『SPY×FAMILY』×『Lupin the Third』〜輝く宝石はスパイと泥棒を呼ぶ〜 作:VOSE
「…王国の…復活…」
『黄昏』はグレースの言葉を信じられないでいた。
「…やっぱな…でなきゃ、あんな派手なことはしないぜ」
一方のルパンは平静を保っていた。
「なぜ…ショーンは王国の復活を目論む…」
『黄昏』は自分が持っている今までの情報を全て頭の中で繋ぎ合わせてみた。
しかし、誰に関しても結論には辿り着くことができなかった。
「…んで、考えた結果わかったか?スパイさんよ」
ルパンは『黄昏』の様子を見て、嘲笑うかのように話しかけた。
「…全くだ…見当もつかない」
「ふっ…やっぱこういうのは、泥棒の方が長けていたってわけか」
ルパンはそう言うと、懐からとある封筒を出して『黄昏』の前に投げた。
「見な。多分お前さんが知らないような情報が載ってるぜ?」
『黄昏』はルパンに促されるままに封筒に手を出し、中の書類を見た。
「…これは…?」
「昔の王国の王家の1人が書いていた日記の写しだ。本物はバーリント国立図書館に所蔵してある」
「なぜこれを…?」
「見てみればわかるさ」
『黄昏』は中の日記をくまなく見た。
(…書かれているのはおそらく国民による反乱が起きた頃の話…王家がこの時に処刑されたという話を勉強の時にしていたが…)
しばらく読み進めていくうちに、『黄昏』はある一文を見つけた。
『…私たちは、王の計らいによって城から逃げ出すことができた。でも、暴徒化した民衆が私を見つけ出すのに時間はかからなかった。私は最後の願いを民衆にぶつけた。私を殺して平和になるなら快く台に立つと…』
この文を見た『黄昏』は違和感を感じた。
その雰囲気を、ルパンも感じ取った。
「わかったか?」
「あぁ…この文の始まりには『私たち』と書かれているが、民衆が見つけ出した時には『私』としか書かれてない…」
「この日記の主は、反乱が起きた時に最後に処刑にされた王女様だ。王女様は裏の勝手から抜け出したらしいが、待ち伏せしていた民衆に捉えられたらしい」
「待ち伏せか…」
「しかし、見つけたのはその王女ただ1人…となると、その日記には矛盾が生まれるわけだ」
「なるほどな…」
ルパンの説明に『黄昏』は妙な納得を感じた。
「…つまり、ショーン・マクラルーンは、かつての王国の末裔…だから、2国を統一させようとしたのか…」
「そぉいうこと」
『黄昏』の推測と、ルパンの推測ががっちりとハマった瞬間である。
「そして、王国を復活させて自分はその上に立つというわけか…」
「その代わり、犠牲はやむを得ないって感じだがな」
「…あの爆発事件のことか…」
口を挟んだ次元の言葉に、『黄昏』は昨日起きた事件を思い出した。
「あぁ…昨日起きたテロでは、少なくとも数十人の死傷者が出ている…全員何の関係もない人達ばかりだ」
「…クソ…」
『黄昏』の言葉に強い恨みの声が乗せられてきた。
「ま、そういうことだから、ここはひとまず協力しねぇか?『黄昏』さんよ」
ルパンはそう言うと『黄昏』の前に出て手を差し出した。
「…あぁ」
『黄昏』はその手を強く握りしめた。
「…さてと…こっから移動したいところではあるけど…」
ルパンは早速動こうとした矢先、グレースの方を見てため息をついた。
「どうしたんだ?」
「いや、彼女はな…『東西統一協力戦線』の拷問で足が自由に動けない挙句に、そいつらから狙われてる身なんだわ…」
「それは厄介だな…」
ルパンと『黄昏』の会話に、グレースは仕方ないと思いながらも不満げに話した。
「…何?私はここで死んでもかまわないけど?」
「そういうわけにはいかない。少なくとも君は保護されるべき人間だ。〈WISE〉に頼んでもいいが、今はこちらも大変ではあるし…」
「…んじゃ、あの人に頼むしかねぇか」
ルパンはそう言うと、いつのまにか置いてあった黒電話に手をかけたのだった…
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…数分後…
「ルパン!御用だ!」
1人の男が屋敷に乱暴に入ってきた。
茶色のソフト帽に茶色のトレンチコート…ルパン三世の宿敵でお馴染みの銭形警部である。
「…ん?怪しい…」
銭形警部は入ってすぐのドアが空いていることに気がついた。
そして銭形警部は…
「ルパン!観念しろ!」
そう言ってドアを蹴破ったのである。
しかし、中にいたのは…1人の可憐な少女である。
「…ありゃ?おかしい…確かにルパンからここにいると言っていたのだが…」
その後銭形警部は、女の子の手に手紙があることに気がついた。
「…その手紙は?」
「おそらくあなた宛です」
銭形警部は女の子から手紙を受け取ると中身をすぐに見た。
『よぉ、とっつぁん。悪いけどよ、その女の子をICPOの力で保護してくれねぇか?というのも、その子はとぉっても恐ろしい組織に狙われてるんだわ。だから、よろしく。ルパン三世』
手紙を読み終えた銭形警部は、むしゃくしゃした気分になって手紙を下に叩きつけた。
「この野郎!俺を何だと思ってるんだ、ちくしょう!」
しかしその後、銭形警部はやれやれと言わんばかりにため息をついて女の子に身体を向けた。
「これより、貴殿をICPOで保護することにした。お名前は?」
「グレース・マクラルーン」
「ありゃ、かのマクラルーンの令嬢でございましたか。では、こちらへ」
「歩けないの。拷問されて足が思い通りに動けなくて」
「わかりました。おい、お前らで担いでやってくれ」
こうしてグレースは銭形警部によって保護されることになった。
その一方でルパン一味と『黄昏』はというと、ルパンの車に乗ってバーリントへ戻っていた。
「さてと…この後のことについてだが…」
ルパンはそう言うと、とある提案をしてきた。
「『黄昏』…いや、ロイド・フォージャー先生?」
「ん?」
「ちいっと、お宅をお借りできませんかね」
ルパンはニヤリと笑いながら『黄昏』の方を見たのであった…
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では次回お会いしましょう