『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
…遡ること数時間前…
ロイドが仕事へ、アーニャが学校へ行っている間、ヨルはこの日休みであったため1人買い物をしていた。
(今日頼まれていたものは…トマトにじゃがいもに、エンドウ豆…ロイドさんはこれでスープでも作るのでしょうか?ふふっ、楽しみです)
スーパーでの買い物を一通り終わらせたヨルはひと段落しようと公園へと足を運ぶ。
「うーん…気持ちいいですね…今度また、ロイドさんとアーニャさんと一緒にピクニックに行きたいですね。今度はユーリも連れてこないと…」
と、1人楽しい妄想を繰り広げていたその時だ。
「きゃあっ!」
どこからか女性の悲鳴が聞こえてきた。
「っ!?」
ヨルは声が聞こえるや否や、辺りを見渡した。
すると、すぐ近くで若い女性がひったくりに遭っていたのだ。
「ドロボー!誰か〜!」
女性は黒ずくめの格好をした男を追いかけたが、すぐに引き離されてしまう。
「コラ〜!待ちなさーい!」
ヨルはすぐにその泥棒を追いかけた。
すぐには追いつかないと思われたが、侮ることなかれ…
ヨルの裏の顔は、殺し屋『いばら姫』である。
常人離れしたその脚力で、ひったくり犯との距離を突き詰めていった。
「何っ!?」
「ていやぁっ!」
いつのまにか追いついたヨルのドロップキックに、ひったくり犯は避ける間も無く体がくの字になって突き飛ばされてしまった。
それと同時に女性の荷物が飛んだが、ヨルはそれを綺麗にキャッチした。
「あ、ありがとうございます〜!」
女性は疲れながら向かいの道路から走ってきた。
「ふふっ」
これで一件落着と思ったヨルだったが、ふと道路を左へ見ると、向こうから急スピードで駆けてくる一台の車がいたのだ。
「っ!?危ない!」
かなり至近距離まで近づいてきていた上に、自慢の脚でも女性を救い出すことができないと直感したヨルは女性を止めようとするも、女性は勢いそのままに道路へと入ってきた。
(ダメ…間に合わない!)
ヨルが諦めかけていたその時だった。
「キェェェッ!」
男の気合の声が聞こえてきたのである。
ヨルはその一瞬を見逃さなかった。
空から男が降りてきたと思いきや、手から刀を取り出して車を『真っ二つに切った』のである。
車はそのまま綺麗に半分に分かれてしばらく走った後に爆破。
女性は腰を抜かして尻餅をついたものの無事であった。
「…またつまらぬものを切ってしまった…」
男はそう言うと、女性に背中を向けたまま、顔をちらっと向けて問いかけた。
「大丈夫でござるか?」
「え、えぇ…」
一体何が起こったのかわからない女性は呆然としていた。
「…あ、あの…これ…」
ヨルは荷物を女性に渡したあと、すぐに男の方を見た。
肩までかかる長い髪に、和服に袴という
普通の人なら得体の知れぬ男に声をかけることはしないが、ヨルは違った。
(この人…どこかで見たような…)
ヨルがその男を思い出すのにそう時間はかからなかった。
(あれ…もしかして…)
ヨルがその男を思い出したと同時に…
「では、拙者はこれにて」
男がその場から離れようとしたため、ヨルはすぐに男を引き止めた。
「あ、あの!」
「ん?某に何か?」
「…ゴエモンさん、ですよね?」
「んなっ…なぜ…いや、待て…お主…もしかして…ヨル殿か!?」
「はい!お久しぶりです!ゴエモンさん!」
ヨルが思い出した男の正体…それは、ルパン一味の1人、十三代目石川五ェ門であった…
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…買い物を終えたヨルは、1人公園へと向かっていた。
「ゴエモンさーん!お待たせしました!」
「うむ」
公園のベンチで胡座をかいて座っているのは五ェ門。
その五ェ門の隣にヨルは座る。
「お久しぶりですね!ゴエモンさん!」
「ヨル殿も久しぶりだな。あの時から変わらず綺麗だ」
「もう、ゴエモンさんったら…」
五ェ門の言葉に、ヨルは思わずタジタジになった。
「それにしても、貴殿が日本に来て修行を積んでから10年経つか…」
「あの時は色々お世話になりました」
「某はただ『ガーデン』のお願いを聞いたまで。偶然縁があったゆえのことだ」
「そうですね。ふふっ」
ここでヨルは、ある当然の事を五ェ門に聞いた。。
「そういえばゴエモンさん」
「どうした?」
「どうして
「あぁ…」
五ェ門はやはり聞かれたかと言わんばかりの生返事をし、続けて理由を口にした。
「とある用事でこの国に来ておるのだ。ヨル殿のいる国であるから、時間を見つけたらお主を探して挨拶をしようと思ってたところよ」
「そうだったんですね!うれしいです!」
ここでヨルは、とある事を思いついた。
「そうだ!ゴエモンさん、今日の夜予定ありますか?」
「予定?」
「はい!今日夜一緒にご飯を食べたいと思ってるのですが…大丈夫ですか?」
「某は結構だが、ユーリ…とやらか?ずいぶん姉思いの弟が居た気がするのだが…彼は大丈夫なのか?」
「あ、私とユーリは今、別々で暮らしてて…あと、私結婚してるんです」
「結婚?ヨル殿が?」
「はい!」
「なるほどな…」
五ェ門は表情を変えなかったが、どこか嬉しさが込み上げるようにあごを上げた。
「今日はロイドさんが作ってくれるんですが、ロイドさんが来るまでの間、私が料理を作ります!」
「ヨル殿の料理か。楽しみだな」
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…そして現在…
「…石川五ェ門…?」
ロイドと五ェ門が対面している。
五ェ門はロイドがヨルの夫である事以外は何も知らないが、ロイドは五ェ門の名を聞いてひどく驚いていた。
(…石川五ェ門…確か、ルパン三世の一味の1人…なぜ、彼がヨルさんと…?)
少し慌てている様子のロイドを見た五ェ門はすぐに、ヨルとの関係を話した。
「某はヨルが日本に来た時の案内人で知り合った。それまでの関係である」
「っ!?な、なるほど」
ロイドはどこか安堵したのか、ほっと胸を撫で下ろした。
「…ヨル殿を大切にしているのだな」
五ェ門はほっとしたロイドの様子を見て、思わず微笑んだ。
「えぇ。自慢の妻ですから」
「それはよかった…良き夫を見つけたもんだ」
互いに打ち解けあった2人は、ロイドの誘いで家に入ることにした。
「そういえば、その袋は?」
「あぁ。先程ヨル殿が作ったご飯を食していたのだが、人間が食べられるようなものではなかったのでな…拙者が日本のご飯を振る舞うことになり買い出しをしていたのだ」
「あはは…」
「よく、あのようなご飯を食べられるな…ロイド殿…」
「慣れですよ…」
ヨルの作ったご飯で、ロイドと五ェ門の間に思わぬ友情が出来たのだった…
いかがでしたでしょうか?
今回の話もあくまで自分の妄想の枠でございますので、そんな設定ないだろ!みたいな言葉はご遠慮いただけると幸いです。
もしよろしければ評価などしていただけるとありがたいです
では、次回お会いしましょう