『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…遡ること1時間前…
イーデン校の屋根から双眼鏡を使って何かを覗く男が1人…
ロイド・フォージャー…又の名を『黄昏』…
オペレーション〈
「さて…アーニャの様子は…ん?」
娘のアーニャの様子を見ようとしたロイドは、イーデン校へ近づくとある車を目撃した。
「あの車は…メルセデス・ベンツSSK…あの車がこの街に来るのはなかなかないものだが…確か…」
ロイドは頭の中の持っている情報を色々と検索をかけた結果…総合的に考えて…というより、今まで起きたことの流れからとある男の存在を導き出した。
ロイドはその仮説が正しいことを確かめるべく、持っていた双眼鏡で車を見た。
そして、その車に乗っている男を見て確信に満ちた声でその男の名前を言った。
「…ルパン三世…」
ロイドは男の名前を唇を噛みながら言うと、すぐに頭を巡らせた。
「しかしなぜだ…あの天下のルパン三世がこの学校に来る理由なんて…」
ルパン三世が盗むような代物がイーデン校の中にあったのか…ロイドは今まで〈WISE〉で集められた情報を思い出そうとした。
しかし、イーデン校でルパン三世が望むようなお宝がないことに気づくまで1分もかからなかった。
「…なぜだ…なぜ…」
ロイドがずっと頭の中を検索していくと、とあることを思い出した。
『ちち!これ、ぐれーすからもらったもの!』
昨日の車の中でアーニャがそう言ってロイドに見せようとしたものがあることを思い出したのである。
その時ロイドは考え事をしていたが、ちらっとそのものを見たのである。
その時は宝石が散らばっている箱だと認識していたが…
「…まさかそれを狙って…」
ロイドはまさかと思って、アーニャが到着するのを待った。
しばらくして、アーニャを乗せたバスがイーデン校の門をくぐる。
そして、アーニャが降りて、ダミアンとの会話している中で、昨日の宝石箱が出てくるのを確認した。
「やはり…ルパンの目的は…!」
ロイドはすぐにルパンを近づかせまいと動こうとしたが…ふと、アーニャに近づいている1人の男の姿を目撃した。
「あれはイーデンの先生だが…やはり骨格とかがおかしい…」
すぐにロイドは屋根上から降り、ルパンが変装している教師と同じ人になりきって、逃げるアーニャ達と追いかけるルパンを追った。
そして…
「おい!そこで何をしてる!」
アーニャとベッキーを追いつめているルパン達の前にようやく辿り着いたのである。
「きっ、貴様は…!?」
「先程はよくもやってくれたな…この偽物め!」
ロイドはその教師になりきって追い詰めようとしたが、相手は天下の大泥棒で変装の名人であるルパン三世、そう簡単には論破も出来なかった。
「何を言ってる!そういうお前こそ偽物だろう!?」
「何を言ってる…俺は貴様に気絶させられてすり替えられた本物だ!」
「くっ…」
ルパンは偽物ではあるがロイドが来たことで万事休すといったところだが、とあることをふと思いついた。
「き、貴様は俺が気絶させられたというが、どういう方法で気絶したかわかるのか!?」
「っ!?」
流石のロイドもこの質問には言葉を詰まらせた。
もちろんロイドはその現場を見ていたわけではなく、同じ人が2人現れたこと、そして後から現れたことで本人であるかのような立ち振る舞いをしようと企んだのだが、それをルパンに看破されかねない質問をされたのだから困ったのである。
(くそっ…このままルパンの思う壺だ…どうする…)
そんなロイドを、アーニャは心を読む力で聞いていた。
(ちち、ピンチ!それなら…)
アーニャは勇気を振り絞り、ベッキーの手をもう一回引いて、ルパンの横を通り過ぎた。
「んなっ!?」
「え!?」
ルパンもロイドも、そしてベッキーも驚いたが、アーニャはロイドの後ろに付くや否や…
「このひとほんもの!よくわからないけどほんまの!あのひとにせもの!」
と叫んだのである。
これがロイドにとって大きな追い風となった。
「ほら、子供達もそう言っている。純粋な子供がこんな嘘はつかないだろう?」
「くっ…」
ルパンは観念したのか、頭をわしゃわしゃとかきながら…
「ちぃっくしょう!あと少しだったのによぉ!」
と、声を元に戻して話し始めた。
「な、何なの!?声変わっちゃったけど!?」
「よぉ、ブラックベルのお嬢ちゃん?はじめまして」
ルパンはそう言うと、遂に被っていたマスクをビリビリと破いて正体を現した。
「え、えぇ!?」
「かお、われた!?」
「俺の名はルパ〜ン三世。よろしくな?」
「ルパン三世?なんなの?その変な名前…」
「がくっ…ちょっとそんな言い方無いんじゃないの?」
ルパンは正体を現して挨拶をしたあと、はぁとため息を吐いてニヒルな笑みを浮かべた。
「今回はここでトンズラさせていただくが、次は逃さないぜ?んじゃ、あーばよー」
ルパンはそう言うと煙玉を地面に叩きつけ逃走した。
ロイドはすぐにアーニャとベッキーを抱えてその場から離れた。
しばらくロイドが走ったあと、アーニャとベッキーを下ろし、腰を落とした。
「大丈夫か?2人とも」
「は、はい!ありがとうございます!」
「あざぞます!」
「うん、元気そうで何よりだ」
そしてロイドは次にアーニャの方を見た。
「そして君、なんで追っかけられてたんだ?」
「わからない…でも…」
アーニャは素直に宝石箱をロイドに差し出した。
「これをだしてたら…」
「なるほどね…たしかにそれは持ってきてはいけないものだな。これは没収させてもらうよ?」
「…はい…」
アーニャはしょんぼりとしながらその宝石箱をロイドに渡した。
宝石箱をもらったロイドはそれを懐にしまい、そしてアーニャの頭を撫でた。
「え?」
アーニャは豆鉄砲を食らったような顔を見せた。
「…よく頑張ったな。朝から怖かっただろう?」
「…うん…」
「もう大丈夫だ。ここからは先生から言うから、君たちは何も言わなくていいからね」
「…ありがとう…ございまする…」
「うん。あと、隣の友達にもちゃんと謝ってね」
「はい…ベッキー…ごめんなさい」
「謝らなくていいのよ!逆にアーニャちゃん、すごい!よく偽物だってわかったね!」
「な、なんかちがかったから」
アーニャとベッキーの会話を楽しんだロイドは、裏工作をイーデン校内でやった後、〈WISE〉の基地へ行き
すると、
「…これは…」
「盗まれた『
そう…中に入っていた物は、赤い半分の宝石であったのである…
いかがでしたでしょうか?
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では次回、お会いしましょう。