『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第13話〜東の夢は西に渡る〜

…〈WISE〉の基地にて…

 

「…ふむ…」

 

本当に『東国(オスタニア)の夢』かどうか調べるべく、『黄昏』および管理官(ハンドラー)は〈WISE〉の研究機関に鑑定に出していた。

その鑑定の様子を2人はマジマジと見ている。

 

「…あの様子だと、おそらく本物だな…顕微鏡を覗いてる研究員が驚いている」

 

管理官(ハンドラー)はいつものように落ち着いた口調で話す。

 

「本物ですか…それはどうして?」

 

『黄昏』は管理官(ハンドラー)の確信めいた発言に疑問を持った。

 

「『黄昏』は聞いたことはあるか?昔西国(ウェスタリス)東国(オスタニア)は一つの国であったことを」

「〈WISE〉での勉強会の時に習いました」

「元々『西国(ウェスタリス)の希望』と『東国(オスタニア)の夢』は一つの宝石で、昔2つの国が統一していたころ…王国とでも言うべきか、その王国の国王に代々引き継がれて来ていた」

「はぁ…」

「しかし、王国は戦争を境に解体され、今の2つの国に別れてしまった。2つの国は戦争が終わった後、すべての責任をその時代の王に負わせることで取りまとめ、その時に王が持っていた国の宝であるその宝石を2つに割ってそれぞれ持つようになった…それが今のあの宝石ということだ」

「それはいつの話で?」

「我々が生まれる前だ」

 

『黄昏』は思わず納得して首を小さく縦に振った。

 

「しかし、それと宝石に何か関係があるんだ?」

「その先代の王とやらは、元々一つだった宝石に何か細工をしていたらしい。そして2つに割れた今の宝石には、その細工の跡が残っているというが…」

 

管理官(ハンドラー)がはたしてと言おうとしたその時、ガチャリとドアが開く音がした。

 

「鑑定結果が終わりました」

 

中から研究員が、『東国(オスタニア)の夢』が乗ってるパンを持って出てきた。

 

「結果は?」

「本物です。宝石の中に何やら図面らしきものが描かれております。過去の文献より、『東国(オスタニア)の夢』、および『西国(ウェスタリス)の希望』には図面が彫られ、2つの宝石が合わさることでその図面が浮かび上がるという仕掛けがあるのですが、この宝石にはそれの半分が描かれているのです」

「その図面はどんなものだ?」

「そこまではわかりかねます。何かの製造方法らしいものですが…」

「宝石に組み込むってことは、よほど知られたくないものなのか…」

 

管理官(ハンドラー)はその後、さらに詳しい分析を研究員に任せ、この後の方針を『黄昏』とともに歩きながら考えた。

 

「さて…我々としては、『西国(ウェスタリス)の希望』をなんとしても取り返したいところではあるが…」

「天下のルパン三世も持っていないとすると、誰が一体…」

「それについて、少し気がかりな話があってな…」

 

管理官(ハンドラー)の部屋に着くや否や、管理官(ハンドラー)は机の上からとある書面を出した。

 

「今回盗まれた『西国(ウェスタリス)の希望』は、実はとある組織の犯行の可能性が出てきてな」

「とある組織…ですか?」

 

『黄昏』はすぐに過去の犯罪歴のある組織を片っ端から探り始めるが、その様子を見た管理官(ハンドラー)が間髪入れずに宥めた。

 

「お前にはわからん組織だ。というのも、この組織がわかったのもつい最近だがな」

「つい、最近…」

「あぁ…その組織の名前は、『東西統一協力戦線』」

 

管理官(ハンドラー)が差し出したその紙には、『東西統一協力戦線』の詳しい内容が書かれていた。

が、最近知ったというのもあって、内容はあまり深々と書かれてなかった。

 

「この組織が、今回の事件を握っていると?」

「おそらくな…詳しい話は後日にしよう」

 

管理官(ハンドラー)はようやくひと段落したと言わんばかりにふぅと椅子に崩れ落ちた。

 

「珍しいですね、管理官(ハンドラー)がそこまで追い込まれるなんて」

「今回の一件は、国からすぐに片付けるようにしつこく言われている。国の宝だからな」

「そうですね…なんとしても、取り戻さなきゃ…」

「とりあえず、今日はここで切り上げよう。アーニャ嬢にはもうしばらく鑑定していると伝えてもらえると助かる」

「わかりました」

 

『黄昏』は管理官(ハンドラー)に敬礼して、部屋を後にしたのだった…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

…家路につく『黄昏』…ロイドは、『東西統一協力戦線』のことについて頭を巡らせていた。

 

(『東西統一協力戦線』…一体何が目的で宝石に狙いをつけたのか…もし、統一するだけなら武力を持つなり、テロを起こすなりして、国を貶めるようにするはずなのだが…)

 

と、そろそろ家の前に来たその時だ。

ロイドの向こうから1人、見慣れない格好をした男が現れた。

和服に袴を着ており、広々とした笠を被ってビニール袋を持っている。

 

(…あれは…確か、サムライだといったか…遠い東の国では昔そのような人がいたと本で見たことがあるが…)

 

ロイドが家の前で立ち止まると、向こうから現れたその『サムライ』もまた、家の前で止まった。

 

(…腰に長い棒…恐らく昔の東の国で使われた『カタナ』という武器か…まさか、刺客か?)

 

警戒しつつ、『サムライ』を睨んだロイド。

しかし、そのロイドの心配は杞憂となる。

 

「…お主が、ヨル殿の夫でござるか」

 

『サムライ』が発した言葉に、ロイドは驚く。

 

「っ!?あ、あぁ…あなたは?」

「やはりそうでござったか…」

 

『サムライ』は被っていた笠を取り、隠れていた笑顔を見せた。

 

「挨拶が遅れて申し訳ない。某は、ヨル殿の遠い友人である、石川五ェ門でござる」

 




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では次回、お会いしましょう
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