『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…マクラルーンの屋敷の件から数時間後…
日が昇りかける前に、ルパンと次元はやっとの思いでアジトに到着した。
「ふぃ〜…やぁっととっつぁんから逃げられたぜ…」
「とっつぁんの執念深さは天下一品だからな…全く、しつこいぜ」
銭形からなんとか逃げ切ったルパンと次元は、マクラルーンの屋敷でのことを共有することにした。
「…何?『
「あぁ。俺が入る前に金庫が開けられていた」
「となると…ダイヤはどこへ…」
「どこへ行ったかはわからないが、持ち出したやつなら決まっている」
「…グレース・マクラルーン」
ルパンの一言に、次元は納得した様子で静かに犯人の名前を言った。
「あそこの警備はとても頑丈だ。事前の警備システムの概要も知っていると思うが、あそこを開けるにはショーンとグレースしか持ってない鍵が必要だ。ショーン自身があの部屋へ入っていないとすれば…」
と、ルパンが推察をしていると…
「…その通りよ」
ふと、入ってきたドアから声が聞こえてきた。
赤い髪の女の子…グレース・マクラルーンだ。
「おおっと、噂してたらなんとやらだな」
「おい!ルパン!このアジトバレたらどうするんだ!」
次元は、ルパンと自分しか知らないアジトがグレースにバレたことによって、警察に通報されることを危惧したが…
「安心して。警察には言ってないわ」
グレースは通報してないことを告げた。
「ちっ…女の言ってる事は信じられない主義でな…」
「なら、それでもいいわ」
次元の言葉に、グレースは気にしないと言わんばかりに首を振りながら言う。
「それで?この事件を巻き起こした張本人がなぜここに?」
ルパンはグレースに単刀直入に、事を起こした理由を聞き始めた。
しかし、グレースは何食わぬ顔で…
「あら、
と、ルパンを挑発するような口振りを見せた。
だが、ルパンはそれに対して至って冷静だった。
「ほぉ?俺様がなぜ宝石を盗んだことを知ってると?」
「うちはこの国一の富豪よ。頼めばどんな情報でも入ってくるわ」
「なぁるほどね」
ルパンは合点がいったようで、すぐに頷いた。
「それで、マクラルーン家のご令嬢がなぜそのようなことを?」
「申し訳ないけど、それは言えないわ」
次元の質問に、グレースは首を横に振って否定した。
「全く、別に聞いたっていいだろぉ?」
「本当にごめんなさい。言えないわ」
「あ、そ。なら俺らが盗むだけだ。宝石はどこだ?」
「さぁ、どこでしょうね?」
グレースはまるでルパンと次元に挑発するように言う。
「なるほどな…俺らにゲームを挑んできたってことか」
「そういうことにしておこうかしら」
グレースは不敵な笑みを浮かべて踵を返した。
「私はここで失礼するわ。ダイヤ、頑張って探してね」
グレースはそう言うとルパンのアジトからそっと抜け出した。
「ったく、何が頑張って探してだ」
「まぁまぁ、いいじゃねぇか、次元。ここはいっちょ、乗ってやろうじゃないの」
ルパンはいつもの調子で話しながら、いつもの調子でお酒をとくとくとグラス2つに注いだ。
一つはルパンが、一つは次元が取り、互いに同じタイミングでお酒を口の中に入れた。
「…アテはあるのか?」
「さぁな…皆目検討がつかないが…まぁ、なんとかなるでしょ」
「検討がつかないって、お前…」
ルパンのいつものようないい加減な発言に、次元は呆れかえる。
「だぁって、グレースが勝手にやったことに巻き込まれたようなものだろ?ダイヤがどこに隠したのかは本人のみぞ知るって感じだ」
「それはそうだが…検討が一つもないわけじゃないだろ?」
「あるとすれば…まぁ、1人いるけどな」
「誰だ?」
ルパンの予想に、次元は顔を前に出した。
「グレースは事件が起きる前、とある女の子と一緒に館の中を歩き回っていた」
「その女の子に渡したとでも?」
「あくまで可能性の一つだな。それがダメだったら全てパーになるけど」
「どのくらいの可能性だ?」
「50」
「お前にしちゃ随分と弱気だな」
「弱くてもいいじゃねぇか。泥棒は常にギャンブルみたいなもんよ。当たるまでわからないような世界だからな」
ルパンはそう言うと、飲み切ったグラスを机の上に置いたのだった…
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…次の日…ルパンと次元はイーデン校へと向かっていた。
「…しかし、なぜイーデン校へ?」
「グレースが呼べる範囲を考えたら、イーデン校くらいしかないってこと」
「なるほどな…」
ほどなくして、ルパン達はイーデン校の校門前に着いた。
ルパン達が着いたタイミングでは、ちょうど家から通っている生徒たちがゾロゾロと学校へ登校しているタイミングだった。
「さぁてと…昨日来てた子は…」
ルパンがしばらく投稿している生徒ひとりひとりを確認していく。
が、昨日グレースといた子が見当たらない。
「…本当にイーデン校の子なのか?」
「うるせぇ!俺の予想は当たってるの!」
と、口喧嘩をルパンと次元がしていたその時、2人の目の前をスクールバスが通り過ぎ去った。
そのスクールバスの中に、昨日グレースと一緒にいた子が乗っていたのを、ルパンは見逃さなかった。
「っ!」
「どうした?ルパン。いたのか?」
「あぁ…いたぞ」
ルパンは持っていた双眼鏡で、スクールバスから降りてくる子を確認し、そして…
「…あいつだな…」
ルパンはそのピンク色の髪の子に狙いを定めた。
さらにルパンは、その子があるものを持っていたことを見逃さなかった。
「…あれはマクラルーン家に伝わる宝石箱だな。と言っても、入れられる宝石は一つだけだが、その宝石箱に使われてる宝石たちもかなりのものでな…あれを売れば日本の国家予算なんかは軽く手に入るだろ」
「やけに詳しいじゃねぇか」
「マクラルーンの屋敷には財宝がゴロゴロと眠ってるんだぜ?下調べなんざとっくに済ませてラァ」
「なるほどな」
次元はルパンの言葉に納得した後、双眼鏡をルパンから受け取ってピンク色の髪の子を追った。
「…それでルパン、どうするんだ?お前」
「どうするって?」
「しらばっくれてんじゃねぇ。あの女の子からどうやって箱を盗むんだ?」
「そりゃもちろん、得意分野で行くでしょ」
「…まぁ、そうなるか…」
ルパンが提案したプランに、次元はため息を吐きながらも了承した。
「そんじゃ行くか、次元」
「おう」
ルパンはそう言って車をどこかへと走らせたのだった。
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では次回、お会いしましょう