『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

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第16話〜事件、そして邂逅〜

…次の日…

ロイドは〈WISE〉本部に来ていた。

昨日の爆発事件で、ロイドは一瞬で爆発した場所の分析を行い、その場所の大半はバーリント、ないし東国(オスタニア)の重要な機関の施設がある場所の近くであることがわかった。

そして、その爆発した場所の中には…〈WISE〉本部の近くの建物もあった。

 

管理官(ハンドラー)、お疲れ様です」

 

ロイド…『黄昏』は、被害状況を確認するために本部へ赴いていたのだ。

 

「あぁ、お疲れ様」

「被害状況は?」

「大きな揺れがあったくらいだ」

東国(オスタニア)には気付かれてないでしょうか?」

「情報は漏れていないことは確認済みだ。爆発処理も、ここだけ揉み消してる」

「なるほど…」

「ただ、一般の目から見られているから、しばらくはここへのでいりは控えた方が良さそうだ」

「わかりました」

 

さらっと情報共有を行ったところで、『黄昏』と『鋼鉄の淑女(フルメタル・レディ)』は今回の同時爆破事件について話し合うことにした。

 

「現在我々で掴んでいる情報では、今回の爆破が起きた箇所のほとんどは東国(オスタニア)の重要な機関がある建物の近くで起きている。ただ一部は公に出されていない場所でも爆発は起きているがな」

「その一つがここであると…?」

「それもそうだがもう一つある…『秘密警察』だ」

「『秘密警察』でもか!?」

 

スパイモードでポーカーフェイスにしている『黄昏』でも、まさかのワードに驚きを隠せなかった。

 

「あぁ。あと、先程連絡が入ってきてな…昨日の爆発と同時刻、西国(ウェスタリス)でも起きたそうだ…」

西国(ウェスタリス)でもか…」

 

『黄昏』は唇を噛んだ。

これ以上のない怒りに溢れているのだろう。

 

「今回の一件で両国は疑心暗鬼になってる。どちらの国でも世論は第三勢力のせいではないかと言う人が大半だが、中には向こうの国の爆発は自作自演だって言ってるやつがいるし、政治家でそんなことを言ってる人がいるからな」

「そんな輩がいるんですか…」

「どちらもテレビや新聞でしか情報は仕入れてないからな…かくいう我々も、その情報と本国の情報しか知らない」

「くっ…」

「これを機に、強硬派が騒ぎ立てて戦争でもすれば、どこかから野次馬が現れて全て取っていくだろうな…遠い東の国の言葉で言うなら、まさに『漁夫の利』だ」

 

こうしてしばらく『鋼鉄の淑女(フルメタル・レディ)』と話した『黄昏』は、本部を誰にも見つからないように出た。

 

「…はぁ…これじゃオペレーション・〈(ストリクス)〉どころじゃないな…」

 

と、『黄昏』…ロイドが肩を落としていると、目の前でチャリンと音が鳴った。

 

「…コインか…」

 

ロイドはそれを拾おうとして動いたが、すぐに違和感に気づき、路地裏に目をやった。

そこには誰もいなかったため、ロイドはすぐに路地裏に入った。

そして、上を見た。

 

「ちぇー、もうバレちまったか」

「ルパン三世…」

 

ロイド…『黄昏』の視線の先には、物干し用のロープの上に立っているルパン三世がいたのである。

 

「さすが最強のスパイだけあるなぁ…あらよっと」

 

ルパンはやれやれと言わんばかりに地面に降り立つ。

 

「…何しにきた…」

「何って…挨拶だよ、挨拶」

「それならとっくに済ませてるだろ」

「食えねえやつだなぁ」

 

ルパンはそう言うと、口にタバコを咥えた。

『黄昏』はルパンの隣につく。

 

「…それで、俺に会いに来たってことは、何か目的あって来たんだろ?」

 

『黄昏』はルパンに訊く。

 

「いや特に」

「しらばっくれるな。でなきゃわざわざこうも会いに来ないだろ」

「全く…凄腕のスパイって聞いてたが、子供みたいだな」

「ふん、なんとでも言え…その気になれば、我々はお前をいつでも拘束できる」

「やれるならやってみろってんだ。まぁ、今の状況じゃまず厳しいだろうな」

 

ルパンはタバコに火をつけ、ふぅと吹かした。

 

「…タバコ吸わないのか?」

「子供がいるんでな」

「あの孤児院上がりのチビか?」

「…なぜそれを?」

「泥棒も情報は大切なのよ」

 

ルパンはタバコをめいいっぱい吸い終わった後、地面に落として踏んで火を消した。

 

「…何が望みだ。我々が持ってる『東国(オスタニア)の夢』か」

「半分正解。だが、俺はそれのさらに奥にある物が欲しいんだ」

「…」

「その様子だと、やっぱ〈WISE〉(そちらさん)も知ってるようだな」

 

ルパンはそう言うと、『黄昏』に向けて指を曲げて誘った。

 

「来いよ。ちょっとばかしドライブに付き合ってもらうぜ」

「…ふん」

 

ロイドはルパンに誘われてついて行くことにしたのだった…

 

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…ルパンと『黄昏』はハイウェイの上にいた。

ルパンは気持ちよくハンドルを握り、『黄昏』は外の風景をぼんやりと眺めている。

 

「…さてと…〈WISE〉はどこまで情報を掴んでるんだ?」

「まずそちらからの話が先だろう」

 

ルパンが『黄昏』に質問するが、『黄昏』は有無を言わさずルパンに訊ねた。

 

「ちぇー、少しは話してもいいじゃねぇかよ」

「泥棒に国家機密を話すバカはいるか。それに、今のお前に信用に値するものなど何一つもない」

「はいはい。国の犬さんには話さないといけないかね」

「なんとでもいえ」

 

ルパンの愚痴に、『黄昏』は冷静を保っていた。

 

「ま、そうそう話してくれないのは百も承知って訳だし、話してやるよ。こっちが掴んでる情報をよ」

「ふん…」

 

ルパンは不満たらたらとしながら、真剣な表情になって話し始めた。

 

「今回の爆破事件の犯人は、俺が襲われたのと同じ襲撃犯だ」

「ルパンを襲った…?」

「あぁ…名を『東西統一協力戦線』…昔東国(オスタニア)西国(ウェスタリス)の両方を統一していた国の復活を目的とした組織だ」

「その組織については〈WISE〉も把握している。だが、ここ数年は動きがなかったはずだが…」

「〈WISE〉もそうだが、『秘密警察』も今回の爆破事件を予知できていなかった…それだけ秘密裏に動いてたってわけだが、まぁ、後ろ盾もあって気づかなかっただろうな」

「背後に誰かいたってわけか」

「そーいうこと。んで、この後『黄昏』君には会ってもらいたい人がいるってわけ」

「会ってもらいたい人だと?」

「そ。『黄昏』に関わりあるやつとね」

「…誰なんだ…」

 

ルパンの言葉に、『黄昏』は頭の中を巡らせた。

しばらくハイウェイを走っていたルパンの車は、いつのまにか田園風景が広がる田舎道へと入り、やがて一軒の民家にたどり着いた。

 

「…ここは?」

「今は俺様のアジトになってる家だ。ま、すぐに立ち退きさせていただくけどな」

 

ルパンはそう言うと、玄関を開けて『黄昏』を中に誘った。

『黄昏』は帽子を深く被り直し、中に入った。

 

「右の部屋に入りな」

 

『黄昏』はルパンに言われて、入ってすぐ右にある部屋へと入った。

そこにいた人物に、『黄昏』は驚きを隠せなかった。

 

「君は…グレース・マクラルーン!?」

 

静かな様子で椅子に座っていた…グレース・マクラルーンであった…

 




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では次回お会いしましょう
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