ?)

 

黎人の頭に最悪の想像が浮かび上がり、どこか胃がキリッとする感覚に駆られた。この後何故か会長が壁ダァンという技を翼に伝授し何故か四宮副会長をベタ褒めし出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲△▲△▲△▲△

 

その日の放課後

 

「・・・てことがあったんだけど、何で俺引かれたんだろう、分かる?石上。」

 

「いや100パーセント黎人さんのせいじゃないですか。普通恋愛相談でそんなこと言いませんよ。」

 

「え、女ってそんなもんじゃないの?最後に付き合った女なんかーー「はいソトォォプゥゥゥ!!!そっから先は嫌な予感しかしないのでアウトです!!!」

 

 

 

 

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