『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第12話〜仕留め損なった?〜

…一方、お目当ての物『東国(オスタニア)の夢』を取り損ねたルパン三世は、愛車をひた走らせながら、考え事をしていた。

 

「ったく、らしくねぇなルパンよ」

 

隣の次元はタバコを咥えながらボソリと呟くように相棒に言う。

 

「そんなこと言われたって仕方ねぇだろうよ!はぁ…」

 

珍しく物を盗めなかったルパンは頭を垂れながら車を運転していった。

 

「…それにしても、あの小娘よくお前の変装を見破ったよな」

「あぁ。確かに気になるな」

 

次元の静かな驚きに、ルパンも同意する。

声まで変えたはずなのに何故かバレてしまった…

 

「ちっくしょ〜!なんか癪にさわるぜ!」

 

ルパンは珍しく頭を抱えながらカンカンに怒り始めた。

その怒りのせいか、ルパンが運転する車が蛇行運転してしまい、まるでジェットコースターのように横に揺れていった。

 

「お、おい!ルパン!暴れるなっつうの!」

「んなこと言われたって、こんな気分初めてなんだっつうの!」

 

しばらく車を蛇行させながらも運転したルパンは、とある路地裏へと入っていった。

 

「ったく…酔っちまうところだったぜ…」

「あはは、悪りぃ悪りぃ…でもまぁ、ちーっと、こうでもしないといけなかったんでな…」

「こうでもしなきゃ?どういうことだ?」

「…不二子だよ」

「なんだって?」

 

ルパンの発言に、次元はいつものように驚いた。

 

「本当は今すぐにでも抱きつきたかったけどな、今回ばかりはふ〜じこちゃんでも、流石にここの場所までは突き止められたくなくてな」

「ここ?どういうことだ?」

「まぁ、行ってみるとすっか」

 

ルパンはそう言って車から降りて、近くにあるなんでもないビルに入っていった。

ルパンと次元はしばらくビルの1階を練り歩いていると…

 

「…お?あったあった」

 

ルパンがそう言った先にあるのは、なんの変哲もない白塗りの壁である。

 

「あった?何がだ?」

「実に巧妙に隠れてあるが、俺の目には誤魔化されないぜ」

 

ルパンがそう言って、目の前にある壁を押した。

すると、そこだけ手の大きさの分だけ壁が凹んだのである。

そして、壁が完全に押し切ると、今度は横の壁が静かに開き始めた。

 

「隠し扉か…」

「あぁ。入ろうぜ、次元」

 

ルパンが中に入り、次元も気味が悪そうにしながら中に入っていった。

その先も廊下が続いていたが、先ほどいた廊下にある扉より、厳重な鉄の扉が並んであった。

 

「なんなんだ、これは…まるで牢獄みたいじゃねぇか…」

 

次元の言う通り、目の前にある景色はまるでどこかの刑務所を彷彿とさせている。

 

「ここはとある組織の資料室だ。まぁ、その組織ってのは今はどうなってるかわからないがな」

 

ルパンはそう言いながら、扉に指を差しながらゆっくり歩き始めた。

次元はそんなルパンの後を追っていく。

 

「ど、こ、に、あ、る、の、か、な…っと」

 

ルパンはテキトー指を差しながら、たまたま指が止まった扉に手をかけた。

扉の向こう側にあったのは、大量の資料が保管してある金属の引き出し式の棚であった。

 

「おいおい…そんな適当でいいのかよ、ルパン…」

 

次元はたばこに火をつけながら、呆れながら話し…

 

「テキトーでいいんだ!テキトーで!俺の勘がここだって言ってるんだっての!」

 

と、ルパンはいつもの調子で突っ込んで、棚の引き出しを一つ一つ開けて中を確認しながら物色していった。

 

「…んで?ルパン…お前の目的はなんだ?」

「どういうことだ?」

「わざわざこんなところに来たってことは…何か手がかりでも探しに来たんじゃないのか?」

「いーや?今回は野暮用だ」

「野暮用だと?」

 

次元はたばこの煙を吐きながら質問した。

 

「そ。あのお嬢ちゃんのことだよ」

「お前の正体を見破ったあの子のことか」

「そうそう。実はあの学校に行った時に少しだけあの子の経歴見させてもらったのよ」

「ほう?それはどうしてだ?」

「見た目の割に年齢が合わないってこと。あの見た目ならまだあんなボンボンの行く学校なんかには行かないだろ?」

「確かに、見た目の割にはあの学校に行ってるのはおかしいが…」

「それに、あの『黄昏』がついている子だ。何かあるんじゃないかって思ってな…」

 

ルパンの最後の一言に、次元は眉をひそめた。

 

「…そういや、『黄昏』って言ったっけか?誰なんだ、そいつは…」

 

次元の質問に、ルパンは見つからなかったの同時に起き上がって静かにその質問に答えた。

 

「『黄昏』…西国の諜報機関〈WISE〉の諜報員であり、俺と同じ『変装の名人』って呼ばれてるやつだ」

「諜報員…と言うことはスパイか…その『黄昏』ってのと何か因縁があるのか?」

「昔、とある仕事で〈WISE〉と接触する機会があってな。その流れで調べたことがあるのよ」

「なるほどな…てことは、名前だけしか知らないってことか」

「先の一件で会うまではな」

 

ルパンは昔の話をしながら資料を漁っていくと…

 

「お?あ〜った!あった!」

 

お目当ての資料を見つけたらしい。

 

「あったって?」

「とある実験の資料さ。コピーだが丁寧に写真も鮮明に写ってやがる」

 

ルパンはその資料の一枚を次元に見せた。

そして次元は、その資料の顔写真を見て驚いた。

 

「んなっ…こいつは!?」

「そ、さっきあの学校で『東国(オスタニア)の夢』を持ってた嬢ちゃんだ」

 

顔写真に載っていたのは、服飾品がないものの、先ほどイーデン校でルパンと対峙した女の子…アーニャ・フォージャーそのものである。

 

「おいおい、これはどういうことだ?ルパン」

「ま、とりあえず目当ての物は取れたことだし、さっさとずらかろうぜ。ここだと暗くて見えやしない」

「ずらかるって…そんなもん持っていっていいのかよ…」

「大丈夫大丈夫。俺は泥棒だぜ?」

「ったく…そうだったな…」

 

ルパンと次元は不気味な空間から逃げるように出て、車に乗り込んでを走らせた。

ちなみに謎の部屋の入り口はすぐに閉めた。

 

「…『被験体007』…なるほど…国を上げて改造人間みたいなのを作ってたってことか」

 

次元は車の中で、ルパンが盗んだ資料を見ながら呟いていた。

 

「そ。東国(オスタニア)ではその昔、とある組織が何かしらの実験で生み出したのがその子でな…その能力を見てみろ」

「能力?えぇっと…『他人の心を読む』?」

「そういうこった。どれだけ口で綺麗事を言ってても、この子の能力にかかれば内心どう思ってるのかバレてしまうってこと」

「それじゃ…ルパン、お前が変装してるってバレたのは…」

「その能力によるものだ」

 

ルパンの言葉に、次元はようやく腑に落ちた。

 

「なるほどな…」

 

しかし、次元は鋭い目つきでルパンの方を見つめた。

 

「…それにしてもルパン、お前この情報どうやって手に入れたんだ」

 

次元はもちろんのこと、ルパンも『被験体007』…アーニャ・フォージャーとは初対面である。

それなのに本人のことが書かれてあるファイルがあることをなぜルパンが知っているのか、次元は気になったのだ。

 

「そりゃもう、勘だよ勘」

 

ルパンはいつもの口調でおちゃらけたように言うも…

 

「そんなことねぇだろ!少しは本当のこと話せっつうの!」

 

次元はルパンの耳をつまんで引っ張りながら突っ込んだ。

 

「イテテ…!次元!待って、わかったから!」

 

ルパンはもちろん痛がるリアクションを見せて、次元を落ち着かせた。

次元が耳を離した後、ルパンは少し耳をさすりながら本当のことを離した。

 

「…マクラルーンの家だよ」

「マクラルーン?」

「あの家自体に、この国のありとあらゆる『情報』が流れ込んでくるのさ。ショーンはその『情報』を使って巨万の富を得たってわけだ」

「それで、ルパンはその情報を『盗んだ』ってわけか?」

「そ〜いうこと。いかんせんショーンっていう男、フォージャー家をずっとマークしていたようだ」

「マーク…?」

「あぁ。調べてたら色々と面白いんだ、あの家族」

 

ルパンは思い出し笑いしながら車をどんどんと走らせていく。

次元はそれを見て引いている表情を見せた。

 

「面白い…だと?」

「あぁ。なんだってあの家の父はスパイ、母は殺し屋、娘は超能力者、ペットの犬も実験の産物ってわけだからな」

「…は?」

 

流石の次元も、ルパンの言っていることが分からずきょとんとしていた。

 

「つまり、あの家族は所詮…『仮初の家族』ってわけさ」

 

ルパンと次元を乗せた車は、そのまま高速をどんどんと突き進んでいったのだった…




いかがでしたでしょうか?
タイトルは何も思い浮かばなかったので、これで勘弁してください
もしよろしければ評価などよろしくお願いします
では、次回お会いしましょう
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