『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜   作:VOSE

2 / 33
前書きはもう一つのプロローグに載っています。


プロローグ〜SPY side:最強のスパイに課せられた任務〜

東国(オスタニア)のとあるアパートの一室…

そこには一風変わった家族が住んでいる。

 

「おい!アーニャ!ここはこうだって言っただろ!」

 

声を荒げているのはロイド・フォージャー…職業は精神科医だが、それは表の顔。

裏の顔は、隣国西国(ウェスタリス)のスパイ、コードネーム『黄昏』である。

 

「うぅ…アーニャ、わからない…」

 

拙い言葉で話す少女はアーニャ・フォージャー…見た目は普通の女の子だが、元々はとある組織の実験で生まれた超能力者。

その能力は人の心が読めるというものである。

 

「全く…昨日結局進めたのはノート1ページだけじゃないか…今日こそは宿題全部終わらせないとまずいのに…」

 

と、ロイドが頭を悩ませていると…

 

「2人とも。とりあえずコーヒーとココア、飲みませんか?」

 

そう言ってコップを持ってきた女性は、ロイド・フォージャーの妻のヨル・フォージャー。

職業は市役所職員。

ただこの顔も表の顔で、実際の職業は…殺し屋。

コードネーム『いばら姫』と呼ばれる暗殺組織『ガーデン』の1人である。

 

「ありがとうございます、ヨルさん」

「いえいえ、ここ最近忙しかったから、少し一息ついてもらおうかなって」

「はは、あざざます!」

 

この3人の家族は、それぞれバラバラである。

アーニャはロイド、ヨルの血縁関係ではないのだから。

この家族は、それぞれの利益のために集まった、言わば『偽装家族』みたいなものである。

それでもこうやって屋根の下で幸せそうに暮らしているのである。

と、そこへ…

 

「ボフッ!」

 

一匹の犬がやってきた。

かなり毛むくじゃらで、小柄なアーニャよりかなり大きい図体をしている。

 

「あ、ボンド!ボンドもきゅーけいする?」

「ボフッ!」

 

犬の名前はボンド・フォージャー。

由来はアーニャが見ているアニメの主人公から。

そのボンドにも秘密がある。

それは、ほんの少し先の未来が見えるというものだ。

ただし、その未来というのは、努力次第で見え方が変わることもできるという。

 

「ふーっ…ははのつくるココアはせかいいち〜」

「ふふっ、ありがとうございます」

「ボフッ!」

「あらあら、ボンドさんも口いっぱいミルクまみれですよ」

 

何気ない家庭の一コマ。

それを静観してたロイドは思わず微笑んだ。

 

「…やはり、ヨルさんのコーヒー飲むと落ち着くなぁ…」

「そう言ってもらえると嬉しいです」

 

と、それぞれが休んでいたその時だ。

ジリリリリ…と一本の電話が鳴り響いた。

 

「ん?なんだ?」

 

ロイドがその電話に出るも、受話器から流れてきたのはブザー音だけだった。

しかし、ロイドは凄腕のスパイ。

このブザー音の意味をすぐに理解した。

 

(これはTE暗号…『黄昏、すぐに本部へ来るように』…か…)

 

ロイドは暗号を口に出さずにすぐさま解いてみせた。

しかし、この暗号を解読した…というより、読んだ子が1人いる…

 

(ちち、またスパイのおしごと…)

 

心が読めるアーニャである。

ロイドは受話器を静かに開いた後…

 

「アーニャ、ヨルさん。すまない。急患が入ってきたようだから、ちょっと出かけてくる」

 

アーニャとヨルに申し訳なさそうに、出かけることを伝えた。

 

「いえ、大丈夫ですよ」

「ちち、しごと、がんば」

「ありがとう、2人とも」

 

ロイドはそう言うと、すぐに身支度をして出かけたのだった…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

西国(ウェスタリス)の諜報機関、〈WISE〉…

東国(オスタニア)におけるスパイ活動の大元の組織である。

その組織の本部へとやってきたロイド…『黄昏』は、〈WISE〉の管理官(ハンドラー)である『鋼鉄の淑女(フルメタル・レディ)』のシルヴィア・シャーウッドと対峙していた。

 

「お疲れ様です、管理官(ハンドラー)

「よく来てくれた、『黄昏』。いきなりで申し訳ないが、早速本題に入る」

 

高そうな革の椅子に座ってる管理官(ハンドラー)は、いくつかの書類を『黄昏』の前に出した。

その資料のメインとなる写真に写っていたのは、プリンセスカットしたものを半分にされた、青く輝く宝石である。

 

「これは?」

西国(ウェスタリス)が海外の銀行の貸金庫で厳重に保管されていた『西国(ウェスタリス)の希望』だ」

西国(ウェスタリス)の希望?」

「そうだ。この宝石は一般市民はおろか、我が国の官僚クラスの人ですら知らない人もいる幻の宝石だ。半分にカットされているとはいえ、その価値は国家の予算の数十倍とも言われている」

「これがですか?」

 

『黄昏』は疑うようにその宝石が写った写真をくまなく見た。

 

「今はほんの一部しか知らないこの宝石なのだが、今回盗ませたそうでな…」

「貸金庫から盗んだ…?」

「あぁ。上からは、その宝石は国の大切な宝物の一つだそうで、血眼を変えてまで奪還するように要求したらしい」

「なんでその任務を〈WISE〉に?」

 

『黄昏』は当然のような質問を管理官(ハンドラー)になげかけた。

西国(ウェスタリス)も関わっているとはいえ、他国で起きた事件を〈WISE〉が担当するというのはいささかおかしい話である。

しかし、管理官(ハンドラー)は冷静に事の説明を始めた。

 

「今回盗まれた『西国(ウェスタリス)の希望』を盗んだ犯人が、こちらに向かっているとの連絡を受けた」

「犯人が?」

「そうだ。その犯人なのだが…『黄昏』も一度は聞いたことがある名前だ」

「俺も?」

「あぁ。その犯人の名前は…ルパン三世」

「っ!?」

 

『黄昏』はスパイであるにも関わらず、驚きの表情を見せた。

 

「ルパン三世って…アルセーヌ・ルパンの孫の…」

「その通り。先程別の組織の諜報員が、ルパン三世がこの国へと向かっていることが判明した。どういう理由なのか分からないがな」

 

管理官(ハンドラー)は長いため息を吐いて、徐に立ち上がった。

 

「今回『黄昏』に依頼したいのは、このルパン三世を捕らえ、宝石のありかを見つけること。分かり次第、我々で奪取し、西国(ウェスタリス)へ戻す。わかったな」

「了解した」

 

『黄昏』はそう言うと、ゆっくりと出口へ向かった。

 

「あぁ、それと…」

 

そんな『黄昏』を、管理官(ハンドラー)はすぐに引き止めた。

 

「…ルパン三世は、変装の名人だ。お前なら心配ないだろうが、気をつけるように」

「了解した」

 

『黄昏』は管理官(ハンドラー)の忠告を受けた後、再び出口へと向かったのだった…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「ただいま」

 

夕暮れ…

『黄昏』…ロイドは、家に着いて家族に帰宅の挨拶をした。

 

「ちち、おかえりー!」

「ロイドさん、おかえりなさいませ」

「ボフッ!」

 

アーニャ、ヨル、ボンドがロイドを出迎えた。

 

「今日は早かったですね」

「患者の容態が悪くなかったので、すぐに帰ってこられました。とりあえず、夕ご飯作りますね」

「お願いします」

 

フォージャー家の家事は主にロイドが担当しており、掃除だけヨルがやる仕組みになっている。

なので、夕ご飯が待ち遠しかったアーニャはというと…

 

「ちち、はらへった」

 

と、挨拶の後すぐに倒れながら言った。

 

「はいはい、今作ってやるからな」

 

そして、ロイドが急いで料理を始めた。

その最中…

 

(…ルパン三世…すぐにお前を見つけて、宝石のありかを見つけ出させるからな)

 

ロイドが心の中で言った事を、不覚にもアーニャに聞かれてしまい…

 

(ルパンさんせい…誰だろ…)

 

と、好奇心を駆り立ててしまったのであった…




いかがでしたでしょうか?
まだプロローグの段階ですが、これからまだじっくり作品を作る予定ですので、長い目で、そして温かい目で見ていただけると幸いです。
では、今回はここまでにさせていただきます。
次回をお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。